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身の丈でできることをする
世界情勢が逼迫し、不安や恐怖を与える状況が、ネット社会である現代では、リアルタイムに伝えられてきます。でも、それぞれがやれることは、自分の能力と持ちうる力の範囲のみです。遠くに心は想いを寄り添いつつ、普段の行動からできたことがなかったのか。そうした「身の丈」こそが大切であると思うのです。
1、プラカードでは問題は解決しない
度重なる世界の諸問題に、プラカードを持って集まる。行進をする。きっと当事者としては、それが効果的だと思うからこそやっている行動でしょうけれど、客観的に、問題解決という観点からみれば、一ミリも効果がありません。なぜなら、それは「影響力」をもたないからです。
テレビで報道されて「ほら、みんなが共感している」といっても、それはココロの中に渦巻く溜飲を抑える一部であったり、不安な気持ちに寄り添う居場所を見つけるぐらいで、課題解決が進んだわけではないのです。
もっと言えば、SNSのアカウントで連帯や協調をしたところで、壁に向かって話したり、見世物をするようなもの。本当に届いて欲しい人や当事者、問題行動をしかける国や企業のリーダーには一瞬でさえも届かない行為なのです。
そんな冷徹に言わなくてもいいじゃないか、と言われても、それが現実なのです。(当事者の熱意は認めます。けれど、その熱意も、自分たちのところで浪費したり燃やしたところで、自家発電に過ぎないのです)
2、それでも「世界」を変えるのは一歩から
では、そんな絶望する社会でも、どうしたらより良き方向に社会や世界を変えていけるでしょうか。「とにかく」とか「すぐに」と拙速に行動するよりも、普段の生活や行動、あるいは購買なんかを考えてみましょう。
あなた一人の購買が積み重なって、会社の売上になり、会社の売上が、国の生産力となって大きな力になる。つまり「普段の買い物や暮らし方」こそが、社会を変える言動力なのです。
「あの国の潤ったお金が戦争に使われないようにしたい」
と思うなら、その国の商品、サービスを生活から排除すればいいのです。輸入品を買わない、使わない、支持しない。それこそが、大きな力と成るのです。
でも、これも考えものであって、経済的ボイコットをするとしましょう。そうすると、困るのはその国の、それも一般市民の一人ひとりなのです。生活の糧をなくせば、結果として資源や領土を奪いに来る。それは、中東ソマリアで、海賊が各国のタンカーを襲撃したように、単に「排斥する」だけでは、犯罪や憎悪、暴力行為を助長するので、問題を先送りしただけ。
誰かに責任や不安を押し付けただけに過ぎないのです。
3、経済活動が平和をつくる
何をしたら、いった世界に平和と幸せがやってくるでしょうか。それは「経済活動」から「誰一人も脱落させない」ということです。何かを作り、それを届け、販売する。それによって売上や賃金を得る。結果として生活が成り立ち、家族を養い、幸せを維持できる。だから、全ての問題の根っこは「貧困」です。
侵攻が止まらない国に対し、国際的な銀行間決済ネットワークからの遮断が決定されました。といっても、中身を見れば、抜け道を残した形です。
遮断する銀行は、国によって選べますし、ネットワーク以外の方法を通して決済をすることは可能です。よって、国際間の金融決済不安という大きな事案は回避されることとなりました。
大義としては「遮断」をしても、実利の所では、経済活動から漏れるようにしない配慮がしてある。これが、これからも、異なる言語や価値観、暮らし方が共存していくために必要な最後の生命線。
「断つ」ことだけが、最善の策ではない、ということ。そうやって対立したことが、これまでの世界大戦や長引く紛争につながっていることを、世界各国の、特に民主主義を理解する国々は痛いほど自覚しているのです。
さて、冷静に考えて下さい。今、あなたができることは何でしょうか。そして、過去を振り返り、未来に向けてできることは何でしょうか。
国のリーダーは「国民」によって選ばれるのです。よって、「選挙」は数少ない民意を届ける唯一の方法です。そして、日ごろの経済活動。より多くの国や多くの会社、人ととの関わりを広げていくこと。見捨てる人が一人もいなくなるように、関わりをもっていくこと。
経済が持つちからを、今こそ実感すべきときなのです。
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