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8歳、18歳、28歳とわたし

不思議なことに、私は人生のなかでちょうどぴったり10年ごとに、抱きしめたくなるような別れを繰り返す。

いつだって人を好きになる時は全力のはずなのに、どうしても、他とは色彩が違って見える、そんな恋が、たまにある。

叶わなかった恋でも、叶った恋でもない。思いが通じたと思ったその瞬間に、抗えない別れが待っていたような、そんな恋。

でもだからこそ、儚くて悲しくて、いつまで経っても美しいのだろう。

別れを前に、ただきょとんとして何もできずに立ちすくんだことも、膠着した関係を断ち切れることに寂しいながらもほっとしたことも、ただただなすすべもなく泣きじゃくったこともある。

だけど、将来の約束など期待できないなかで、それでも人に対して好きとか大切だとかって思えたこと、おそらく向こうも多少なりとも同じ気持ちでいてくれたこと、なんだか淡い夢のようです。

願わくは、私に夢を見させてくれたあの人たちが、今日も地球のどこかで、元気に笑ってますように。