龍が如く8 感想
面白かったとは思う。けれど、サブイベントを強制的に入れてくるので冗長な感じもした。ネットでネタバレをくらいたくないのでほぼメインストーリーを追う形でできるだけ急いだのだが、クリア時間は45時間強かかった。
RPGなのでレベル上げを強いられる場面がある。また、最終決戦前に装備を整えないといけないと思い、ダンジョン制覇もした。結果的にそれをやって何とかなったという感じなので相変わらず昨今のゲームとしては難易度は高いと感じた。
ゲームとしては、ペルソナと同様にストーリーを楽しむタイプではあるが、バトルシステムも結構洗練されており、コマンドバトルでありながらアクションゲームに近い感覚でいい塩梅だと思う。ただ、やはりストーリー重視ということで会話を飛ばさずに聞いていたのだが、本当に長い。長すぎて途中からは本筋ではないパーティチャットなど雑談部分はボタン連打で飛ばす方針にした。特に春日及び桐生のラスボスと戦う前なんかは戦う気あるのかと思うくらいに10分くらい不自然なレベルでペラペラとお互い喋り続ける。却ってラスボス特有の高揚感はゲームとしては珍しくあまりない笑。
ストーリー自体は普通に面白いと思うくらいで7には個人的には劣る。
ただ、共感できたセリフを挙げていく。
「働けるってのは当たり前じゃないんだ」
序盤で契約社員の春日に言われるセリフ。
今日、仕事がずっと続くなんて限らない。唐突に終わることは現実でもザラにある。実際に見たり聞いたりだけならいいが、僕自身も体験している。倒産したり、吸収されたり、普通にクビになったり…契約社員ならなおさらで、このゲームでも春日一番は唐突に契約を切られる。
「人生その気になれば、いくらでもやり直せる。だが、時間を遡れるわけじゃねえ。終わりがあることも知っておくと良い」
余命宣告された桐生一馬がトミザワに向けるセリフ。
いつでも、新しいことに挑戦はできるけれど、その機会は有限だということ。後は、早ければ早いほどいいのも当然である。そういう意味でも一日一日を大切にしないといけないと考えている。別にゲームに感化されなくともそう思っているわけで、他人の時間を奪うことに対して遠慮がない人とは付き合いたくない。
「どんな気持ちとか言葉より、最初に伝えなきゃいけない言葉は好きだということ」
エンディングにて春日一番の告白のセリフ。
春日一番の言う通り、まずは率直な気持ちを伝えるべきだと言うのには共感した。ただ、春日一番はこの時点では無職である…まあ、何とでもなりそうだと思うし思わされる人物なので、相手も気にしないであろう。
話を戻して、以心伝心なんてありえないし、ましてや他人である以上好きという根本的な感情を最初に伝えることこそが大事だと思う。
キャラクターで意外な一面があったのは山井豊である。
序盤は極悪非道な性格に見えるよう描かれるが、実は筋を通す男で部下からも慕われているという人物であることが判明する。日本からハワイへ単身逃亡し、一人で暴れて縄張りを広げるうちに勝手に部下ができて山井一派という集団を作り上げた。正式な仲間にはならないが、共闘する場面があり、もしかしたらドラクエXIのようなグレイグ的な扱いで仲間になると期待したがならなかった。残念。と期待してもおかしくないようなキャラクターであり、龍が如く8人気ランキングがあればおそらく一位になると思われる。
実は、僕はガチャピンとムックが好きでそれが出るのが購入理由の一つであったのだが、普通にストーリーの邪魔だと思って放置した笑。時間があれば、構ってあげたい笑。
以下、ネタバレ含む疑問点。
多分ストーリー的にも真相は分からないという扱いであろうが、海老名の父親が荒川真澄というツッコミどころ。いや、不思議ではないけれど、最愛の人がいるとかのたまっておきながら、結局、組長の女とも子供作ってたんかい!確か、返事をうやむやにしておいて組長が諦めるのを待つとか言ってなかったっけ?にも関わらず、子供を作るのは浮気ではないのか?組長も激昂したのも至極まっとうだと思った。結局、文字通り自分の蒔いた種であり、それが今回の話の火種となる。春日一番の言う漢の中の漢というのは春日からの評価であり実態は違ったということかもしれない。
多々良チャンネルというVTuberがストーリーの中核というか、ネットによって容易に流される民衆がストーリーのテーマだと思うが、その多々良チャンネルにツッコミどころがある件。多々良チャンネルを演じていたのは、不二宮千歳だったというのが明らかになるが、星龍会解散発表の時は、不二宮千歳でない人物が演じておりそこでアカウントが乗っ取られたと思われる。のだが、終盤パレカナの悪事を不二宮千歳は多々良チャンネルを用いて配信をする。アレ、おかしくね?もしかして、パスワード共有してたの?ではなく、パスワードを何らかでハッキングして星龍会解散発表を多々良チャンネルで配信したというのが筋が通っているが…影響力のあるチャンネルだし、その時点で不二宮千歳は裏切っているので敵側はそのアカウントを使えないように普通はパスワード変えておくよね?ストーリーで一番おかしいと思う点であり、逆にこうしないと不二宮千歳のケジメを作る場面が作れないということでご都合主義にしたのだと推察される笑。
桐生が、東城会の元幹部と会うためにとある村?に行くのだが…桐生は、東城会の元幹部達がそこにいることが分かったのか?作中ではあいつらの居場所は何となく分かっているの一言で済ませられるが意味が分からない。
また、そこで、話し合う様子を盗撮されるのだが、外には桐生の付き添い四名がいたはずである。盗撮できようがないのは明白である。まあ、ヒッチハイクの運転手なので邪険にできなかったと言い訳はできるが…いや、できないだろ怒!
疑問点は以上である。適当な粗はそれなりに散見される。
約一万円するのだが、龍が如くは半年くらいで値下げするので、今すぐプレイしたいというような熱心なファンでもないのなら、セールや廉価版を待ってもいいと思われる。
ただ、現実を舞台にした物語であるし、ストーリーの根本はこの世の生き辛さ(登場人物は何かしらで職にあぶれた人ばかりである)を描いており、気分が落ち込んでいるような人にはお勧めしたいゲームではある。クリア後は、変に暗い気分にならず明るい気持ちになれると思う。人はどこからでも立ち上がれる。そんな気にさせてくれる。