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ジェットエンジンの復習(1)
仕事でジェットエンジンにかかわるようになったので学生時代に学んだ
ことの復習&備忘録としてエンジンの基礎知識をまとめています。
主な用語のまとめ
ジェットエンジン関連で基本となる用語です(順次追加予定)
レシプロエンジン
車などに搭載されている容積型の内燃機関。(作動流体の圧縮、燃焼、膨張、排気がすべて同じ場所で行われる)現在でも航空機用のエンジンとしてわずかに残っている。熱サイクルはオットーサイクル。
ガスタービンエンジン(Gas Turbine)
速度型のエンジン。(作動流体の圧縮、燃焼、膨張、排気がすべて別々の場所で行われる。出力が大きい)航空機に用いられるエンジンはこのタイプ。(一般的にはジェットエンジンと呼ばれている) 熱サイクルはブレイトンサイクル。
ターボプロップエンジン(Turboprop)
ジェットエンジンの一種で、タービンで回収したエネルギーのほとんどをプロペラの仕事に使い、残りを排気ジェットとして排出する。
ターボジェットエンジン(Turbojet)
タービンで回収するエネルギー以外をすべて排気ジェットとして排出する。
ターボファンエンジン(Turbofan)
ターボジェットの圧縮機全面にファンをとりつけてより多くの空気を低速で加速している。燃費が良く騒音が小さいという利点があるため、現在のほとんどの旅客機及び戦闘機にとりつけられている。
アフターバーナー(After burner, A/B)
エンジン排気に対してもう一度燃料を吹き付けて燃焼を起こすことで高推力を得る装置。ちなみにアフターバーナーはGEの商標であり、正式名称は推力増強装置(オーグメンター; augmentor)である。ロールスロイス(Rolls Royce)ではリヒートと呼ばれることもある。
SFC(Specific Fuel Consumption)
単位時間、単位推力を発生するのに必要な燃料流量。現在のターボファンエンジンはだいたい~0.5。
熱効率
消費燃料の熱エネルギーに対するエンジンの発生した仕事の割合
$${\eta_{\mathrm{th}} = \cfrac{\cfrac{1}{2}\dot{m}(V_{j}^{2}-V^{2})}{\dot{m}_{\mathrm{f}}H}}$$
$${\dot{m}_{\mathrm{f}}}$$ : 燃料流量
$${F}$$ : 推力
$${V}$$ : 機体速度
$${V}$$ : ジェット速度
推進効率
エンジンの発生した仕事に対する推進エネルギーの割合
$${\cfrac{FV}{\cfrac{1}{2}\dot{m}(V_{j}^{2}-V^{2})} = \cfrac{2V}{V_{j}+V}}$$
$${H}$$ : 燃料の発熱量(低位発熱量)
低位発熱量(Low Heating Value, LHV)
燃焼で生じた水が水蒸気のままである場合の反応により解放される熱量。水蒸気の蒸発潜熱を含まない点が高位発熱量(High Heating Value, HHV)と異なる。
とりあえず基本的な用語はこんな感じですかね!
ちなみに熱効率と推進効率の積をとると全効率が得られます
$$
\eta_{0} = \eta_{\mathrm{th}}\eta_{\mathrm{p}} = \cfrac{FV}{m_{\mathrm{f}}H}
$$