レジ

『ポイント還元』

店員:「…では、こちら合わせて20000円になります。
当店のカードかマイナンバーカードはお持ちですか?
はい、只今、当店では政府が行っているマイナンバーカードの特別施策、還元サービスに対応しております。
お客様が、今回ご購入の20000円の商品にはマイナンバーカードのポイント還元で5000円のポイント還元がつきますので、実質15000円のご負担となります。

あと、こちらのお知らせはご存知ですか?
お客様のマイナンバーカードに、さらに当店のポイント機能をおつけになった「●●ポイントカードぷらすマイナンバーカード会員制度」に入会いただきますと、さらにポイント還元率○○%が上乗せされますので、実質上のお支払が13000円になります。
お買い物にいちいちマイナンバーカードをお店にご提示されるのは、ちょっと不安ですよね?
ああ、はい。すでに、マイナンバーカード+RポイントとTポイントの機能が入っていらっしゃるんですね。
はい、当店では「Vポイントカード」と申しまして、お買い物の場合だけではなく、当店の出資会社が運営している”Jリーグの○○FCが勝利”しますと、勝ち点3にちなんで、さらに3%のポイント還元がついてくるお得なカードになっているんです。
もちろん、年会費はかかりません。

ははは、たしかに、複雑で、ポイント制度ってどうなっているのか本当に摩訶不思議ですよね。
マイナンバーカードの期間限定の特別施策の一貫として、当店のポイントカードには、参加店舗別のポイント還元制度が割り当てられているんです。マイナンバーカード普及推進の制度ですね。ですので、ご負担は総て政府の方からの還元になるわけで、お客様のご負担は特にお気になさる必要はございません。
現金でお買い物をされるよりずっとお得ですよ。
さらに、このカードにクレジット機能をおつけした「スーパーJ○B ●●ポイントカードぷらすマイナンバー」にご入会いただくと、3月まで入会特典として、3000ポイントが還元されます。これで、今回のお客様のお買い物は、カード入会するだけで10000円以下になります……」

エリアマネージャー:「はい。お疲れ様です。うーん、ちょっと、説明が丁寧すぎかな?
噛んで含めるような…雰囲気だけ出しといて、もうちょっと早口に説明して、立板に水と思われるくらい流した方がいいよ。
マイナンバーカードって、結局、給料の振込口座とか、住所、生年月日、家族構成なんかに全部ひもづいちゃうから、その内容ごとお店に渡すのか……なんて考え巡らす暇ができないように話さなくちゃ。
…店長!店内の音楽ももっと上げといて!
店員の説明が、聞こえるか聞こえないかぐらいで。そう、うん、それで。
ポイント還元ってなんだろう?とか考えはじめたら、買い物がとまってしまう。とにかく、考えさせたらだめだ。買い物したときに、カードの説明が次から次へと出てきて、ああー疲れた、お得なんだからもう一枚会員カード作ろうか、ぐらいに思ってもらうのが一番いいんだから。理解してもらおう、というのは態度や雰囲気だけの問題で。

どっちみち、マイナンバーのキャッシュレス化の還元率なんて、ホントは税金の使い回しの無駄づかいみたいなもんなんだから…
え、わかってないのか君?
ポイント還元の名目で税金注入してお得感を上増しして、とりあえずモノが売れてるように見せかけているだけじゃないか、これは。
こういうのは”経済政策”っていうのかどうかよくわからんけど。君、大学、経営だよな、これって経済政策って言っていんだろう?
ま、ともかく、そこんところお客さんが意識行く前に、お得だなぁって感じをもっと伝わるようにアピールして、表現してみて。今のは言うべきところは出てきていて、なかなかよかったよ。
はい、では、次、○○くん、実演、やってみようか。」

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