変化は、あとから気づく
今日一日を過ぎ、なにか変わったことはありましたか?そりゃ、人生のイベントで、例えば入試に合格したとか、大切な人と婚約したとか、突然、病に倒れるようなこともあれば、いきなりの別れに直面するひともいる。そんなトピック以外、実は「変化」って気づきにくいものです。
1、離れて気づく「変化」
この外出自粛と抑制された生活。もう2年超えてるんですよね。確か記憶が正しければ、2019年12月ごろから、いよいよ世界で感染が拡大しているなんていう遠い世界の話だったのが、年を明けて2020年2月5日に、あのクルーズ船での感染者が発見され、いよいよ国内にも入ってきたんだという恐怖感。
それまで人々は、不安と恐怖に苛まれながら、様々な生活や仕事の制限にも適応し、そして今まで生き抜いてきている。人間の生命力と変化への対応力は、ほんとすごいものです。
それで、この長い自粛期間、あなたの中で変化にお気づきですか?え?何もない?オンラインで会議が始まったとか、デジタル化なんてことが言われるようになったり、学校がオンラインになるよなんてことも。でも、大きくあげたらそれぐらいの話。日々の生活は目の前にあるし、毎日やることはたくさん。起こっている変化なんて気づかないほうが当然ってものです。
でね、このグラフ、見てほしいんです。
2019年の2月頃から2022年2月頃までの3年間の「スイーツ」に関する検索の推移を示したもの(Google trends)です。この流行病の前は、50ぐらいの底だったものが、全体的に底上げし70以上ぐらいで推移しています。
それだけ「スイーツ」というキーワードを検索する機会が増えたということです。例えば、家でじっとしているとつまらないし、お取り寄せしたいというニーズかもしれませんし、カフェに行けない分、お店探しをしていたのかもしれません。あるいは、数少ないオープンしているお店を探していたのかも?
いずれにせよ、社会の関心があがった、ということだけは確かなようです。
そして、もっと長期間で見てみると、こんな感じ。
遡れる2004年ぐらいからですが、明らかに「右肩上がり」になっています。スイーツはもはや「トレンド」ではなく「定番」であり、そして多くの人の人気を経ている、ということが言えるでしょう。
こうした変化も「俯瞰」したり「長期間」で見ることで、気づくこと。いつの間にか日々の生活が変わっていた、なんてことも、こうしたデータから気づくことがあるのです。
2、「変化の型」を見極める
人は、熱狂の渦中では、冷静な判断はできません。例えば、ツイートで、突然バズるといったことや、いきなり取材で注文が殺到するお店など、瞬間風速のような突風がやってきます。
その勢いの強さとこれまでの穏やかさとのギャップに「この先も行けるのでは?」という想いを抱くのも当然でしょう。でも、世の中そんなに甘くない。あっという間に瞬間風速は凪に変わるのです。
さて、あの時の熱狂と注目はどこへ行ってしまったのだろうか。そんな疑問さえ湧いてくるのです。でもダイジョブ。それが普通であり正常ですから。失敗には理由があるが、成功には理由がない。わかっている結論のほうが、人は対処できる。それが常です。
そして、こんなグラフ。ふるさと納税の検索は、確定申告の所得期間である12月をピークに、毎年同じ時期に盛り上がるだけ。
したがって、年がら年中同じ広告を売っても意味はなし。逆に言えば、ライバルが静かな時に、コスパよく獲得していくのも一考。どっちがいいかなんてのは、戦略次第。無策で言われるがままに広告やプロモーションをする出品者は、イイ鴨なのです。
こうした事例からしても、「変化」とは「渦中」ではなく、一歩引いて冷静な判断が必要、ということがわかるでしょう。
3、時代はEBPM(Evidence-based policy making)
データは嘘を付きません。数字は事実のみを伝えます。こうした冷静な見方こそが、熱狂のとき、アクセルを踏むべきか、踏まぬべきか、経営判断の一助となるのです。
だから、データから「型(かた)」を見つけて下さい。自分の事業活動、仕事、売上、顧客、市場、様々なデータが世の中に溢れています。其の中から、どんなパターンや形があるのか。それを見極めるインプットを続けること。それこそが、自分の中の「裏付け」を作るのですから。
デジタル化とは、単に「オンライン」にすることが目的ではありません。デジタルの力をつかって、いままでできなかった知見を知り、そしてそれを日々の意思決定に用いることです。
それを、言葉としては「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。 証拠に基づく政策立案)」と言うのです。もしちょっとでも気になったら、下記サイトのページだけでも見て下さい。きっと「デジタル化」が考える世界の一片が見えることでしょうから。
日本と世界を飛び回った各地域の経験と、小論文全国1位の言語化力を活かし、デジタル社会への一歩を踏み出す人を応援します!