見出し画像

彼らが踊って、私は泣いた

好きな人に雰囲気が似ているアイドルグループを見つけました。好きな人に似ているからか、そもそも彼らが魅力的だからかは分からないけれど、すぐに、私はそのアイドルグループのことが好きになりました。

好きな人にはしばらく会えないので、私は、そのアイドルグループを見ることで寂しさを埋められるのではないかと期待しました。でも、すぐに気がつきました。

そのアイドルグループを見るのは大好きです。TVに出ているのを見かけたら、とても嬉しくてTVに飛びついてしまうくらい。でも私は、そのパフォーマンスを見ながらどうしても、好きな人を思い出してしまいます。そうすると、会えないつらさに涙が出ます。

やがて、時が経ち、涙は出なくなりました。彼らのパフォーマンスを見ても、すぐには好きな人も思い出されなくなりました。純粋にパフォーマンスを見るのを楽しめるようになりました。でも、今度は、別の問題が現れました。

そのアイドルグループはとても人気なので、世界中にたくさんファンがいます。その人気はとどまるところを知らず、信じられない記録を次々と打ち出しています。私の好きな人に似ている(と私が勝手に思っている)メンバーは、その魅力で多くの人を虜にしています。

私は、彼らの活躍を見るたびに、私の好きな人もなんだか私の手の届かないところにいってしまうような気がします。きっと、私のことなんてすぐに忘れてしまうのではないかと思います。

だから、彼らの活躍を見ると苦しいのです。好きな人たちが活躍しているのに、それを素直に喜べないこと、これって醜いでしょうか。

思うに、人を好きになるということは、自分のこういう醜い部分と向き合うことと、完全には切り離せないと思います。私は、自分の中にこんな側面もあるのだということを自覚しながら、それでもなお、人を好きでい続けられる強さがほしいと願います。