『地球の限界』を考えてみよう。それは・・・(10)

引き続き再生可能エネルギーについて
 
<蓄電>
 再生可能エネルギーのスケール化には、蓄電技術が不可欠。
▪カリフォルニアの蓄電方法
 カリフォルニア州、2045年までに電力を100%再生可能エネルギーで賄うことに決めた。
この目標達成には、3630万メガワット時(MWh)の蓄電能力が必要。現在の能力は15万MWh。目標達成率0.4%。
  https://blog.evsmart.net/ev-news/ventura-county-ca-to-deploy-tesla-megapack-to-replace-peaker-ng/
▪テスラの蓄電システム『Megapack』をカリフォルニア州でピーク時の電力供給用に採用
カリフォルニア州ベンチュラ郡では、今までピーク時の電力を供給してきた天然ガス利用の尖頭負荷発電所を作り変える予定で、Strata Solarが事業を受注していた。当初Strata Solarは自ら蓄電システムを構築していたが、今回正式にテスラのMegapack(メガパック)を使用することになったとある。

テスラのMegapack

テスラのMegapack。画像はテスラ公式より。
Strata Solarの公式サイトによると、この100MW/400MWh(出力/蓄電容量)の蓄電プロジェクトは5月までに建設前の準備をStrata Solarが終わらせ、EPC契約(Engineering=設計、Procurement=調達、Construction=建設)をテスラと結び、建設開始は2020年7月で、2021年の早い時期に運用が始まる予定。
尖頭負荷発電所は先述したように、電力需要のピーク時にのみ短時間稼働する発電システムです。その性質上大きなコストがかかり、環境負荷も高いものになる。また従来の化石燃料発電所として新たに建築を進めれば、その分のコストと時間もかかる。
テスラのMegapackは、設置に要する時間はたった10時間程。電力需要が低い時間帯に蓄電をし、ピーク時に放電という使い方ができるため、送電インフラの負担を軽減し、コストも抑えられる。また高温・乾燥する気候を持つカリフォルニアでは、山火事による送電網の火災が懸念材料だったが、オフグリッド使用のできるMegapackはその対策としても理にかなっている
 
テスラは2017年に南オーストラリア州ホーンズデールで世界最大のリチウムイオン電池プロジェクト(100MW/129MWh。この時はMegapackではなくPowerpack)を成功させており、今回のMegapackを使ったカリフォルニアのプロジェクトの規模はこの時の3倍になる。
契約は20年以上に渡る予定で、テスラが得意とするバッテリーパフォーマンスのデータ解析力が、プロジェクトのファイナンス部門の助けになると期待されている。
簡単に設置できてクリーンなエネルギーを蓄えて取り出せるMegapackは、2019年夏に発売されたもので、日本では、近鉄がPowerpackを導入した例がある。
 
▪大容量蓄電池システムを設置し仮想発電所(VPP)構築に参画 ~電力ピーク時の電力負荷の平準化に貢献します。 大規模災害時などによる広域停電時のお客さまの安全を確保します~
2019年3月26日ニュースリリース
https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/tikudenntivpp.pdf
 
▪この後、日本初のメガパックは、2021年5月に高砂熱学イノベーションセンター(茨城県つくばみらい市)に設置された。
テスラ メガパックは、高砂熱学イノベーションセンターにおける発電設備である超小型木質バイオマスガス化発電、太陽光発電約200kWにより発電された電気を施設内の需要に合わせて適切に蓄電・放電することで、施設全体のエネルギーの自立化、電力の安定供給に貢献している。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1327726.html
 
 
 
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