違法スナップ写真の行方
人々の日常を撮りたい。twitterのフォロワー数を増やしたい。そんな思いを写真にしてSNSで発信していた某カメラメーカーの男性ですが。彼は2019年12月12日に、自分のしていた事の愚かさに気づく事になります。
それはtwitterにあげた4枚の写真を、偶然見た人からのリツィートで始まりました。
通勤、通学で混み合う電車内、知らない女子高生、女性たち、男性たちの顔が識別出来るスナップ写真。
良識ある大人ならば、その撮影行為自体が迷惑行為となる事が理解出来るはずですが、彼は無断で見ず知らずの窓際の女子高生をバストアップで撮り、電車出入り口に立つ見ず知らずの男性を全身で撮り、見ず知らずの電車内の人全員が識別出来るような写真を撮り、背後から無断で新聞を読む人を撮ったのです。そして、あろうことかtwitterに得意げにポエムを添えてアップしてしまったのです。
その写真には可愛らしくポエムが添えられていましたが、写真自体は単なる盗撮。日本中の一般の人たちからの怒りが凄まじいリツイートとファボとなって現れたのです(なんと、その日のリツィートランキングtop10入り)。
スナップ写真を趣味にしている人たちには、一般の人たちの怒りを理解出来ない人も多くいたようですが、一般の人たちの怒りは至極当然の結果なのです。カメラを持つ事、写真を撮る事は誰からも批判されない事です。しかし、見知らぬ誰かを無断で写真を撮るという行為、その写真を承諾なしにSNSなどにアップしても良いなんて、誰も許してはいないのです。コメントなんかを見ていると「撮って速攻逃げればい良いんだ」「写された当事者以外からの苦情は受け付けない」「一般人には肖像権なんて無い」などなど見ていて気分が悪くなる物が多かったです。中には「有名カメラマンが撮ったなら許された」なんて意味不明な物もありました。
大昔は、そんな勝手なスナップ写真が通用したのです。何故なら、知らない間に撮られた写真が、撮られた側の人が知らない場所で公開されていたからです。もしかしたら、昔の人は、「私なんか写しても価値なんてないですよ?」なんて、おおらかな心を持っていたから許してくれていたのかも知れません。
しかし、現在は写真展なんかよりもSNSで写真をアップする人が圧倒的に多いのです、そして見る側も一般の人が多いのです。自分の写真の認知度をあげるためには一般の人に見てもらう事になるのです。すると当然、一般の人からの理解を得なければフォロワーは増えないのです。なので一般の人が不快に思う写真を撮る行為自体がナンセンスなのです。法律や条例が追いついていない事を逃げ道にしても、一般道徳からは逃げる事はできないのです。
だって想像してください。電車に乗った途端、見ず知らずの乗客全員がスマホやカメラで他人をパシャパシャ撮ってSNSでアップしてる世界。おかしいでしょ、、、。いっその事、そんなテーマでエキストラ集めて鉄道会社にも許可もらって「SNS時代のプライバシー」ってタイトルで写真作品撮ってくれ!って感じです。アイデア料金は僕にサポート投げ銭してくださいね。
昔は写真が好きな人同士の限られたコミュニティで「いいんじゃない?」なんて許されていたルールなんだと思いますが、今、社会全般の倫理としては無許可無断のスナップ写真は許されていないのです。スナップ写真での迷惑行為を一般の人たちも危険に感じています。そこが昔と大きく違うのです。有名になりたい一心で撮った違法なスナップ写真は、撮った人を違う意味で有名にしてしまうのです。彼の今後の写真家人生が気になります。願わくば目を覚まして今後の違法スナップへの啓発とか発信して欲しいのです。彼はnoteにもページを持っているので、ぜひ今回の件を釈明して欲しいなんて思っています。
歴史の浅いカメラ文化ですが、もっと人に優しい文化でありたいものです。写真って本当は素敵な発明です。人を幸せにしてくれるものです。
追記:僕は若い子にカメラを教える機会がある時、電動ノコギリとか刀持っている気持ちにならないとダメだよ。って言ってます。カメラは凶器にもなりうるからです。人の欲望を増幅してしまう道具ってあるのですが、カメラは、その一つなのです。道徳とか無い人は持っちゃいけない道具ってあるんですよね。車とかも、その一つです。煽り運転とかもハンドル持つと性格変わる人いるじゃ無いですか、、。
カメラ雑誌などで違法スナップのやり方なんかを伝授しているのもあるそうでtwitterでも話題になっていました。ほんと日本のカメラ雑誌には呆れます。
僕はカメラ雑誌って読まないんですがカメラ雑誌に記事とか書いているカメラマンは、もうちょっと時代にあった事を書いて欲しいなぁ。そして、今回の件で、あのカメラは盗撮カメラとして有名になってしまって可愛そうです。タグとかにカメラのメーカーとか機種とか書かれると宣伝じゃなくて悪評にも繋がるのでメーカーとか頭が痛いでしょうね
「売れないカメラマンにコーヒーを一杯飲ませてやるよ」っていう心優しい方、サポートおまちしております。コーヒーは我慢して交通費や制作費に充てさせていただきます。