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デジタル・ファッションの未来
ニューヨーク、ソーホーにあるユニクロは、20代、30代を中心にいつも賑わっている。ユニクロ目当てで他の都市からやってくる人も多く、日本のアニメをモチーフにしたTシャツは絶好の売れ行きだ。
会計はもちろんRFID(Radio Frequency Identificationの略: 非接触型のスキャンシステム)を利用したセルフレジ。バーコードを一点ずつ読み取らせなくても、商品を置けば一瞬で決済に進むことができる。
商品タグの裏、またはタグの中にはRFIDが入っている。 電子機器の基盤のような見た目で、 中心部の小さな部分にチップとメモリが搭載されている。これによって商品の価格管理と在庫管理ができ、セルフレジとともに棚卸しもスムーズに済ませられる。
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それだけではない。
サプライチェーンでかかるコストを極限的におさえ、アナログな服を個体認識できるようにデジタル化してプラットフォームにする、という本質的な価値が得られる。
工場、倉庫、店頭での商品管理が格段にしやすくなり、棚卸しの作業は短時間で済み、在庫精度も上がった。
そしてもちろん、セルフレジは、買い物客の精算所要時間を半分に短縮することにも成功している。
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ユニクロ史上最も売れたバッグであるクロスボディバッグは、同社によると過去18ヵ月で7回も売り切れた。ファッション関係者から「ミレニアル世代のバーキン(バーキンストック)」と呼ばれている。フェンディのバゲットなどデザイナーブランドを凌駕する売れ行きだ。
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確かに、ファーストリテイリングの先見性の高さには驚くべきものがある。
2023年現在、同社は30近い国と地域でビジネスを展開し、ユニクロだけでも世界中に約2,300店舗を構える。
給与を最大40%引き上げ
さらにファーストリテイリングは、この春、日本国内の従業員の給与を最大40%引き上げると発表した。新たな給与ポリシーは、本社と国内店舗のフルタイム従業員に適用される。
大卒新入社員の月給は25万5千円から30万円に約18%アップ。入社1〜2年目で就任する店長の給与も約35%増えるらしい。「給料の上がらない国:日本」でこの動きには目を見張るものがある。
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デジタルファッションの未来
ここでデジタルファッションについて考察してみる。
3Dソフトで制作されたファッションで、デジタル空間で着用したり収集できる服のことを言う。以下NewsPickesでわかりやすい図解を見つけたのでここに記す。
もっとも重要なのは、買っても似合わなかった服は、これまでなら廃棄するか返品するしかなかったけれど、デジタルファッションでは違う。めぼしい服をまずデジタルで購入し、ARで着用した後、望めばそのリアクションをSNSでうかがった上で、リアルの購入へというステップで進んでいく。
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それでは製作者の立場から見た場合はどうか。
デジタルなものは、良くも悪くも簡単に作ることができるのが特徴だ。
3Dデザイナーが、自分のブランドを作りたいと、3Dの服を作ってマーケットプレイスに出せば、すぐに世界とつながれる。
そうなると、クラウドファンディングみたいなものとして、デジタルファッションを捉え、マーケットニーズがあるかどうか、試すこともできることになる。
現にナイキでは、3Dモデルをオープンにし、クリエーターが自由に参加できるようなプラットフォームによってデジタル・ファッション市場を引っ張っている。
ナイキの傘下にある『RTFKT』(アールティーファクト)では、クリエーターが自由に参加でき、そのデザインは50/50というレベニューシェアできるプランを提供している。
つまり、どんなクリエーターでもまるでゲームをデザインするように、ナイキのシューズをデザインして商品化、その報酬を受け取れるということだ。
すごい時代になった。今こそクリエーターにとっては
ワウワクするようなチャンス到来。そしてAIアプリで、誰もがクリエーターとしてモノ作りができるのだ。
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