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スクリプトリウムvol.3|DAY 5
本記事は、オンライン開催の霧とリボン企画展《スクリプトリウムvol.3〜植物図譜》DAY 5の配信記録です
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Text|霧とリボン
終幕が近づき、スクリプトリウムに咲き誇る植物たちがいっそう濃い香りを漂わせています。訪れて下さいました皆様に深くお礼申し上げます。
本展にて、霧とリボンのポプリブランド《Du Vert au Violet》がローンチ、DAY 5の本日は、ブランド設立に関する記事をお届け致しました。
巡る季節の美しさを窓越しに眺めながら、菫色のポプリ室で、ひとり黙々とポプリの研究と実験に励んできた日々。室内香の伝統は受け継ぎつつも、室内香ではないポプリを当初から目指していましたので、参考文献はほぼなく、実験と失敗を繰り返しながら、追い求めるポプリの世界を模索し続けてきました。
そうして辿り着いたポプリを「プライヴェート・ポプリ」と命名。書物を紐解くように香りと一対一で対話するポプリを、このほどお披露目することが叶いました。
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ポプリブランド設立のきっかけは、或るひとつの香りの記憶——
2015年の晩秋、デレク・ジャーマン監督のプロスペクト・コテージを訪れた時のこと。幸運にも護り主キース・コリンズ氏から歓待を受ける幸運に恵まれました。コテージの扉をくぐった時、静寂とともに流れてきた一条のラヴェンダーポプリの香り——それは、キース氏から私どもへの無条件の信頼の証として、たましいの深い場所まで、ゆっくりと届いてゆきました。
以降、日常のふとした場面で、あるいは、立ち止まって考えたい時に、あの日の菫色の香りを追想します。自分が立ってる場所はどこなのか、これから歩いてゆく道はどの道なのか——迷うたびに、あの日の菫色の香りがそっと導いてくれました。
記憶の中に、確かさを持ってしっかりと息づく香り。時空を超えて、あの日のあの場所へ、一瞬で連れて行ってくれる香り。ここにはない、記憶の中だけに存在する香りを、こころの小壜からそっと取り出しては、折に触れてゆっくりと向き合ってきました。室内香ではない、意志を持って香りを体験するポプリを作りたい所以です。
いつか、あの日のラヴェンダーの想い出に捧ぐポプリを調香できる日を夢見つつ、「プライヴェート・ポプリ」に関心を寄せてくださった皆様へ、心からの感謝を申し上げたいと存じます。
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明日はいよいよ最終日。6日間に渡ってオンライン開催してきた本展が終幕を迎えます。美しいコラボレーション作品がお披露目となりますので、ぜひご高覧下さい。
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9月26日(日)23:00より販売スタート致します。販売期間は【9月26日(日)23:00〜9月29日(水)23:00】の4日間となります。販売は下記バナーの霧とリボン オンラインショップにて。
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