見出し画像

片付けが楽しくなる?!「片付け」にポイントシステム!トークンエコノミー導入の効果

片付けが苦手な人は多いですが、トークンエコノミー(ポイントシステム)を導入することで、その行動を楽しく促進することができます。今回は、日本家政学会の研究を元に、トークンエコノミー(ポイントシステム)の効果的な活用方法とその実証結果について詳しくご紹介します。


1. トークンエコノミー(ポイントシステム)とは?

まず、トークンエコノミーという言葉に耳馴染みがない方もいるかと思います。これは、特定の行動に対してポイント(トークン)を付与し、そのポイントを報酬と交換する仕組みのことを指します。このシステムを導入することで、片付け行動を促進し、家の中を整頓するモチベーションを高めることができます。


2. 研究概要と実験方法

研究概要

日本家政学会の研究では、家庭内で片付けごとにトークンを付与し、報酬と交換する仕組みを導入することで、片付け行動が著しく増加することが示されました。この研究は一つの家族(1人の男性と3人の女性)を対象に行われました。

実験方法

  • 対象: 1家族(1人の男性と3人の女性)

  • 方法:

    • 片付け行動ごとにトークンを付与

    • トークンを報酬と交換できる仕組みを導入

    • 物理的環境設定として、衣類用のディスプレイ棚を設置

実験では、家族全員が協力し、衣類を所定の位置に片付けるたびにトークンが付与されました。具体的には、簡単なタスクには1トークン、難しいタスクには3トークンが与えられました。一定数のトークンが貯まると、好きなデザートや家族での外食などと交換できる仕組みが取り入れられました。


3. 実験結果と効果

結果

この方法により、リビングルームが整頓され、家族全員の片付け行動が増加しました。具体的な成果として、以下の効果が観察されました:

  • 片付け行動の増加: トークンエコノミー(ポイントシステム)の導入後、家族全員が積極的に片付けに参加するようになりました。

  • 視覚的な整頓効果: 衣類用のディスプレイ棚の設置により、片付け後の状態が視覚的に確認でき、達成感が得られました。

この研究は、行動経済学や認知科学の原理に基づいています。行動経済学では、報酬とインセンティブが人間の行動をどのように動機づけるかを研究します。認知科学では、人間の意思決定プロセスや行動変容に関するメカニズムを解明します。この研究では、具体的な報酬を設定することで、家族全員のモチベーションが高まり、片付け行動が促進されました。


4. 効果的なトークンエコノミー(ポイントシステム)の導入方法

トークンの付与基準を設定する

衣類を畳むと1トークン、クローゼット全体を整理すると3トークンなど、タスクの難易度によってトークン数を設定します。

報酬の種類の例

トークンが一定数貯まると、好きなデザートや家族での外食などと交換できるようにします。これにより、家族全員が報酬を楽しみにして片付けを積極的に行うようになります。

視覚的にトークンを管理する

トークンボードを作り、トークンの数を視覚的に管理できるようにします。家族全員でトークンの増加を確認することで、モチベーションが高まります。

定期的に評価会を開催する

一定期間ごとに家族全員で評価会を開き、トークンの獲得状況と報酬の進捗を確認します。


5. トークンエコノミー(ポイントシステム)導入のメリット

モチベーションの向上

トークンエコノミー(ポイントシステム)により、片付けが楽しくなり、家族全員が積極的に参加するようになります。

家庭内の整理整頓

トークンエコノミー(ポイントシステム)を導入することで、家の中が常に整頓された状態を維持できます。

ストレス軽減と健康維持

片付けが進むことで、ストレスが軽減され、健康維持にもつながります。


6. まとめ

トークンエコノミー(ポイントシステム)を導入することで、片付けが楽しく促進され、家庭内の整理整頓が進むということがいえます。これは、報酬がモチベーションになっているのか、ゲーム的な楽しみがモチベーションなのか、家族とのコミュニケーションがモチベーションなのかは言及されていないので、科学的に何が効果的だったのかは分析する必要がありそうです。また、一家族だけを対象にした実験ですし、イベント的に一瞬盛り上がったという可能性もあります。家族全員が協力して、楽しんで片付けができるということはいえそうなので方法ブラッシュアップしてデザインすると面白いかもしれません。この成果をどのように活かすかがポイントですね。(ポイントがダブル・ミーニングになってしまった。)


7. 参考文献

日本家政学会誌「家庭内の片付け行動の促進―トークンエコノミーの導入と物理的環境設定の効果の検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/68/11/68_598/_pdf


いいなと思ったら応援しよう!