
【いい音楽は言語・国を選ばない】近藤真彦、アニタ・ムイ、プリシラ・チャン、そして韓国
80–90年代の香港のスター歌手によるヒット曲には、日本の曲の広東語カバーが少なくない。いや、かなり多い。日本でリリースされてから時差なしで香港でも受容されている。
僕の大好きな歌(カバー曲視点)で例を挙げてみる↓
★張國榮(レスリー・チャン)「風繼續吹」(山口百恵「さよならの向こう側」)
張國榮(レスリー・チャン)「MONICA」(吉川晃司「モニカ」)
梅艷芳(アニタ・ムイ)「蔓珠莎華」(山口百恵「蔓珠莎華」)
★張學友(ジャッキー・チュン)「每天愛你多一些」(サザンオールスターズ「真夏の果実」)
陳慧嫻(プリシラ・チャン)「紅茶館」(平浩二「バス・ストップ」)
黎明(レオン・ライ)「我的親愛」(槇原敬之「もう恋なんてしない」)
★陳慧嫻(プリシラ・チャン)「飄雪」(原由子「花咲く旅路」)
★梅艷芳(アニタ・ムイ)「夢伴」(近藤真彦「夢絆」)
★印:その歌手の代表曲となったもの
いくつかは、広東語の曲でこれいいな〜と感じ、その後に作曲家が日本人だと気が付き原曲を知った。今まで近藤真彦の曲は特に聞いてこなかった。マッチがSpotifyにいないという原因もある。
上記の例に加えて、とっても素敵な曲がある。広東語の歌詞の意味は分からずとも関係なく、とにかく素敵な歌である。
1989年に日本・香港でリリースされた、近藤真彦「夕焼けの歌」–陳慧嫻(プリシラ・チャン)「千千闋歌」–梅艷芳(アニタ・ムイ)「夕陽之歌」である。
プリシラ・チャンにとってもアニタにとっても、代表中の代表曲である。
プリシラ・チャンは可愛いし声が綺麗。アニタはとにかくかっこいい。
あんま楽器わからないけど、始まりからのアコギと、間奏と終わりにはいるエレキの音とかもすごく沁みる。
マッチが歌ってる姿はというと…下の動画を見て欲しい。
マッチが韓国のテレビに出てるではないか!
日本でよりも活き活きとしているように見えるのは気のせいだろうか。
実は2024年になってようやく、韓国のテレビで日本の歌の放送が解禁され、その筆頭としてMBN(毎日放送)の音楽番組でマッチや松崎しげる、中島美嘉などが出演しているのだ。歌うま女王の日韓戦はかなり盛り上がったらしい。
テレビが自主規制していただけなので、もちろん2004年のCD流通の解禁以降、ストリーミング等でも日本の音楽は韓国でも一般的に聴かれていた。K-POPの日中台港そしてグローバル市場への圧倒的な影響力の前に、オールドメディアといえど堅実なテレビでも、日本の音楽を楽しむ余裕が出てきたらしい。
これについてはクロ現でも特集されている。
いい歌は心に響く。それは言語を超える。その必要条件として国境なんかも容易に超えられる。
中華圏の人々に「千千闋歌」「夕陽之歌」が響いたように、僕にも響く。日本語でマッチが歌っているのもとてもいい。その姿を素直な感情で楽しむ韓国の人たちもいる。
広州のライブハウスでも、路上演奏でも、音楽っていいわーと思わされる。異国の地であっても周りの人たちと繋がっているんだと思える。その場に参加している、部外者ではない、みんなと同じ地を踏んでいると、僕に感じさせてくる。
「千千闋歌」を歌うプリシラ・チャンが、若くして亡くなったアニタの歌詞で途中から歌う、とても感動的な映像。中国湖南省を拠点とするメディア(芒果TV/Mango TV)の番組内で。
本記事のトップ画像はこの動画内から。
※終盤に野呂佳代みたいな人がいるのもおもろい。