2022/07/08と7/11 IPBES 報告書 1 SciKotz 2022年7月11日 11:43 「持続可能な利用が、2030年までに世界が取り組む国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「貧困の撲滅」や「飢餓をゼロに」といった17個の目標すべてに貢献することも指摘」昨日公表された、IPBESの「野生生物の利用可能な利用」の報告書。筆者は矢田さん。 #IPBES https://t.co/fAlW9TUvf3— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 SPMやプレスリリースはこちらで公開されています。記事では触れていない部分も少し見ていきましょう。#IPBES #SustainableUse https://t.co/k3X9O03HKp— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 今回の報告書も、最近の生物多様性関連の傾向と同じように、SDGsを強く意識したものになっています。いつもの図で恐縮ですが、生物多様性や生物圏に関するGoalは他の目標達成の基盤ともなるからでしょう。#IPBES #SustainableUse https://t.co/lXCQOntuK9— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 例えば、Goal7(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)に関して、約24億人が調理の燃料を木に頼っていること、11億人は電気などへのアクセスがなく、燃料は木である、とあります。こうした燃料による空気の汚染は「防ぎ得た死」の要因になっていることも知られています。#IPBES #SustainableUse— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 34%が捕りすぎ状態という魚の中でも、サメやエイは449種が絶滅危惧種(最近評価された1199種の37.5%)にあるとされています。これはGoal14(海の豊かさ)にとどまらず、Goal12(使う責任作る責任)を強く意識させられます。持続可能な消費生産ですか、という投げ掛けですね。 #IPBES #SustainableUse— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 なお、上記に関しては、約1億2千万人の漁業(天然)の90%は、小規模漁業であり、その半分は女性であるともあります。これはGoal5(ジェンダー平等)へのメッセージも盛り込まれていますね。また、今年2022年は国連の「国際小規模漁業年」ですね。#IPBES #SustainableUse— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 で、最後は記事にもあったSDGsとの関係です(出典:IPBES2022 https://t.co/brXRFC2NYd) 。もちろん、Goal15はがっつり組み込まれていますが、他の目標もずいぶんと野生生物の持続可能な利用のお世話になっています。詳細は本体が公表されたら読み込みたいと思います。 了#IPBES #SustainableUse pic.twitter.com/kYc08uhoA5— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 9, 2022 昨晩公表された、IPBESのもう一本のアセスメントレポート。こちらは「自然の価値」について。結構マニアックではありましたが、なかなか大事なメッセージを発しているので、少し見ていきます。 #IPBES https://t.co/1s4k5oHJkn— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 今回のレポートを読むには、現在の「自然の価値」をめぐる議論を少し押さえておくと役立つと思いました。たとえば、自然を外部化してしまうGDPではなく、包括するような富の算出と、それに基づく経済への転換を呼びかけたDasgupta Review。それから… #IPBES https://t.co/RO5xLfO09x— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 自然に関するリスク情報開示(価値を損ねかねない情報をどう設定して公開するかに関わる)の枠組み作りを進めるTNFD。https://t.co/oZP5Y2Yf9Fあと、こうした取り組みを踏まえて昨年のG7で採択されたNature Compact(pdf直リンク注意)。 #IPBES https://t.co/Fs7Uy3xEpI— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 つまり、自然の価値をどう計り、それを政策に反映させていくのかが、今とても重要な問題となっているという現状があります。その上で今回の報告書を見ていくと、成果の意義や位置づけがよりわかりやすいかと思いました。 #IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 例えば、"Despite increasing calls for considering valuation in policy decisions, scientificdocumentation shows less than 5% of published valuation studies report uptake in policydecisions." 公表された科学的資料(例えば論文)の5%未満しか、政策に反映されていない、とか #IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 一方で、"The number of valuation studies undertaken has increased on average by more than 10% per year over the last four decades" 自然の価値付けに関する研究の引き受け(行政とかから?)は過去40年で年間10%以上の増加率だったとか。 #IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 同じ段落ですが、"Over 50 different methods to assess nature’s values have been applied in diverse socialecological contexts around the world” 自然の価値を評価する方法は50以上あるとか、あります。 #IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 つまり、結構たくさん研究が行われていて、価値の評価手法もいろいろあるのに、政策にいかされていないよね、これでNature Positiveとかできるの? というメッセージが伝わってくる感じです。なので、気候変動でもそうですが、もっと科学の声に耳を傾けて政策を作って欲しいなと思います。 #IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 あと、ちょっと面白かったのは、価値の整理。"The many ways that people relate to nature, which can be organized into generalized modes of living from, in,with and as nature, also reflect their diverse worldviews, knowledge systems, broad and specific values" とあります。#IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 living from Natureは、人間が生きていくために必要な資源としての価値に着目しており、例えば川魚は食料資源として重要だから、というような説明になるのですが、living withは、人にとっての必要性とは関係なく川魚そのものに価値や繁栄する権利を見いだすような考えのようです。#IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 これはこれでいいですね。「正義の生物学」でも論じられていましたが、私はあまり人に説明するときには使っていませんでしたが、こういう見方も好きです。なお、living inだと、自然をふるさととか文化みたいな、自分の居場所、アイデンティティの一部として捉えるようなイメージ、#IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 living asは、川に「ようきょうだい!」と言うような、自分を自然の一部と見なすような視点みたいです。それぞれの価値をどこまで共有できるかは、難しい面もありそうですが、こうした視点はちゃんと知っておくといいなと思いました。しかし、これ(特に後半)を記事にするのは難しい。 了#IPBES— 小坪 遊 Yu Kotsubo(米を持ち歩く人) (@SciKotz) July 12, 2022 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #IPBES #SustainableUse 1