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GIAのラボ実習で3週間バンコクに居ます
毎度のことながら書きたいことたくさんあるのにあっという間に日々が。。。
今、バンコク滞在2週間が過ぎました。
ちょっと一息つける気分になったので、ホテルのスパでマッサージを受け。
ボディマッサージはとってもお上手でびっくりしましたが、フェイシャルはやはり日本のサロンが世界一♪
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ホテル内のスパの個室、おしゃれ。
セラピストの方の技術には結構個人差あり^^;
ということで、ホテルステイではありますが無事元気に過ごしております。
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三角おにぎりみたい。原石大好き。
私は英国宝石学FGA取得のための専門学校に2022年6月から通い始め、2年間のカリキュラムを修了し、2024年6月末に最終試験を受け、今年2024年の9月に合格通知を受け取ることができました。
FGAの取得は、日本で日本語で授業を受けられる専門学校があるので、その通学クラスに入り(オンラインクラスもあり)、通学クラスを選んで一番意味があったのは、とても数多くの種類の教材としての石を見ることができたことでした。
宝石学を学ぶ前は、自分の興味のある鉱物、宝石しか見ていなかったし、しかもそれに対する知識も無いに等しく。
(個人的に思ってるのは、、、宝石学取得していなくて宝石扱ってる方は、『正確な知識』は持ってないです。宝石学を取得してないけど知ったようなことを仰ってる方が多すぎてこの2年、おそろしいと思って遠巻きにみてますが、経験値+ネットで出てくるレベルの情報の範疇と、学問として学び履修することは、全く別の話。これ、宝石に限らずなんにでも言えることですが、学問を修得して実務経験もあるのが一番信憑性高いというか。今となっては、暗記重視の受験勉強とかも、無駄ではないというのが私の実感。学校で学ぶことに無駄なんて無いです。)
だから、自分の興味や仕事で関わる石以外を否応なしに見続けることでの学びは大きかったし、もっと言うと個人であんな多くの種類の(興味もない)石を買い集めて観察、鑑別なんてしないしね。
そのおかげで、いままで興味のないと思っていた宝石種のことを学んで、その石がだんだん「いいな」と思えてきたり、「使えるかも」と選択肢が拡げられたのも収穫。
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結構なコレクションになってる。
そして(こっそり)2023年10月から米国宝石学GIAのオンラインカリキュラムも開始して、この座学はオンラインで受けられるからFGAとの同時進行が叶っていたわけでした。
GIAは確か15年以上前には日本での教育部門を閉鎖していて、今GIAのdiplomaをとるなら英語のみ。座学+その試験はオンラインでできても、鑑別の実技+その試験は実地でやらないといけないので、世界どこでもGIAの教育機関がある国に行って、実技関連は受ける必要があるんです。
私は、GIAのラボクラスの実施日程+地政学的要因を考慮し、バンコク一択。
実技のラボクラスの受講は、GIA取得のプロセスの終盤戦を意味します。
私は今年上半期全てをFGAに割いていたので、実質5か月(去年10月~12月と今年の9月+10月)でここまできました。
(もちろん、日々の時間がもっと取れるひとはもっと早く進めます^^私の期間は備忘録として記させてください。)
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これ日本の専門学校ではかなわなかったことだなあ。環境って大事です。
Pearlのラボ実習は昨年修了済みなので、残りはDiamond Grading Lab, Gem Identification Lab, Colored Stone Grading Lab.
ダイヤモンドのグレーディングは、世界の基準をGIAが担っているだけあり、ほんと有意義な実習となりました。
この部分はFGAでは全く触れられなかったエリア。
確かに、GIAのグレーディングをFGAが教えられるわけないですから。
今まで、GIAの鑑別書つきのダイヤモンドはいくつも見ているし、それらを都度ルーペで見て、「なるほど、これくらいだと、これくらいのグレードなんだな」とか思ってはいました。
でも、実際にラボで実技として得られた知識と学んだ基準値、そのプロセスと経験。いままでの経験則的な、見よう見まねの、「これはこんな感じなのね~」と思ってたのとは、全く違う世界がひろがっていました。
これは価値ある~って思える勉強ができることの幸せ。
FGAとGIAって、同じ宝石学、イギリスか、アメリカかの違いだけではなく、ざっくり、イギリス宝石学は教育機関のみで歴史があり、学問的。どの宝石種も優劣をつけない。
アメリカ宝石学は鑑別機関と教育機関両方あり、実地に即した商業的な視点と優先順位、専売特許のダイヤモンドグレーディング。
実際に自分で経験して、聞いていた通り確かに圧倒的にFGAの取得のほうが大変です。二度と繰り返したくない2年間。ここまで全てを出し切って勉強したのは人生初でした。もし落ちても、再受験は絶対にしない、と結果が出る前から決めていたくらい。
で、GIAのほうは「FGAより簡単なんだよ~」って、なにかの度に聞いてたんです。私は先にFGAを開始していて、GIAを追加で勉強しはじめたので、もちろん既知のことは多く、GIAの勉強は前半部分は全く苦労しませんでした。
だからこの時までは、確かに簡単かも、なんて思っていたのも事実。
でも、GIAの後半戦の座学。
ほんとにFGAと性質が違うんです。だから、同じ宝石学、と謳っているのに別物だなと。前半戦だって、結構教材内容は違ってました。で、それはお国柄とかもあるかな~って楽しく見ていられるレベルでした。
でも、後半戦、あえて言いますと、本当に全く内容とかフォーカスポイントが違っていて、純粋に面白い!って思える教材ではありましたが、同時に、ガチで勉強(というか暗記アゲイン)してかないとFGAとは要点が違うからオンラインの筆記試験にも受からない、ということで1日12時間勉強の引きこもりの日々を開始。
だって、バンコクのラボ実習前に終わらせとかないと、と思って。オンラインのほうを終わらせとくことで、実習内容の理解度も格段に差が出るんだろうと思い。
(実際はラボの前に全てを終わらせるのは必須条件ではなかったのですが、私は終わらせないといけないんだと思い込んでいたので猛ダッシュで勉強し、バンコクに行く2日前に何とか試験監督付きオンライン試験を全部高成績でパスしたのでした。)
もう一つ強く実感したのが、先にFGAを始めていてほんとによかったということ。
FGAは先に申し上げた通り、学問的。私の年度の教科書の更新年度は2012年でとまってます。(2024年現在)
これ、あえて良く言わせてください☆ 最新のものが網羅されていないんじゃなくて、もうすでに決定事項のことがきっちり深く載ってるんです。時間が経っても内容に変更が生じない内容。学問的と言ったのは、そういう意味も含んでます。
GIAは一方、FGAで堀りまくる物理学的光学効果の原因、元素、組成、イオン、波長、結晶学、そういった根源的なことは、超さらっと流してて、「え、いいの?!これで!?」と驚愕でしたが、逆に、教科書の更新年度、チャプターによりますが、最も新しいものは2023年度だったかな。(帰国したら確認しよ。)
これ、すごいことです。教科書を更新してるんですよ、いまだに。だってもう完成している内容でも、間違ってはいないわけじゃないですか。
で、商業的、と先に申し上げましたが、宝石種の優先順位もきっちり。具体的な鉱山の取材に基づいた情報がたくさん。
鉱山って、利権の塊だしセキュリティのこともあり、普通には入れてもらえないところなんです。
だからとても貴重な情報であり、教科書にそういったことも含まれているということは、いまだに費用、時間、手間をかけて教材をUPDATEしているということ。
FGAとGIAの大きな違い、というか全くの別物かな、って思った所以です。
FGAは教育機関だけ。これを意味するのは、教育機関だけで採算をとっていかないといけない、ということ。
GIAは鑑別機関と教育機関があり、ビジネスとして鑑別機関の比重がかなり大きい。だから、GIAの方がリソースもでかいし、資格取得のプロセス、担当者のメールのレスポンスの速さから、プロセス自体も上手に構築されていてマネタイズの仕組みもきっちり出来上がってる。だから様々な面で違いがあります。
だって、受験者側からの観点だと、FGAは年に一度だけの試験のチャンスだし、カリキュラムも1年ごとの区切りだし、1年分の内容は分割はできなくて、1年目の試験が落ちたら、またその1年後に再試験を受けて合格しないと2年目のカリキュラムに進めないし、全部全部一括だし、その他もろもろ。いろいろ大変でした。
でも、GIAは、世界中のキャンパスで、日程が合う実技試験を選べるし、カリキュラムも細分化されていて、着実にちょっとづつ進んでいける。
(支払いもFGAに比べて範囲が細分化されてるから、1つの講座の支払金額が小さいわけです。FGAは年間一括だけど、GIAは進み具合と支払いと、自分で計画できる。)
勉強自体も、一括で日時と場所が指定された(受験者側からは一切の選択の余地がない)年一回の大きい範囲の試験ではなくて、カテゴリーごとに進めていけて、都度、「ここまで修了したね」の証明書がもらえて。
逆に言うと、全部のプロセスを修了してなくても「お免状」みたいに見えるものを出してるから、お免状的なものを掲げてるひとが全員最終のGIA G.Gを取得しているわけではないので、そこも注意。
私は、FGAとGIA、2つともを同時に勉強できて、ほんとうに意味があったし価値があると思っていること、そして、最初にFGAから始めていて本当によかったこと、どっちも大事で、どっちかでよかったなんて思えないこと、そして、FGAだけ難しくてGIAは簡単なんだよ、なんてことも言えないこと。だって、GIAの教材と実技の濃さも、マジで勉強しないと試験に受からないから。
でも、それでも、FGAの大変さは、比じゃないこと。だからこの困難さを共に経験したFGAを同時期に受けた仲間たちも称賛するし、私自身も自分で得られたことの大きさを実感しています。
だから、どっちがいいとかではなくて、両方同時期に勉強したからこそ気づけたことがとっても大きかったし、これは私の強みになるなと思いました。
もっと書きたいけど、また今度にしよう。
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