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OGインタビュー 〜医学系研究科編〜(1)

こんにちは!
東北大学サイエンス・エンジェル(SA)の "しょうこ" です。

本日は、医学系研究科出身で現在社会人としてご活躍中、なおかつ私たちSAのOGである先輩方をゲストとして特別にお呼びして、オンライン座談会を開催した模様をお送りいたします!
学生とは違った社会人の視点からのお話は、とっても魅力的だったので楽しみながら読んでくださいね〜〜〜^^

座談会記事は前編と後編に分かれています。後編はこちらへどうぞ!

医学部と医学研究科の基本情報をまとめた、紹介記事はこちらをクリック♪


座談会の参加メンバーはこちら!じゃじゃん!

*ゲスト*
Kさん:農学部を卒業し、修士から医学系研究科の障害科学専攻に進学。修士(2年)+博士(3年)の間、大学院で学ばれた後、現在は大学教員としてご活躍中。
Mさん:医学部保健学科の検査技術科学専攻を卒業し、内部進学で大学院へ。修士(2年)を終え、現在は胚培養士としてご活躍中。(胚培養士のお仕事については記事の中でご紹介します!)

*インタビュアー*
うめちゃん:歯学研究科
しょうこ:薬学研究科



① どうして医学系研究科へ?


ーー大学院に進学した目的について教えてください!

Mさん 私は学部からの内部進学で、保健学科の臨床検査技師のコースに所属していました。4年生の前期から研究室に配属されて、そのぐらいのタイミングで大学院に入ろうと決めました。研究室の雰囲気が良かったっていうのと、所属研究室の教授に『サイエンスを見る目を養うっていうのは、もしかしたらこの瞬間しかないのかもしれないよ』と言われて、修士の2年間は研究に少し首を突っ込むのもいいかなと思って進学しました。


ーー研究室の雰囲気として修士課程に進学される方は多かったのですか?

Mさん 2学年上が3人中2人、1学年上が3人中3人が進学を選んでいたので、他の保健学専攻の研究室に比べて大学院に進学する割合は高かったと思います。


ーーKさんはどうして大学院に進学されたのですか?

Kさん 私がいたのは10年以上前なので、保健学専攻もなかった時代でした。医科学修士ができて2年目とかだったのかな。私は学部が医療系出身ではなかったので、医療系出身じゃない人が臨床に近い研究ができる場所が、当時は東北大学しかなかったんです。


ーー医学系に近い研究は大学院に進学する前にもやっていたのですか?

Kさん 学部の時は養豚生産学という豚の研究室にいて、豚に関連するならなんでもやってみよう、という感じの先生がいるところでした。私のテーマは「豚の世話をすると人間の心理は変わるか」という研究で、もうちょっと人間のことをやりたくて進学先を探していたんですけど、なかなかなくて…という状況だったんです。


ーー東北大学や、医学系研究科に来てよかったと思う点はありますか?

Mさん 東北大学だからという点で、他の学部の場合もそうだと思うんですけど、みんなが使える実験器具がたくさんある!こんなに高い機械がここにある!っていうのは、強みというかいいな、と思うポイントでした。

Kさん 私はやっぱりSAでみんなと仲良くなれたことかな。やっぱり医学系ってキャンパスも離れているので、他の学部の人と知り合う機会ってあんまり無くて…。まあでも共同研究しているところもあるので、そういう研究室に入れば関わる機会はもっと多いかもしれないですね。

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(医学部HPより引用)


② どんな人が医学系研究科に来るの?


ーー医学系研究科の場合は内部進学が一般的なのでしょうか?

Kさん 保健と障害科学だとけっこう違いますよね。

Mさん そうですね、保健学科の中でも検査技術科学専攻はそのまま学部から進学する人が多いですが、放射線技術科学専攻と看護学専攻の場合は、いったん社会人として働いてから戻ってくる人の割合が多かったイメージがあります。

Kさん 障害科学と医科学は下に学部がないので、外部から進学してくる人が多かったです。私の代の障害科学の修士は社会人もいたし、全員東北大学以外のところから来てたんじゃないかな。学部も保健だけじゃなくて、元々理学系の人、具体的には今の保健学科にはないような理学療法士*・作業療法士*・言語聴覚士*からも来ていた感じですね。また、医科学の基礎系は理学部や薬学部からも来ていたと思います。

*理学療法士作業療法士言語聴覚士:これら3つの専門家は医師や看護師、介護士と協力しながら、チームを組んで働くリハビリテーションの専門家。理学療法士は運動(基本動作)の機能、作業療法士は作業(日常動作)に関わる機能、言語聴覚士は発声や認知などのコミュニケーション機能の回復を得意としている。


ーーそれでも資格を持たない医学系以外のところから来る人って珍しいんでしょうか?

Kさん 基礎研究*をやっている医科学は医学系以外の人もけっこういます。理学部生物学科とか、工学部化学バイオ系、あと農学部からくる人がちらほらいます。あとは加齢医学研究所にも医学系以外の人が案外、多い印象です。

Mさん 医工学では、工学部とか他の場所から来ましたって人がいたと思います。私の同期のSAでも、理学部物理学科から医学系研究科に来られた方がいました。その人の場合は臨床*と近い研究をしていて、耳の検査と物理を組み合わせた修論を書いていました。それでもやっぱり、医学系じゃない人は珍しいと思います。

*基礎研究:病気の原因や治療効果を調べるために、細胞やマウスを用いて実験室で行われる研究。

*臨床研究:患者さん(ヒト)を対象にした研究。

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医学部HPより引用)


③ どんな研究をしていたの?


ーー当時行っていた研究内容を教えてください!

Mさん 私の研究対象は乳がんで、ヒトから分離してきたがん細胞の一部を育てた株(培養細胞)を使って研究していました。乳がんだけでも20株くらいの種類があります。うちの研究室では、乳がんの薬を特定の細胞にふりかけて耐性株*を作っていました。その耐性株の性質を調べるというところから始まって、そこから今度はこの株にはこの薬が効くけど、この株にはこの薬が効かないっていうことがわかるようになってきます。乳がんってすごく治療薬がたくさんあるので、どういう順番で薬を使っていくと患者さんにとって一番メリットがあるのか、病気が進行しないまま生活できる時間を延ばすためにどんな治療をするべきかを、細胞を使って行うことで、実際の臨床現場に還元していくのを大きな目標として研究を行っていました。

*耐性株:細胞や菌が、薬に対して抵抗性を持つことで、その薬が効かなくなってしまうことがある。


ーー研究室を選ぶときは、がんやその研究に興味があって選ばれたのですか?

Mさん そうですね、もともとは免疫とかすごく好きでした。学生の時に生物を習って、「体の中では免疫細胞がこんなにいろんな役割を持って働いているんだ!」というのを知ってすごく興味がわいたので、最初はそっちの方向に進もうかなって思っていました。でも勉強していくうちに、がんの研究ってすごく面白い!ということに気付きました。


ーーKさんはどんな研究をしていたのですか?

Kさん 私の研究室はコホート研究*を行っていました。3~5万人ぐらいの人のデータがためてあるので、そのデータを使って修士の時はパーソナリティと体型の解析をして、博士の時は睡眠時間と乳がんと前立腺がんの解析をしていました。

*コホート研究:研究対象の人のデータをたくさん集めて、長期間にわたって観察し追跡することで、生活習慣や体質、遺伝などのある要因が病気の発生や予防に関係しているか調査を行う研究。


ーーパーソナリティっていうのは、いわゆる性格とかのパーソナリティですか?

Kさん そうですそうです!内向性・外向性・神経症とかそういう指標の強い、弱いで4分割して、例えば外向的な人が太ってたりするんですけど、そういった関係を解析していた感じです。

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医学部HPより引用)


後編へ続きます!

前編は以上になります。
後編では、卒業後の進路やOGからのメッセージをお送りいたしますので、ぜひぜひご覧ください♡
後編はこちらをクリック!

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東北大学サイエンス・エンジェル
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。


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