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【日経SDGs経営大賞】とは?応募条件・メリット・事例を徹底解説

「日経SDGs経営大賞」はSDGsを経営に統合する企業を評価するアワードです。応募条件、審査基準、過去の受賞事例から得られる経営効果やブランド戦略まで、企業価値向上に役立つ情報を網羅的に紹介します。


この記事で解決できること

  • 日経SDGs経営大賞の概要や応募条件を知りたい

  • 受賞するメリットや企業ブランドへの好影響を理解したい

  • 過去の受賞企業の事例から、どのようにSDGs経営がビジネス成長に繋がるのかを把握したい

  • 社内での応募準備の進め方、審査で重視されるポイントを確認したい


目次




1. 導入:日経SDGs経営大賞とは

近年、SDGs(持続可能な開発目標)を経営戦略に統合する企業が増えています。しかし「SDGsに本気で取り組んでいる企業を客観的に評価してくれる場がほしい」と思う経営者・責任者も少なくありません。そんな悩みに応えるのが**「日経SDGs経営大賞」**です。

ポイント

  • 日本経済新聞社が主催する権威あるSDGs経営アワード

  • 「SDGsを通じた企業価値向上」という視点から専門家が審査

  • 受賞企業は社会的信用やブランド力、株主・顧客からの支持を強化する大きなチャンス

この記事では、日経SDGs経営大賞の応募条件や審査基準過去の受賞企業の取り組み事例を詳しく紹介しつつ、受賞後のビジネス成長や企業ブランディングへの好影響を解説します。SDGs経営をさらに強化したい企業・組織の方はぜひご覧ください。



2. 日経SDGs経営大賞の概要


2-1. 主催者・運営団体と目的

「日経SDGs経営大賞」は、日本経済新聞社が主催する表彰制度です。事業活動を通じて社会・経済・環境課題の解決に積極的に取り組み、かつ企業価値向上へ繋げている先進企業を選び表彰します。

  • 主催:日本経済新聞社

  • 目的:SDGsを経営戦略に組み込み、“サステナブルな社会貢献×企業価値UP”を実現する企業を広く紹介すること

実際の審査は、日経が毎年行う「日経SDGs経営調査」の結果をもとに、外部の有識者で構成される審査委員会がSDGs経営の推進度合い事業を通じた社会課題解決への貢献度を総合評価して行われます。



2-2. 応募対象や応募スケジュール

  • 応募対象

    • 国内上場企業、および従業員100人以上の有力な非上場企業

    • 具体的なエントリー書類は不要で、日経リサーチによるアンケート(SDGs経営調査)への回答が応募に相当

  • スケジュール(例:2024年度)

    • 5月~7月:アンケート回答期間(企業に調査票が配布)

    • 秋~冬頃:審査・受賞企業の選定

    • 11月下旬:授賞式

※詳細のスケジュールは毎年変動するため、必ず日経リサーチや日経SDGs経営大賞公式情報を確認してください。



2-3. 審査プロセス・募集部門

調査結果(各企業の回答+公開情報)をもとにスコアリングし、外部審査委員会が「総合的に最も優れた企業=大賞」を選出。併せてSDGs戦略・経済価値賞社会価値賞環境価値賞の3部門賞が設けられています。

表彰名 概要 大賞 最も優れたSDGs経営を実践する企業 SDGs戦略・経済価値賞 経営戦略と経済的成果を高いレベルで両立している取り組み 社会価値賞 人権・ダイバーシティ・社会貢献など「社会的課題」に優れた取り組み 環境価値賞 環境配慮・脱炭素・資源循環など「環境経営」で先進的な取り組み



3. 応募条件・審査基準の4つの評価軸

日経SDGs経営大賞では、**「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」**という4つの視点で評価されます。

  1. SDGs戦略・経済価値

    • SDGs経営の方針・推進体制

    • 事業を通じた社会課題解決の具体的成果

    • サステナブルファイナンス(ESG投資など)の取り組み

  2. 社会価値

    • 人権尊重・ダイバーシティ推進

    • 従業員の健康経営・エンゲージメント向上

    • 地域社会や消費者への貢献度

  3. 環境価値

    • 気候変動対策(CO2削減目標、再エネ導入など)

    • 資源循環・プラ削減・生物多様性保全への取り組み

    • 環境負荷データの開示や管理

  4. ガバナンス

    • サステナビリティを支える経営基盤(取締役会の機能、内部統制)

    • ステークホルダー・株主対応の透明性

    • 長期的な企業価値向上への体制

調査票の回答社外へ公開しているESG/CSRレポートなどで裏付けを示すことが求められます。つまり応募企業は、この4軸それぞれで定量データ&定性情報を提出し、それらが総合スコア化される仕組みです。



4. 過去の受賞企業・事例紹介

ここでは、日経SDGs経営大賞の歴代受賞企業の取り組みから、具体的な成功例をピックアップします。


4-1. 2019年大賞:コニカミノルタ

  • 特徴:カーボンマイナス(CO2排出削減量が排出量を上回る)をビジョンに掲げ、バックキャスティング思考で新規ソリューション事業を創出

  • 成果:医療診断や産業用計測分野での新ビジネス拡大

  • ポイント:SDGsを経営の起点に据えた“課題提起型デジタルカンパニー”への転換

参考リンク(コニカミノルタ)



4-2. 2020年大賞:リコー

  • 特徴:1990年代から環境経営を先導。RE100参加やプラスチック削減など長期的に環境・社会課題へ取り組む

  • 成果:環境配慮製品の開発、ダイバーシティ推進による働きがい向上、企業ブランド力アップ

  • ポイント:早期からの脱炭素投資で業界をリードし、持続的なCSR経営を実践

参考リンク(リコー)



4-3. 2021年大賞:アサヒグループHD

  • 特徴:脱プラスチック施策(ラベルレスボトル等)と“責任ある飲酒”推進(ノンアル飲料の市場創出)

  • 成果:ノンアル飲料シェア拡大、新たな収益源獲得

  • ポイント:SDGs視点で商品開発&飲酒文化の改善に取り組み、売上増&社会課題解決を両立

参考リンク(アサヒグループ)



4-4. 2022年大賞:MUFG

  • 特徴:サステナブルファイナンス拡充、投融資ポートフォリオの脱炭素化目標など金融業ならではのSDGs貢献

  • 成果:ESG債(サステナビリティボンド)の発行など低コストで大量資金調達

  • ポイント:金融セクターとしての影響力を活かし、気候変動や社会課題解決を支援

参考リンク(MUFG)



4-5. 2023年大賞:ソフトバンク

  • 特徴:2年連続の大賞受賞(2023~2024年)を達成。再エネ導入、AI教育支援、デジタル格差是正など

  • 成果:SDGs全項目で偏差値70以上を獲得し、最高評価の星5を獲得

  • ポイント:ICTの力で「誰一人取り残さない」社会を目指し、人材育成・教育分野でも高評価

参考リンク(ソフトバンク)



5. 受賞企業に見るビジネス成長への影響

日経SDGs経営大賞の受賞企業は、SDGs経営がビジネス成長をもたらす好例です。たとえばアサヒグループはノンアル市場を開拓し、脱プラスチックでも顧客満足度を高め売上増。コニカミノルタは課題提起型ソリューション事業を確立し、従来のオフィス機器依存から多角化を進めています。

また、受賞企業は投資家からの評価も高まり、ESG投資による資金調達の強化や株価の安定が期待できます。MUFGのように、脱炭素を含むサステナブルファイナンスでリーダーシップを発揮し、ESG関連の投資家層からの支持を獲得したケースも代表的です。



6. 企業ブランディングの成功事例

「日経SDGs経営大賞」の受賞は、企業ブランドを高める強力なツールにもなります。第三者機関からの権威ある認定によって、顧客や取引先、求職者などのステークホルダーに信頼性を伝えやすくなるからです。

  • 資生堂(社会価値賞受賞)は女性活躍・美容事業を通じた社会貢献をPRし、ブランドロイヤルティを向上

  • ユニ・チャーム(SDGs戦略・経済価値賞受賞)は使用済み紙おむつリサイクルなど社会的課題の解決策を打ち出し、世界規模でブランドイメージを高める

受賞ロゴマークの使用許諾も得られるため、企業HPやサステナビリティ報告書で大きく掲示すれば**「SDGsに真剣に取り組む企業」**としての印象がより鮮明になります。



7. SDGs経営と競争優位性

SDGs経営は、長期的な競争優位を築く源泉にもなっています。

  1. 新市場創出:東京海上HDがインド農村向けマイクロ保険など社会課題対応型商品を開発し、新たな収益を開拓

  2. 技術革新・業務効率:ユニ・チャームの紙おむつリサイクル技術など、環境課題を解決しつつ社内コスト削減や新事業領域へ展開

  3. 業界標準化:リコーやキリンが高い環境目標を設定し、業界の基準をリード。先行メリットを享受

  4. レピュテーション向上:SDGs先進企業として人材確保や顧客支持が強化され、ブランド競争力が高まる

結論:SDGsは「コスト」ではなく「未来への投資」。企業価値を底上げし、持続的成長を可能にする戦略ツールとして活用できます。



8. まとめ・次のアクション

日経SDGs経営大賞は、SDGsと経営を結びつける企業を評価する日本屈指のアワードです。受賞企業は、社会課題解決とビジネス価値向上を両立させている点が共通しており、以下のようなメリットを得ています。

  • 企業ブランド向上:権威ある表彰で社会・投資家からの信頼を獲得

  • ビジネスチャンス拡大:ノンアル市場開拓、保険商品開発など新規事業を創出

  • 競争優位性:環境・社会への先進的対応が業界標準をリード

  • ESG投資対応:資本市場からの評価UPにより資金調達や株価にも好影響

もし自社でSDGs関連の取り組みを進めているなら、日経リサーチのアンケート調査(毎年5~7月頃)に回答することで応募可能です。これを機に社内のSDGs施策を棚卸しし、経営戦略・人材育成・環境対策などを総合的に点検しましょう。

アクションのヒント

SDGs推進体制の明確化:CSR/ESG担当者や経営層を巻き込み、調査票に対応するデータを整理 公開情報の整備:サステナビリティレポートや統合報告書に定量データを盛り込み、審査裏付けに 他社事例の研究:過去の受賞企業がどのように事業成長とSDGsを両立させたか学ぶ 応募スケジュールの把握:日経リサーチから調査案内が来る時期に合わせて準備

SDGs経営は「持続可能な社会を作る」だけでなく、企業価値を持続的に高める最強の武器でもあります。日経SDGs経営大賞への挑戦をきっかけに、貴社のサステナビリティ戦略をさらに加速させてみませんか?


参考リンクまとめ

※以下、本文で取り上げた主要リンクをセクション単位で再掲します。必要に応じて取捨選択しご利用ください。

【2. 日経SDGs経営大賞の概要】

【3. 応募条件・審査基準の4つの評価軸】

【4. 過去の受賞企業・事例紹介】

【5. 受賞企業のビジネス成長への影響】

【6. 企業ブランディングの成功事例】


以上、日経SDGs経営大賞の応募に向けたポイントや事例、メリットをご紹介しました。SDGs経営をより強化し、社会的信用とビジネス成長を同時に実現したい企業・組織の方は、ぜひ参考にしてください。


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