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15.【決算書分析】経営をBS脳で見ると事業が伸びる?!
会社を着実に伸ばしている経営者はPLとBSで経営を見ています。PLは期間の業績を表すものですが、BSは今までのPLの積み重ね、結果になります。
でもBSって馴染みがないし、見方が分からないから把握していない方は多いのではないでしょうか?だからこそBSはシンプルに捉えましょう。実際、健全にそして着実に業績を伸ばしている会社はBSはとてもシンプルです。
もちろん業界によってBSの中身は変わってきますが、成長している企業ほどシンプルで筋肉質なBSになっています。
わかりづらい勘定が存在したり、負債の金額が多すぎたりするBSの会社はどこかリスクや課題が存在します。このシンプルな感覚は持っておくことはとても大切なことなんです。
その他にも例えば、「流動資産、固定資産含め見せかけのものはないか。」「流動負債、固定負債含め調達バランスが悪すぎないか。」など、色々見るべきポイントがBSには詰まっていますし、将来を見据えるものがBSなので、BSに経営者の生き方が詰まっているといっても過言ではないと思います。
またBSの推移を見ると、会社経営において「実質的に自由に使えるお金」が書かれています。ちなみに預金通帳に印字されているお金は自由に使えるお金ではありませんよ。
少し遠回りをして説明をしますが、BS(貸借対照表)上、自己資本比率が高い場合、財務的に安定しているケースが多いです。しかし、中には自己資本比率が高くても自己資本の中身が空っぽな企業も多く存在します。
自己資本の中身とは資産のことです。
その資産を構成するのは現預金や売上債権、商品の在庫などの流動資産と土地建物の不動産や投資有価証券などの固定資産に分かれますが、流動資産の中でもすぐに現金化できない回収が滞っている売掛金や滞留在庫、過剰在庫があったりします。また、固定資産を時価にすると簿価割れをして、ほとんど価値がないなんてケースも多く見られます。
こういう会社は、たとえ自己資本比率が高く、自己資本額が多くても、財務的に安定しているとは言えないでしょう。
更に、現預金がたくさんあっても借入金やリース残高などもたくさんあれば、その現預金はあくまでも借りたお金が手元にあるだけなので、実際は自社のお金ではありません。現預金から借入金や社債、リース残高を差し引いた純粋な預金高をネットキャッシュといいます。また売上債権よりも支払債務の方が大きいと支払過多になるため、1-2か月後に現預金が減る可能性があります。
このネットキャッシュという考えが「実質的に自由に使えるお金」になります。この本当に使えるお金が多い会社が財務的に安定した会社であると思っています。
財務的に安定していると経営で必要な勇気が湧いてきます。京セラの稲盛和夫さんがKDDIの前身である、DDI(第二電電)を創業した理由の一つにネットキャッシュ(内部留保)があったからだと回答しています。
会社を安定させ、更なる発展をしていくためにもお金(ネットキャッシュ)は大切ですので、BSからきちんと把握したいものです。