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Duolingoに広東語があるけど残念ながら使えない

研究室にハルビン出身の博士の先輩がたまに来てくれる。たまたま会えれば、中国の暮らしや文化についての話をすることがある。

広州にちょっくら行くつもりだとか、広東語に興味があるとか話した。すると、広東語が産み出した音楽などの文化や、広東語への憧れ、話者にとってのプライドなどに話が及んだ。

そこで教えてもらったのだが、Duolingoに広東語があるそうな。5言語同時進行でやっているのに、言語を追加しようとしてみると、確かにあった。

あったけど、これ、言語設定を中国語(普通話)にしないとプレイできない学習セットだった。「中文(粤語)」とある。

広東語がわかってもMandarinがわからないから、正解の訳文を作れない。画面右上の❤️がどんどん減るからプレイするのは諦めるしかない。

英語でプレイできるようにしてほしいな。

ただ、おもろいと思ったことがある。
粤語(広東語)が繁体字だった。
広東語版の拼音である粤拼(e.g. ngo5hok6..)の有無を選択できても、字体は変えられない。

別に広東語は簡体字でもいいわけだけど、繁体字の広東語が学習素材なのである。広東省の粤語を学ぶよりは、香港の粤語を学ぶことが目的なのだろうか。[粤語→香港のことば]という回路が強いのだろう。

普通話ユーザーが粤語を学びたいと思うからDuolingoに用意されているのだろう。とすると、やっぱり広東語=香港のことばには、憧れやかっこよさ、言語集団や文化への羨ましさを感じさせる力があるということか。自分のものにしたい・振る舞いたいと思わせる言語なのか。

まだまだ広東語音楽が文化として「強い」うちはこのような構図があるかもしれないけど、普通話が生み出す文化も根付いていけば、潮目も変わるのだろうか。

「深圳があるいま、香港など憧れの場所ではない」と言うように。


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