【海外MBA】グループワークでSOS
会話、議論ができない?
わたくしScott Perryのところには、留学生や海外赴任、海外移住した人から英語の発音やリスニングで相談、依頼を受けることが良くあります。それも、海外に来る前に十分に英語を勉強して、しっかり準備をしてきたつもりの人が、実際に海外に来てみたら、自分の英語が通用しなかったというケースが多いのです。もちろん、みなさんがそれぞれ深刻な問題なのですが、特に問題なのはアメリカでの医師資格の面接、試験や、社費留学で海外に来てる方です。
医師は、ちゃんと患者と会話して正しく聞き取れないと困りますし、社費留学はご自分で費用を払うわけではないこともあって、強くプレッシャーを感じるそうです。今回は日本の企業から社費留学でくることの多い、アメリカの大学でのMBA取得のための留学を例にお話します。
今、英語で苦労されている方は、必要ならわたしたちがお助けできますし、これから留学を考えている方は、英語の学習でどのような準備や覚悟が必要か参考にして頂ければと思います。
MBA社費留学生で、英語に困って私のところに相談、依頼がくるときには、留学生の方には、ほぼ共通した特徴があります。
全般的に優秀で知識が豊富。専門用語も英語でしっかり理解できる。
英語の試験で高成績を取って、それを認められて社費留学している。
英語の読み書きには全く問題がない。
英語の試験でのリスニングの得点は高い。
英語を話せないわけではなく、スラスラと口から英語が出てくる。(発音には問題あり)
日本で英会話学校に通った経験のある人もわりと多く、それらの人はネイティブの先生とも十分に会話ができて、英会話に自信を持っていた。
一対一でする英会話は、ネイティブとでもかなり話せる。
グループワークなどで、グループでの会話、議論になるとネイティブの言うことが十分に聞き取れず、うまく参加できなくなる。
グループワークなどになると、自分の発言をしても、言ってることがネイティブに十分に伝わらずうまく議論に参加できない。
なぜ、十分に英語を勉強して、準備してきたのに、そのように英語に困ってしまうのでしょう?もちろん、なかには英語で困らなかった人もいるのでしょうが、多くの人が苦労しているようです。会話の大切さと、なぜこのようなことが起きるのかを、以下で考えてみましょう。
英語でコミュニケーションする大切さ
これはMBA留学だけに限った話ではないのですが、日本で英語を勉強して高成績を取り、英会話もしっかり勉強してきたのに、アメリカに来たら思っていたよりはネイティブの英語がうまく聞き取れないし、話してもこちらが話すことがきちんと伝わらず、理解してもらえないということは、よくあります。私のところに助けを求めてくる日本人の留学生、社会人がこれまでもたくさんいました。
おそらく、スピーチや教師の講義、授業などは、問題なく聞き取れるレベルの人達でも、実際の会話のスピード、表現になるとついていけないことも多いのでしょう。
しかし、実生活でも学校でも、言葉を話してコミュニケーションすることは大切です。自分の意見をハッキリその場で主張できないと、アメリカの社会では認められません。もし、あなたが不当な差別や嫌がらせにあっても、ちゃんとその場で英語で文句を言う、反論するなど主張をしないと、あなたがそれを受け入れたと扱われてしまうでしょう。家に帰ってから、一晩かかって辞書やパソコンで英語を調べて次の日に文句を言っても、誰も相手にしてくれないと思います。
グループワークなども、そのときにリアルタイムで会話、議論に参加できていないと、あなたがきちんとグループに参加していた、貢献していたとは思ってもらえません。いくらあなたが学習内容を深く理解していても、リアルタイムに英語で主張できないと意味がないのです。そこに出席した意味がなくなり、もちろん成績にも影響します。
なぜ聞き取れないのか?なぜ通じないのか?
クリアーな英語と会話の英語
テレビのニュースなどでアナウンサーの話す英語は、一般の日本人からすると速く感じるかもしれませんが、非常にクリアーな発音で、何を言っているのか言葉の一つ一つが聞き取りやすく話されています。これは、通常の会話で話す話し方とは違います。
日本語だってそうだと思います。アナウンサーが原稿を読むときには、相手に正確に伝わるように心がけた話し方をします。そういう意味では、日本で普通に英語を習うときにリスニング教材や試験で聞く英語に似ているかもしれません。
日本での英語の試験でも、会話らしいリスニングの問題がでることがあるでしょうが、それも実際のアメリカ人同士の会話と比べると、随分違います。
単語同士の音がつながって、ワンフレーズがひとかたまりの音になるのですが、アメリカ人の話し方は、イギリス人など他の英語圏の話し方と比べても、音のつながり方が強く、会話になるとフレーズの中の一つ一つの単語がほとんどどこにあるのかわからなくなります。
だから、クリアーな英語だけで勉強していると、なかなか本物のアメリカ人の会話が聞き取れるようにならないのでしょう。実際の会話に似た話し方をするドラマや映画で勉強してきた人は、実際のネイティブとの会話に強いかもしれません。もちろん、音やスピードだけではなく、イディオムやスラングの表現も問題があるのでしょうが、ここでは特に英語の音に注目しました。
あなたに必要なのは、グループワークのときにリアルタイムで英語のコミュニケーションをすることです。実際の会話、議論のスピードを想定した英会話の勉強をしましょう。
英会話学校の先生
英会話学校にはネイティブの先生もいるでしょう。ネイティブと英会話できると、英語に対する自信も付きます。しかし、日本に住んでいるネイティブは、日本人のカタカナ英語や、発音の特徴、くせになれています。そこが問題です。
英会話学校も客商売ですので、生徒が自信をなくさないように、喜んで学習する気を出すように気を使っています。その結果、生徒の英語の発音がネイティブのような発音になるよりも、むしろ、ネイティブの先生が日本人独特のくせのある発音を聞き取れるようになってしまいます。
英会話学校は、日本人が英語を学ぶだけではなく、ネイティブが日本人英語を学ぶ場でもあったのです。
あなたは、英会話学校で授業が終わった後に、ネイティブの先生同士が話してるのを聞いたことがあるでしょうか?授業中に話す英語とは全然違って聞こえると思います。
ネイティブの先生に習う際には、先生が日本人に合わせて手加減してることもあるでしょう。本物の英語を学びたいのなら、手加減抜きの速さでの会話をお願いしたほうが良いかもしれません。
発音
日本国内で英語を勉強しているときには、あまり発音が問題にならないかもしれません。日本に住んでいるネイティブは日本人の英語の発音の特徴になれているので、何を言いたいのか分かってもらえると思います。
海外旅行に行ったことのある人には分かると思いますが、国際空港の職員や売店の人、ホテルの職員や観光客向けのお土産屋の店員などは、いろいろの国から来る人の、いろいろななまりのある英語に慣れています。また、こちらがお客さんなので、向こうが頑張ってこちらの言いたいことを分かろうと努力してくれます。
しかし、一般の人はそうでもありません。
「発音は関係ない」「カタカナ英語でも通じる」という人もいます。しかし、そういう人たちはたいてい次の2種類のどちらかです。
①自分ではカタカナ英語と謙遜してるけれど、実際はかなり発音が上手い。
②身振りや手振りなど、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが上手で、発音の悪さをカバーできている。
あるいは上にも述べているように、数日間の観光旅行などお客さんの立場で会話していた経験を、そのまま信じてしまったのかもしれません。観光客として訪れるのと、そこに住んでいるのとでは大きく違います。
普通のネイティブスピーカーにとっては、8割以上の言葉がちゃんと聞き取れるレベルの発音であれば、あまりストレスを感じずに会話することができます。しかし、日本人が思っているよりも、一般のネイティブスピーカーは日本人の発音を英語として理解してくれません。英語を勉強している平均的な日本人の発音レベルだと、半分以上の単語が正しく聞き取ってもらえない(図1 日本人の英語の発音の現実 参照)のが現実です。もちろん、なかには英語の発音が上手な日本人もいますが、それは少数です。
ご自分の発音のレベルを確認したい人は、こちらでレベルチェックを受付けています。⇒発音レベルチェック。
まず最低限は、会話の中の7割以上の単語が正しく伝わるレベルの発音を目指しましょう。そして、留学している間に8割以上が正しく通じるようになりましょう。それだけで、あなたの英語は以前よりもっとネイティブに通じやすくなりますし、自分が正しい発音の仕方を理解した音は、リスニングのときにも理解できるようになります。
一対一だと会話が通じるのに、グループワークで通じなくなるのは、一対一で話すときには、ネイティブがあなたに気を使ってくれてくれた結果なのです。
グループワークをする仲間は、対等の関係であって、あなたはお客様ではありません。特別扱いはされません。中には親切な人もいると思いますが、ネイティブにとっては、あるレベルより悪い発音になると、聞き取るのにかなりのストレスを感じるものです。相手に過度のストレスを感じさせないためにも、ネイティブにも聞き取りやすいレベルまでは発音を良くしておきましょう。
上でも書きましたが、英語学校のネイティブの先生が頑張って日本人の悪い発音の英語を理解してくれるのが、自分はちゃんとネイティブに通じる英語が話せていると勘違いさせられる原因の一つかもしれません。
海外に出て困らないようにするためには、発音に厳しいネイティブの先生に習ったほうが良いと思います。
発音の先にあるもの
グループワークなどで中身のある議論や会話をするためには、ただ正しい発音で英語が話せれば良いというものではありません。それだけではまだ不十分なところが残ります。英文を読むときのイントネーションも習ったことがあるかもしれませんが、イントネーションや強弱、リズムや間の置き方などで、同じ文章でも何が言いたいのか、どこを問題にして話そうとしているのかなど、伝えたい内容が変わってきます。
あなたが、正しい英文を正しい発音とイントネーションで話したとしても、それでも尚、ネイティブから「お前は何を言いたいのだ?」と聞き返されることがあるかもしれません。それは、ひょっとすると、どこを論点にして話しているのかが、相手にきちんと伝わっていないだけなのかもしれません。
これは簡単な例ですが、こちらのページで紹介する動画を見てもらうと、どういうことか分かってもらえると思います。このような話し方を自然と身につけている人なら良いのですが、これまでこのような話し方を知らなかった人の場合は、これを実際の会話、議論の中で活かすには練習が必要です。
もっと詳しく習いたい方は、 info@scottperryacademy.com にお問合せください。また、文化の理解や、ノンバーバルのコミュニケーションなども大切になります。
日本人は、一般的にジェスチャーもあまり大げさにはしませんし、イントネーションなどもネイティブスピーカーと比べると平坦な印象を受けます。英語で印象的なコミュニケーションをしたい場合は、一度はネイティブの先生から指導を受けてみるのも良いでしょう。
英語のコミュニケーションで困ったら?または困らないためには?
あなたがもう海外に留学しているのなら、会話の問題は非常に差し迫った問題でしょう。リスニングは苦労すると思いますが、通常は半年から一年くらい英語圏で生活していれば、ネイティブの話す英語も聞き取れるようになる人が多いです。留学期間全体を考えて、独学で頑張るか、時間短縮のためにどこかのスクールや教師に習う方が良いのか、判断することになると思います。
ネイティブの話す速い英語を聞き取る訓練の無料サンプルを、こちらのページで紹介していますので、お試しください。そのページから以下の7つの無料サンプルへのリンクもあります。
これらは日常的なフレーズの例ですが、このくらいのスピードに慣れていないと、実際の日常の英会話に着いていくのは難しいと思います。
あなたが、もしこれから留学を考えている段階でしたら、是非、英語の発音をしっかり勉強するとともに、上で紹介したような話すときの表現力や、高速で話すネイティブの英語を聞き取る訓練をしておいた方が良いでしょう。今はYouTubeなどの動画でたくさん英語の動画も見れますし、映画やドラマの中でネイティブの会話を学ぶのも良いと思います。
発音矯正やリスニングやスピーキング、総合的な英語学習のご紹介
Scott Perryが代表を勤めるAscott Englishに興味を持たれた場合は、お気軽にお問合せください。発音のレベルチェックは現在(2023年2月)無料で行っていますので、レベルチェックや発音可能性テストを受けてから、その結果を元にご相談いただくと、当方も回答がしやすくなります。是非ご利用ください。お急ぎの事情のある方は、直接メールでご連絡願います。
また、参考リンクや連絡先の後に、日本人の英語の発音において面白い研究がありますので、リンクを置いておきます。ご興味ある方はご覧ください。
Scott Perryの紹介
発音レベルチェック あなたの現在の発音のレベルを10段階で評価
発音可能性テスト 得意、苦手な発音の傾向、発音矯正の難易度などを判定
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メールでの直接の問合せは info@scottperryacademy.com
※ 日本人の発音に関するスコット先生の研究論文
日本人が話す英語の発音に偏見の壁日本人が直面する不当なコミュニケーション差別の実態 (2008)