これってマルチ商法の勧誘じゃね?
この記事は
・急に友達が誘ってきた飲み会、マルチの勧誘っぽくて怖いわ
・マルチ商法って実際に存在するの?どんな手法か気になるわ
という方におすすめです。
他にも「マルチで稼ぎたいけど口説き文句がわからない」という方にはある意味参考になるかも知れません。(でも筆者は打たれ弱いので怒らないでください。
そもそもマルチ商法とは
まず、ビジネスモデルとしてのマルチ商法(MLM/連鎖販売取引)そのものは合法です。また、商品の良し悪しについては使ったことがないのでわかりません。
この記事はあくまで「私が」マルチ商法を嫌いというだけの話なので、関係者の皆様は笑顔のままそっとブラウザを閉じてください。
そもそもマルチ商法とは、会員が新規会員を誘い、その新規会員が更に別の会員を勧誘する連鎖により、階層組織を形成・拡大する販売形態です(Wikipediaより引用)。多くの場合、会員は獲得した新規会員数に応じてインセンティブが与えられます。「獲得した新規会員数」には、新規会員がさらに勧誘した会員も含むため、ピラミッド的に増えていきます。ただし、会員は毎月、企業の商品を購入する必要があります。(しかも商品が大体高い。)
マルチ商法は数段階下からの不労所得的な報酬(コミッション、ボーナス)を勧誘時の誘引材料にしている場合がもっぱらです。『ダウン』と呼ばれる配下の加盟者を勧誘・加入させ、かつ一定額以上の商品購入を継続して行わなければならないことが現実(表面に現れないノルマとも言われている)です。また加盟者が期待する様な、安楽な生活ができるほどの高額報酬を得るためには相応の努力が必要であるため、結果として成功者は加盟者全体に対してわずかなものになる場合が多いです。(Wikipediaより)
また、必ずと言っていいほど、化粧品大手企業などの一般流通とネットワークビジネスの違いを訴求してきます。
「一般流通の商品には卸や中間流通、広告費が含まれているがマルチ商法は広告や卸を挟まないダイレクトセリングなので品質や皆さんのインセンティブにお金をかけられる」
そもそもマルチ商法でよく扱われる化粧品や一部の日用品は原価がめちゃくちゃ安いです。これは一般の大手企業も同様です。ブランドイメージやロイヤル顧客の育成が重要な商品なので、基本的に販売員や店舗、広告に費用をかけます。マルチ商法ではその部分をインセンティブや売価低減に還元すると宣伝するわけです。
なぜ私はマルチ商法が嫌いなのか
さて、私がマルチ商法を嫌いなのは、その無責任なビジネスモデルにあります。
企業にとっては販売員や販売店舗、広告費などの諸費用を抑えた上で安定的に売り上げを伸ばすことができます(それは良いのですが...)。問題は、会員が自社の社員ではなく、企業が会員の営業方法をコントロールできていない(そもそも管理する気がないと思える)点です。
会員は毎月企業の商品を購入しなければならないケースが多く、この負担額を超えるインセンティブがなければ赤字です。故に会員は時に強引な営業手法を取ることになるのですが、そこにガイドラインがない(と思われる)ため、コンプラ的にどうやねんな勧誘が散見されます。
勧誘であることを隠して食事に誘ったり、その場で契約しなければ帰れなくなったり、マルチ商法のそんな残念コンプラ的手法が嫌いです。
ただ最も許せないのは、マルチ商法の勧誘者が「ビジネス」を称しているにも関わらず、リスクの説明をしない点です。そもそも金が絡む話にはリスクがあります。マルチ商法でなくても、ノーリスクの金儲けはお年玉くらいしかありません。
そしてマルチ商法の「リスク」には金銭面以外に、「これまで築き上げてきた信頼を切り売りして金に換金する」要素があります。適当な夢を見せられて、大切な友人が周囲の信頼を失う姿は見るに耐えません。
マルチ商法の勧誘あるある
マルチ商法にありがちな勧誘手法は笑っちまうほど決まっています。笑っちまうのでやめて欲しいです。素直に「ビジネスモデルとメリットはこれで、リスクはこれです。」と言って欲しいです。まぁそう言われても契約しないんですが。
【あるある】絶妙な距離感の友人が、突然食事に誘ってくる
私の誕生日に、「サシで飲みに行ったこともあるが、普段は連絡を取り合わない」仲の友人からお祝いメッセージと共に食事のお誘いがありました。当然食事には行くわけですが、明らかに様子がおかしい。
まず食事に行く前に何故か高級ブランドのウィンドウショッピングに連れられます。心の中で4回くらい(買わへんのかい!)とツッコミを入れます。食事中も何故か「外車って憧れるくね?」「ロレ⚪︎クス欲しいわぁ」などと連呼し始めます。(車も時計も興味ねーよ。)
メインディッシュの前に友人が「先輩が近くに居るから呼んで良い?」と言い始めます。登場するのは胡散臭さしか感じない自称証券マン。自称証券マンは何故か名刺交換をしたがらず、何故か役員の名前を出してもノーリアクションです。その内、「今度うち(又はオフィス)に遊びにおいでよ!」と言い始めます。中古で300マンくらいの外車に乗ってます。ダサいです。
自称証券マンの先輩がマルチ商法の勧誘者である場合、必ず以下のいずれか又は全てを話題に上げます。
・俺はトップセールになった(役職に就いた)が、サラリーマンは時代遅れと感じる
・日本の国力が云々で国債が云々でとにかくサラリーマンの給与は上がらない
・労働収入だけでは老後を生きていけない。複数の収入源が必要だ
・時間に縛られず、自由な生き方を求めている
・好きな時に好きな場所にいて勝手にお金が入ってくるビジネスを志向している
・人間の1日で労働に割ける時間は決まっている。寝てる間にもお金が入ってくるビジネスが良い
・自分のコピーになるフランチャイズを持てば不労所得を得られ・労働収入だけでは老後を生きていけない。複数の収入源が必要だ
・ESBIが云々で権利収入が究極の収入源だ
・互いにWin-Winの関係を望んでおり、みんなを助けたい(共に幸せにしてやりたい)
・あなたは情熱がある(賢い、人脈がある、センスがあるetcの褒め言葉)
このような謳い文句が出てきたら(あぶねーやつだ!)と思って帰り支度を始めましょう。
そもそもそんな都合の良いビジネスがあったとして、初対面の相手に紹介してくれたらおかしいでしょ。
例え事実であったとして、その自由な生活に至るまでに何人を勧誘する必要があって、それまでに何人に声をかける必要があり、その工程でどれだけの時間を費やして何を得たのか知りたいです。
何より注意が必要なのは、考える時間を与えずその場で契約させようとしてくるケースです。
契約してしまうと色々面倒なので、何を言われても「持ち帰ります」と伝えるのがベストでしょう。相手はこちらを金蔓としか思ってないので優しさは無意味です)
マルチ商法に勧誘されるか不安な時は
友人に誘われた食事がマルチ商法の勧誘か不安... だけど友人の誘いだし断れない...
そんな時は、まず後ろに予定があることを伝えておきましょう。話の流れでマルチ商法特有の胡散臭さを感じたら、適度にツッコんで話を伸ばして「そろそろ帰らないと!」と伝えましょう。
それでもしつこい場合は「本当に急いでるのでパンフレットだけ下さい!」と言えばOKです。
備考
本記事はあくまで私の所感であり、マルチ商法が違法だとか、嘘っぱちだとか、商品が悪いだとかってメッセージではありません。(ビジネスと言うには余りにも不誠実だと思いますが。笑)
マルチ商法そのものは合法ですし、商品が効果的であり、料金が自身で負担できる範囲内で、在庫を溜めずに済み、コンプラ的に問題のない勧誘であれば問題ないと思います。
ただ都合の良い成功プランだけを見せてリスクの説明を怠り、更には勧誘であることを隠匿して断りづらい状況を作り出すなどコンプライアンス上問題のある営業手法をとっている現状、それを野放しにしている企業は嫌悪の対象でしかありません。(もしマルチ商法に手を出していてこの記事を読んでいる方がいらっしゃれば、お願いですから誠実な手法をとってください。)
「マルチ商法はそんなんじゃねぇ!ぷんすか!」という方は、そのビジネスで得た自由な時間をこんな記事に割かず、自分の世界に帰ってください。よろしくお願いします。