『リーダーの仮面』読書記録
小さな大衆向け書店で平積みされていたので勢いで買いました。意図的に批判的に読んでいます。追記方式です。
■冒頭で骨盤矯正が例に使われますが、骨盤矯正が矯正として成り立つという前提に医学的な怪しさを感じました。
以降は『7つの習慣』で言うパラダイムを意識しているか、どれかに囚われていないかに注目して読み進めます。
■「数学の問題を感情で解く人はいません」(p. 40)とありましたが、数学は感情次第で解答を変えられる教科であり学問です。先入観が色濃い印象を受けます。
あと「1+1=2」は公式ではなく公理の特殊化だと思います。この指摘で感情的になって筆者の主張が頭に入らないので、確かに結果が出るまでは感情的にならない方が良さそうです。
■「会社は孤独を埋めるための場所ではありません」(p. 47)とありますが、間違えを指摘してくれる人間関係は社内の立場に関係なく育むべきだと思いました。理由は上述。
一方、「成果が出るから結果的に雰囲気が良くなる」(p. 49)には賛同します。その前後の文章についても共感します。が、共感はパラダイムが同じだからであって、異なる意見も多々ありそうだと感じました。
■「上司が部下より現場に詳しい必要はない」(p. 55)は共感も反論もあります。反論、現場そのものは知らなくても構いませんが、現場結果の解釈を知らないと部下を迷子にし、加えて「公正」な評価が不可能です。結果の詳細を述べずに「結果で評価した」と言い張るなら有効かもしれません。
■質問4、5(p. 54辺り)は一般論ではありませんが、多くの場合にその通りだと思いました。反論として、例えば将来も含めたチームとしての結果がプレイング・マネージャーに徹したときのチームとしての結果より下ならば質問4は筆者と異なる回答になります。
■挨拶や会議に遅刻しないを「やろうとすれば誰でも守れるルール」というのは誤りです。多くの組織は「ルールを守れる人」を雇っているのであって、目的次第で「ルール遵守よりも結果を求められる人(裁量労働制等)」を雇います。因果が逆です。
一方、ルールの明文化については共感です。
■ルール絶対主義(p. 79)。
■筆者の成功体験が列挙されていますが、それで駄目だった場合の対策は一切ありません。