性別欄の問題
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いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。
S.C.P.Japanの井上です。
今回は最近「難しいなぁ」と思ったことをシェアしたいと思います。
私達S.C.P.Japanは代表の野口がジェンダーとセクシュアリティの研究をしていることもあり、ジェンダーやセクシュアリティの話題はよく話をします。自分達が発信するものや、無意識に使ってしまう言葉などは気をつけるようにしています。
そんな私達の中でよく話題となるのが、イベント参加や会員登録とかで必ず記載が必要になる性別欄です。ひと昔前までは男か女の2択が当たり前の時代でした。しかし最近では性の多様性が認識されてきて、男か女か以外に「その他」という欄が加えられているのを多く見かけるようになったかと思います。
でもこの「その他」ってなんかマイノリティ感丸出しでしっくり来ないなぁと私は思っていました。
そんなある時なんとも新しいパターンに出会いました。
メーターで選べる!!!!
これは新しい。なんか私としては気軽に自分らしさを表せる感じが良いなと感じました。きっとこれまで当たり前に男か女か選んでた人も、こういう選択肢を与えられると意外と男っぽい、女っぽいって両方自分の中にあることに気がついて、それを素直に表現しやすいのかなと。
早速私は代表野口に報告します。
私「あやさん!面白いのあった(笑)これ見てください!」(スクショを送る)
野口「へー。面白いね」
私 (お、いつもこういう問題に厳しいあやさんが好印象を持っている!なんか嬉しい)
野口「性自認はグラデーションっていうのを具現化しているね。でも、こういった聞き方は、DSDs (Disorders of Sex Development:身体の性の多様な発達)の方を傷つけることもあるみたいだよ。もう、自由記述でいいよね。」
私 (なに?!好反応かと思いきや、するどいっ!早速するどい!!!)
野口「ちなみにこのバーだとゆいこはどこにするの?」
※あやさんはセンシティブな問題そうなことを意外とズバッと聞いてきます。
私 「この辺かなぁ?あやさんは?」
野口「思ったより男性よりなのね。私は100%女性かな」
私 (あれ意外とみんな迷わずどちらか100%を選ぶのか。)
野口「自分のことを女性ではないと思ったことはないからな。。。女性という身体の構造を持っていて、女性という自認だけど、社会が求めている女性の役割を演じるのが窮屈だし、嫌だ。って感じかね。私は。」
私 (それだーーーーーーー!!!私は完全にジェンダー規範で自分の性別を決めていた!!ががーん!)
【解説】
私がメーターを100%女ではなく、少し男の要素を入れた理由。
自分を男である、或いは男になりたい、と思ったことはないけれど、、、
・なんか全体的に自分って女性らしくないし
・スカート好きじゃないし
・女性らしい?立ち振る舞い的なもの足りてないような気がするし
・話し方が女性らしくないし
・髪短いのが好きだし
・恋愛対象男性に限らないし
え、待てよ。。。社会のいう女らしさ、男らしさ(ジェンダー規範)に私はものすごく囚われてる!!!!!
女性らしさ、男性らしさみたいなものが無意識のうちに確立されていて、私自身の中にコテコテのジェンダー規範があったということに気がつかされました。
日々、ジェンダーやセクシュアリティについては頻繁に話題になっていますが、全然ダメだと痛感した出来事でした。
このメーターがもし女男に限らず以下のような感じで色々あったら皆さんはどう答えますか?
【自分メーター】
・障害がある<-------->障害がない
・子ども<-------->大人
・アスリート<------>一般人
・日本人<-------->外国人
・若者<--------->高齢者
・マジョリティ<----->マイノリティ
(もちろん、内容によってはグラデーションにすることに賛否両論はあると思いますが、)こんなプロフィール欄だったら、みんなバラバラで1人として同じ人はいないでしょう。いかに世の中で作られたカテゴリーというものが私たちをカテゴリー化できないかを考えさせられます。
ここまでやると、もはや聞く必要のない質問となってプロフィール記入欄から消えることでしょう。
あ、あと前にこんなのも見かけました。
【性別選択欄】 男・女・LGBT
(え?!男、女、T(トランスジェンダー)等の性自認に関係する選択肢と、LGBの恋愛対象(性的指向)についてを一緒にしていいの?!!!)
きっとこれを取り入れた方々は多様性にすごく配慮しようとされたんだろうけど、、ちょっと間違っているような気がします、、。
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※カテゴリー化については、こちらのnoteでも話しています。こちらも是非ご覧ください。
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