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農業DXってなんぞや

先日、こちらの本を買ってみたのですが、これがなかなか面白かったので農業DXについて簡単にまとめようと思います。超ざっくりです。(本書のまとめ、というより本書を読んだ感想です)

概念から実用まで、DXの前提から農家の取り組みまで網羅されている良書だと思うので興味がある方は是非。

そもそもDXとはなんぞや

そもそもDXとは、これだけでひと記事書けてしまうので簡単に…

経済産業省のDX定義をまとめると、以下の通りです。

目的(WHY):競争上の優位性を確立するため
ツール(HOW):データやデジタル技術を活用し
変革対象(WHAT):商品、サービス、ビジネスモデルだけでなく組織体制・企業文化そのものを変革する

デジタル革新でスマホとか消費者との接点が増えた、データもたくさん取れるようになった。技術革新で色んなことが実現できるようになった。それらを活用して、顧客体験を変えて競争優位を築こう。顧客体験を変える過程で、組織、業務、システム・データ基盤なども変革が必要だし、その変革が競争優位を築く!
という感じですかね。笑 ざっくり過ぎですかね。

株式会社電通HPより抜粋
株式会社電通HPより抜粋

なぜ農業にDXが必要か

それは「現在の日本農業に課題」があり、それを解決する「技術・制度的な環境が整ってきた」からです。

日本農業の課題とは

高齢化、人口減少による労働力の減少。それに伴い耕地面積の減少など生産基盤が維持できなくなるという問題があります。
例えば、基幹的農業従事者に占める 65 歳以上の割合は既に7割強となっており、ここ10年で耕地面積は約4.6%減少しています。

なので、「労働力の確保」、「生産性の向上」が課題となっています。
生産性向上は、労働生産性の向上、収益性の改善(売上増・コスト減)などが挙げられます。(厳密には重複していますが)

また日本農業の現状として、農業経営体の変化(法人が増加)、副業農家・雇用労働者の増加、海外市場の要請*などがあります。
*海外市場の要請の例:牛トレーサビリティ

機は熟した

技術面・制度面で「労働力の確保」、「生産性の向上」といった課題を解決するための環境が整ってきました。

技術面の例は、5Gによってデータが「高速大容量、低遅延、大量接続可能」となったり、機器の遠隔操作、スマホでデータを蓄積できる、などですね。上げるときりがないので割愛しますが、要するに色んなことができるようになりました。(→スマート農業

農林水産省HP

制度面では農協の改革や政府自治体の施策が挙げられます。
例えば、JA指導員がオンラインで農業技術指導を行う「AGRIs by JA」の提供、これまたJA全農が提供する営農管理システム「Z‐GIS」の提供、官による支援交付金IT導入補助金、農林水産省提供の各種申請をオンラインでできる「eMAFF」があります。

また、ベンチャー含め、様々な企業・団体が提供するサービスが誕生しています。

《一例》
・オプティム:スマート農業アライアンス…AI・IoT・ロボットを活⽤
・セラク:みどりモニタ…圃場モニタリングシステム
・WAGRI協議会:WAGRI…ノウハウ、データを蓄積し共有、外部データとの連携
・バリュードライバーズ:Tabeloop…生産者と消費者をマッチング

これからの日本農業

農業にDXがなぜ必要か、なぜDXで解決できるかを超ざっくり確認したところで、これからのお話。
個別具体なソリューションは各経営体(法人含む農家)によって異なるので、共通項を押さえます…と思ったのですが、農林水産省がいい感じにまとめておりました。

ざっくりこんな感じですかね。

短期:経営体によるデータ活用基盤の整備、ツールの導入、販路(顧客接点)の拡大
中期:6次産業化など提供価値の増加、ツール・データ活用修練(結果としてコスト削減)
長期:産業構造の変革(大規模農家の増加や若年化など、農業従事者の属性変化を含む)

農林水産省:農業DX構想

とまぁざっくり極まりないのですが、以上が農業DXまとめです。もし興味を持たれた方は各リンクまたは本書を覗いていただければと思います。

p.s.みんなのフォトギャラリーなる機能があるんですね。めっちゃいい写真を利用させていただけて嬉しいです。

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