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噴水と晴れた胸(散文)

公園についた。

僕は、また訪れた不採用通知に精神的キャパシティック、かつパンデミックな状態になり、スケートボードと薄い財布を持って、家を飛び出たのだった。

軽く近所の道を少し慣れてきたばかりのプッシュをちょびっとやりながら、到着。

公園に着くと、数名の、普段よりも年齢層もレベルも高そうなスケーター達がトリックをしている。

僕はヘッドホンで、
あまり聴き込めて居なかった、リスペクトするラッパーのアルバムを聴きながら、
ひたすら、プッシュ往復。

最近筋トレをサボっていたので、身体感覚と脳が一致するのに時間がかかる。

プッシュに疲れると、脇にある噴水の前へ。
滝行みたいだな。とか思いながら水飛沫を浴びる。

そして、またプッシュ。

少し遠くを見ると若くてめちゃくちゃ上手い(初心者の僕からは少なくともそう見える)スケーターが、すごいスピードで滑りながらトリックを決めている。

思わず、

『おーー…』

と声が出てしまう。

噴水の前では、二人組の若いお笑い芸人らしきコンビが練習をしている。

それに見入る、お母さんの連れた女児ふたり…かわいい。
 

いい景色じゃないか。



なんだ。


いい景色だ。  

僕は何を澱んでいたのだろう。

そんな気持ちを得て、



僕はまた、

プッシュの練習を始めた。

梶本

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