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自虐の詩(映画レビュー)

映画、自虐の詩を観た。

3度目の鑑賞か?

内容としては、
元ヤクザのイサオと、幸江という薄幸な内縁の妻との同棲ものなのだが、

この作品が西村賢太的なミニマルなー悪く言うと一定の落語てきなリズムの作品ーにならないのは、

二人の過去から今が比較的しっかりと描かれているからか。

適度に重く、適度に軽く、
観終わった後は、深い言葉が胸に残る。

そんな作品。

漫画版原作がまた非常な傑作であり、

まず幸江の過去の掘り下げが非常に深い。

友人の熊本さんとの切ない友情は落涙必至。
もう軽くネタバレしちゃうけど、
熊本さんとの貧乏でいじめられてる2人の友情、クラスの女子カースト1位のキャラクターが幸江をグループに入れた時の熊本さんとの哀しすぎる軋轢、そして幸江を好きなモテる男子との淡く哀しいラブ‥

4コマ漫画なんだが、途中からもう4コマ漫画を飛び抜けた世界に入っていっちゃう。

最後の熊本さんとの再会とかね。

もうね。

幸も不幸も〜の下りとかね。

もう、落涙必至。

平凡な同棲夫婦っぽいイサオと幸江にある、
平凡?なような非凡なような、壮絶な、過去。

自分は大好きですね。

映画版の幸江は中谷美紀さんがまた‥いい。
この人は薄幸な女性を演じさせたら右に出る人は居ないんじゃないでしょうか?

阿部寛さんの怪演はともかく、笑
中谷美紀さんの演技、最高。
(阿部さんもめちゃくちゃいい顔のシーンあった。幸江がダルク的な施設から出てくるのを迎えた時の車での表情!素晴らしい。無上、といった顔。)

嫌われ松子の一生も素晴らしかったですが、中谷美紀さんは何故こんなに生活感を出せるのか?(苦労してんのかな)

ミニマルで日常的な設定を、ダイナミックな過去が内部から破裂させてゆく快感がある、独特の作品。

最後には、人間の人生の核心に触れてしまう。

映画も漫画もオススメですが、
漫画の方が重く、号泣必至。(3回目)

映画はサラッと見れて、エンタメ感もあり、深い。
バランスよし。

と、

今日は、映画評を書いてみました。

皆様も、是非御覧になって下さい。

それでは、また。


梶本



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