金田アツ子|菫と勿忘草
Text|KIRI to RIBBON
アブサン色が健やかに流れる春のモーヴ街——
このほど、7番地に位置するここ「スクリプトリウム」に、清廉な抒情を少女と花に託す画家・金田アツ子さまをお迎えすることとなりました。
「金田アツ子の温室」として、馨しい植物画を中心に、やさしい視線で描かれた作品を発表します。モーヴ街をお散歩される際は、ぜひ温室を訪れて、美しい草花たちをゆっくり眺めて下さいね。
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アツ子さまは昨年、2番地のオンライン・ギャラリー「MAUVE CABINET」にて、アクセサリーブランドBelle des Poupee様と二人展を開催。花を愛するお二人のご競演に多くの賛辞が寄せられました。新訳付き作品集やコラボ・ティタオルの発表も楽しいアーカイヴはいつでもご覧頂けますので、ぜひお楽しみ下さいませ。
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スクリプトリウムの温室に最初に咲いたお花は、「菫」と「勿忘草」——アツ子さま自身がこれまで深い愛情を持って育ててきた花々です。花びらに込められた叙情を一緒に辿ってみましょう。
菫色鮮やかな「Viola mandshurica|ビオラ・マンシュリカ」。春の到来が待ちきれないとばかり、細い茎をしなやかに伸ばして咲き誇っています。
花びらを構成する、いくつもの「菫色」——春の光を受けて艶やかに光る輪郭、光を求めて反る花びらの躍動、まだひらかない蕾の静けさ。絵筆から注がれる菫色の息吹が、スクリプトリウムの温室にやさしく反響しています。
教会暦では祭色が菫色になるレントの季節に届いた、「誠実」の花言葉。草花と共に画家の心象風景が咲く、スクリプトリウムの温室の風景です。
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身を寄せ合うようにひっそりと咲く、可憐な勿忘草。繊細を極める筆致でひとひらひとひら描かれています。モーヴ街のアブサン色の風に揺れながら、春への讃歌を囁いています。
ピアニッシモの絵筆は画家自身の内なる声。声高ではない、しかし芯の通った明朗なタッチ。金色の額縁に守られた、囁きを身上とする者たちの聖所。
巡りゆく季節、スクリプトリウムの温室から、「小さくとも思い高い」草花をお届けしてゆきます。お気に入りの一輪を見つけて頂けましたら幸いです。
本イベントでは、あと二回、温室の更新がございます。ぜひゆっくりお楽しみ下さい。
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作家名|金田アツ子
作品名|菫
アクリルガッシュ・バロンケント
作品サイズ|6.5cm×5.2cm
額込みサイズ|
13.2cm×11.8cm×2cm
制作年|2021年(新作)
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作家名|金田アツ子
作品名|勿忘草
アクリルガッシュ・バロンケント
作品サイズ|6.5cm×5.2cm
額込みサイズ|13.2cm×11.8cm×2cm
制作年|2021年(新作)
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オンラインショップ内《金田アツ子》様のコーナー
常設作品も展示販売中です
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