『地球の限界』を考えてみよう。それは・・・(7)
クリーンエネルギーへの転換を学ぼう
■クリーンエネルギーへの転換プロセス
・気候変動を止めるためにまず私たちができることはクリーンエネルギーへの転換。
転換プロセスは発電、蓄電、環境負荷の低い輸送の3つの部分に分かれる。
<発電>
▪発電コスト比較
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/048/048_004.pdf
▪再生可能エネルギーのコスト
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5118468.pdf
▪「再エネは安い」が世界の常識、なぜ日本は高いまま? 普及遅れれば企業に打撃も
https://globe.asahi.com/article/14365333
再生可能エネルギーは環境にいいけど高い――。
そんな日本の「常識」は、再エネが普及する世界の「非常識」になっている。この10年で世界の風力発電と太陽光発電は急成長を遂げ、設備容量はそれぞれ原発を上回っている。
「世界の3分の2の国・地域で再エネが最も安い電力です」。
ブルームバーグNEFの集計によると、この10年で太陽光の発電コストは8割超、風力は約6割下がったという。その結果、英国や米国、ブラジルなどでは風力発電が最も安く、中国やインド、オーストラリアなどでは太陽光が最安となった。一方、日本や韓国などでは石炭火力が最安だ。日本で石炭火力より再エネが安くなるのは2025年以降だという。
なぜ日本では再エネが高いのか。それは「固定価格買い取り制度(FIT)など政策に主な原因がある」といわれる。FITは再エネでつくった電気を10~20年間、国が定める価格で買い取ることを電力会社に義務づけるしくみだ。12年に導入され、当初の事業用太陽光の買い取り価格は1キロワット時あたり40~32円と、普及を進めるために高額に設定された。その後、買い取り価格は下がったが、当初の高額の認定を受けながら、太陽光パネルなどの導入コストが安くなるのを待ってから稼働する事業者が相次いだ。
電力会社は買い取りに必要なお金を「再エネ賦課金」として電気料金に上乗せしており、消費者の負担が増している。そのため経産省は制度を変えたが、当初の買い取り価格は最長20年続く。設置コストが大きく下がっているので、事業者はその差額をもうけることができる。普及が進めば発電コストは下がるのにもかかわらず、消費者にとっては電気料金の負担増がのしかかり、「再エネは高いまま」のわけだ。
再エネ普及のためには、企業が投資しやすくなるように、政府が目標値を設定し、経済的インセンティブを与えることが重要だ」といわれる。政府が高い目標を掲げ、促進策を導入する。そうやって世界各国は、再エネの普及と価格低下を実現してきた。
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日本風力発電協会などによると、洋上風力の導入目標は米国が30年までに30ギガワット。「脱原発」を進め、欧州企業を中心に建設が増えている台湾は、35年までに15.5ギガワットをめざす。日本の「40年までに30~45ギガワット」という目標は、「30年までに40ギガワット」の英国、「40年までに40ギガワット」のドイツなどと比べても遜色ないレベルといえる。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の予測では、世界全体で陸上風力は30年に1787ギガワット、50年に5044ギガワット、洋上風力はそれぞれ228ギガワット、1000ギガワット。洋上風力は50年までに18年比で40倍の拡大が見込まれている。
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