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コロナな世の中で、寂しさで泣いている

この文章は、2020/5/6に書いたものです。
緊急事態宣言中の心の動きを残しておくべく書かれたものであり、現在とは状況が異なります。


正直、私は結構平気な方だと思っていた。

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もともと、インドア派の人間だ。
そりゃあ、1人暮らしだから孤独を感じたりはするだろう。だけれど、生活様式がガラッと変わるわけではない。「友達と遊ぶのが大好き!」とか、「買い物が生きがい!」とかいうタイプの人間ではないから、むしろ家にこもっていることが許されるのであれば、こんなに都合のいいことはない。

仕事もしばらくは在宅勤務が続いた。
会社の人にすら会わなくなって、一体全体私は大丈夫だろうかと思ったけれど、なんだかんだ、なんとかなっている。もちろん細かなところで意思の疎通がとりづらかったり、環境の整備が不足していたりすることで、やりづらい部分は残っているけれど。

あと、これは本当は言わないでおきたいところではあるが、私は毎日のように家族(というか母)に電話をしている。電話はこの状況でも変わらずできるからありがたい。こうして私の精神は保たれていた。

だから、私はきっと平気だろうと思っていた。

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時系列でみていきたい。

私自身、3月の初め頃から、なるべく在宅勤務にする、人込みにはいかない、ということは心がけていた。今から振り返れば、まだまだ危機感が足りなかったとは思うけれど。

それが、3月末~4月頭のいよいよ緊急事態宣言が出るかという時期にもなると、世界のほかの都市の悲惨な状況も見えてきて、コロナの危険が東京に迫っているのが感じられた。とにかく外出を減らさなきゃいけないとわかっているのに、まだまだ街には人があふれていた。こんななかで、自分自身、まだ通勤せざるを得ない状況に置かれていることは、単純に怖かった。

緊急事態宣言が出てからは、とにかく引きこもった。
仕事は在宅勤務、休日は家で過ごす。ありがたいことに、この生活だと自分が感染する可能性が著しく低く、ひいては他人にうつしてしまう危険もほぼゼロなので、かなり精神的に楽になった。コロナ関連のニュースもあまり気にしない日々が続いた。
おそらく見えない形でストレスはたまっていたようで、ネガティブになった時期もあったけれど、それがどこまでコロナの影響だったのかはわからない。

そして緊急事態宣言が明ける直前の5月4日。うすうすそんな予感はしていたけれど、緊急事態宣言の延長が決定された。
私は、久しぶりにコロナについてじっくり考えざるを得なくなった。


***

今、新規感染者は少しずつ減ってきている。街にいる人たちも、ソーシャルディスタンスを守ることが当たり前になってきていて、街にいても以前ほど感染のリスクを感じない。逆に今、この宣言下で出歩いた方が安全なんじゃないか、って思ってしまう。

…みんなそうだと思う、でも、まだ医療はひっ迫している、みんなでコロナを抑え込もうと頑張っている、自分だけなんてできない、それでなんとかまだ家に閉じこもっていられる、何が正解かなんてわからない。

1か月前、緊急事態宣言が出たころは、正直それどころじゃなくて、とにかくコロナの危機が身近だったし、コロナが何者なのかわからなくてとにかく不安だったから、寂しさどころじゃなかった。とにかく家にこもっていたかった。

…でも、だんだん考えちゃうよね、そしてわからなくなるよね、じゃあどうなれば宣言は明けるのだろうとか、宣言が解除されたところでwithコロナである状況には変わりないのだろうとか、そもそもこの閉塞感があと1か月は続くのか、とか。
政府のお偉いさんだって絶対に正しいと言える答えを持っていない状況下で、自分は何を正解と思うのか、そして、自分のことだけでなく日本や世界全体の視点からも考えたときに、どこまで他人を思いやって生活を変えるのか、変えられるのか、果たして自分はどこまでなら耐えられるのか、自分に何ができるのか。

正解がわからなくて、だから家から出ることもできなくて、まだ1か月も続く不自由と孤独を思って、その先もどうなるかわからなくて、そして、ただ、寂しさで泣いている。

不自由と孤独を受け入れながら、それを正解と信じながら、でも本当は何が正解かなんてわからなくて。
コロナな世の中で、寂しさで、泣いている。


泣いている、泣いている、泣いているーー。


***

泣いていた、のだけれど、そうこうしていたら彼氏からLINEが届いた。
涙は止まった。(あれ、その程度の寂しさだった?)


どれだけオンラインで人と会うことができても、結局人に会えない悲しさは残る。
だけど、もう少しだけ、がんばれるかな。
自分の気持ちも騙しだまし、だけど、きっとみんな思いは同じだよね。
もう少し、がんばってみるかな。

涙をぬぐったその先で、みんなとまた会えることを、心から楽しみにしています。