『地球の限界』を考えてみよう。それは・・・(9)
再生可能エネルギーの世界の現状を学ぼう
▪コスタリカ、再生可能エネルギーの電力だけで300日間の活動を支えた。
4年連続で国内電力の98%超を再生エネルギーで供給(ジェトロ)
米州課
2019年01月09日
コスタリカ電力協会(ICE)は2018年12月20日、2018年の国内における再生エネルギーによる電力供給率が98.56%と発表した。コスタリカは長年、使用電力に占める再生エネルギー供給率を100%へ近付ける取り組みを続けている。これまで、2015年に98.90%、2016年に98.21%、2017年に99.67%を記録しており、2018年を含めて4年連続して98%を超えた。なお、2018年の再生エネルギーの種別内訳は、水力(73.87%)、風力(15.60%)、地熱(8.38%)、バイオマス(0.63%)、太陽光(0.08%)だった。また同協会によると、年間300日は国内で完全に炭化水素資源など化石燃料からの発電実績がなかったという。
日本は、途上国や新興国への温室効果ガス削減技術・サービス・インフラなどの普及や対策を通じて実現した同ガス削減を定量的に測り、日本の削減目標達成に活用する2国間クレジット制度(JCM)を進めている。このJCMのパートナー国は現在17カ国あり、中南米ではコスタリカ、メキシコ、チリが加わっている。コスタリカとは2013年12月9日に9番目のパートナー国として署名した。最近の事例としては、2018年8月にコスタリカが提案した5メガワット(MW)太陽光発電プロジェクトがグアナカステ州ベレン市で開始され、日本からNTTデータ経営研究所がコスタリカ企業と共同参画している。この事業による二酸化炭素の削減量は、2018年に1,683トン、2019年に2,245トン、2020年に2,245トンと予測されている。
※詳細は下記を参照してください。
地球幸福度指数1位コスタリカ、国を挙げた環境政策でサステナブルシティを目指す。
電力のほぼ全てを再生可能エネルギーで供給 将来はカーボン・ニュートラルを目指す〜
https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/sustainable_journey/smartecotowns/costarica/index02.html
※地球幸福度指数とは:
地球幸福指数(Happy Planet Index、以下HPI)は、イギリスのシンクタンク、ニューエコノミクス財団が2006年に編み出した、各国の幸福度を測定する指数のひとつで、3~4年ごとに「持続可能な幸福」を測り、発表している。
HPIは、限られた環境資源を使って、各国がいかにうまく人々の幸福を作り出しているかを明らかにするための指標で、次の4つの要素を組み合わせて算出されている。
HPIの測り方・基準
・ウェルビーイング:各国の住民が生活にどれだけ満足しているか
・平均寿命:各国で予想される平均余命年数
・国内格差:寿命や幸福度の観点から各国内で生じている不平等
・エコロジカル・フットプリント:各国の住民一人ひとりが環境へ与える影響
このHPIは各国の経済発展の度合いではなく、人々の暮らしの満足度や、環境資源を効率的に使っているかなどから「今幸せかどうか、そして未来も幸せな生活を送ることができるかどうか」という幸せの持続可能性が導き出される。
コスタリカはHPIにおいては、2009年、2012年、2016年、2020年と4回 連続1位。
その背景には、経済成長のために熱帯雨林の伐採を進め、環境や生態系を脅かしたコスタリカ政府の反省があったようです。
政府は1996年、許可なく伐採を行うことを禁止し、熱帯雨林の保護と植林を開始。再生エネルギーで賄うということも行い、破壊から再生へと方針を大きく転換しています。
平均寿命も長く、ヨーロッパや北米地域の3分の1か4分の1しか資源を消費せずに生活しているようです。
●コスタリカ共和国 位置図

【お願い】出版されている書籍、様々な記事も、多くの皆さまにもお読みいただき、共有することで、私たちの住む「地球の限界」を考えることにしたいと考えました。関係者の皆さま、転用をご容赦ください。
ご迷惑をおかけしている場合は、お手数でもご一報ください。最優先で対応させていただきます。