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東北大生の実習 ~農学部・農学研究科編~

東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)農学研究科 ののです✿
前回は理学部生物学科の実習についてまっきーがお伝えしました。今回は農学研究科の実習について、東北大学の研究施設が色々なところにあるということもお伝えします!
vol.2もあるので、よろしければそちらもご覧ください♪

※実習内容は当時のもので、現在は内容が変わっている可能性があります。

全コース必修

 まずは、1年前期に必修で受ける実習についてです。
農学部は2年生からコースごとに分かれるので、分野ごとにどのような研究が行われているのか、この実習で先取りし、体験しながら学びます。

1. 陸圏環境コミュニケーション論

 大崎市鳴子温泉郷にある川渡フィールドセンターへ日帰りで訪問しました。
川渡フィールドセンター内にある研究室へ訪問したり、水田や果樹の圃場を探索したり、牛の放し飼いの様子やコンポスト化施設の見学などを行いました。 コンポストされた堆肥に手を入れると温かく、微生物の力を感じました!

コンポストの様子

2. 水圏環境コミュニケーション論

 宮城県牡鹿郡女川町にある女川フィールドセンターに、1泊2日で訪問しました。女川は東日本大震災によって甚大な被害を受けた地域です。私が実習で訪れた際には町の様子も見学しました。
研究室見学や、調査実習船「翠晧」に乗って沿岸の様子を観察しました。また、宿舎にドライヤーやタオルはないので、各自持参することに注意してください。

「翠晧」から見た女川

植物生命科学コース必修

 2年生でコースに配属され、3年生からはコースごとの学生実験や実習もあります。
植物生命科学コースでは3回の実地実習があります。稲の成長段階ごとに、移植時期(5月初旬)、生育時期(8月初旬)、収穫時期(9月下旬)、すべて川渡フィールドセンターで泊りがけで行いました。

1. 生産フィールド実習Ⅰ

 5月初旬に2泊3日で行われました。水稲移植を手作業や移植機を操作などしながら体験します。通常の農作業では手作業で移植することはないので、それを体験できるのも大学の実習ならではだと思います!また、苗の調査も行います。

移植する苗

2. 生産フィールド実習Ⅱ

 8月初旬に4泊5日で行われました。主に水田に入って生育途中の稲を刈り取り、分げつ数などの生育調査や雑草の調査を行います。また、トウモロコシなどを使った畑での実験もあります。他にも、牛の管理の見学をしつつ、バターや米粉パン、ジャムを作って食べました。

刈り取る前の稲

3. 農場実習A

 9月末に4泊5日で行われました。水稲の収穫を行い収量調査を行い、収穫したお米を炊いて食味試験も行います。他にも土壌断面調査や、森林に入って樹木の種類を判別する実習などがあります。
土壌断面調査は、グループごとに1mほど穴を掘り続け、深度と土壌の種類を観察します。圃場利用や植生と土壌の関係を調べるため、土を持ち帰り学生実験で分析します。
実習を終えると同時に夏休みが終わり、いよいよ後期の実験が始まります。

手作業で収穫しました

最後に
川渡での夜、フィールドセンターの駐車場に寝転んでみんなで流星群を見た思い出があります。学ぶことも、経験することも実習ならではのことが多くあります。学びも友達との仲も深まること間違いなしです!
他にも必修以外の特徴ある実習についても公開予定です♪

記事へのコメントやSAへの質問は、いつでもこちらのフォームよりお待ちしております。

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編集後記

全コース必修の実習は2017年、植物コース必修の実習は2019年に、私が受講した内容をもとに作成しています。
ここ数年は日帰りのみの実習がほとんどだと後輩から聞いています。この記事を書くにあたってシラバスを確認しましたが、徐々に規制は緩和されているようでした。以前のような実習ができることを願っています!

東北大学サイエンス・アンバサダー(旧サイエンス・エンジェル)
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「科学って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。2021年度より、自然科学に加え人文・社会科学も含めた科学分野としての活動がスタート。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。2022年度より、サイエンス・アンバサダーへ名称が変更。

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