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学ぶこと

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#教育

メタ認知が9割 〜教育者が知っておくべき対話の着地点〜

メタ認知が9割 〜教育者が知っておくべき対話の着地点〜

はじめに 学校の先生になり、様々な気づきや学びがありました。その中でも、最も痛感したことは「教師が子どもに話すだけではほとんど伝わらない」ということです。伝え方の工夫や話し方のコツをたくさん学びましたが、いくら熱く語りかけても、子どもの行動は変わりませんでした。そして「自律する子の育て方」という一冊の本に出会い、重要なのはそこではないということに気づきました。今回は、子どもの行動が変わる、「メタ認

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新学習指導要領が学校に変化を起こす3つの理由。

新学習指導要領が学校に変化を起こす3つの理由。

2021年4月から新学習指導要領がいよいよ全面実施となる。
それに合わせて、職場も少しざわついてきた。

新学習指導要領の最大のポイントは、評価が変わることである。
例えば国語科で言うと、5つもあった評価の観点が3つにまで絞られる。

旧指導要領下では、作文は「書くこと」の分野で評価、ディベートは「話すこと」の分野で評価……など、ある程度の棲み分けがなされていたため、分かりやすく評価することができ

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「遊び」こそアクティブラーニングだ

「遊び」こそアクティブラーニングだ

学校帰りふらりと空き地に立ち寄る、仕事帰り居酒屋の灯りに吸い寄せられるサラリーマンたちも子供頃そんな経験をしていた(かも知れません)時代がありました。

しかし、日本人のソウルアニメ、ドラえもんに登場する空き地のような場所は私たちの日常からはどんどんと姿を消しています。

一体今の子供たちはどこで遊んでいるのでしょうか?厚生労働省の調査によると、子供たちは、「海岸や林」で遊んでいるようですが、23

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先生が知っておくといいかも、心理学の現象(文献紹介)

先生が知っておくといいかも、心理学の現象(文献紹介)

初めまして!大学の先生芸人黒ラブ教授

@国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ―です。

理系漫談をしていますので、いつかグーグルで「黒ラブ教授 ネタ」で検索して是非見てくださいね

さて何を書こうかなーと思った時に、自分が面白いなーと思っている現象を紹介したいと思います。

知識の呪縛という現象です。

一度、あるものを学んだら、それを学んでなかった時の気持ち?思いを忘れてしまって(例えば

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「とりあえずやってみる」はなぜ効果的か

「とりあえずやってみる」はなぜ効果的か

失敗・・・

この単語は誰もが避けたいと願っていることです。しかし、実は使い方によってはこの「失敗」が成長への手がかりとなることがわかっています。さらに、上手い先生が失敗を意図的にデザインすることで、学びが加速するという報告も成されています。

そして、アメリカのスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学を始め、世界中の企業や研究機関が「失敗」を「学びの手段」として考え始めているのです。

生産

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理解とはお互いに「知識を作り上げること」

Palinscar and Brown (1984) Reciprocal Teaching of ComprehensionFostering and ComprehensionMonitoring Activities

Disclaimer : DeepL君の訳なので、僕のじゃないよ!適時直しているけど、完全じゃないからね!誤訳などの責任は負いませんので、気になったら原文に照らし合わせくださ

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できる人はなぜ「ざっくり」となのか?

できる人はなぜ「ざっくり」となのか?

上司 「この案件、説明してもらえるかな」

新人 「えーと、あれ、これで・・・・」

                                       10分経過

上司 「・・・つまり、ざっくり言うとこうでしょ」(瞬殺)

新人 「そーなんです」

上司 「・・・」

どこか聞いたことのある会話ですね。

新人は細々とした事柄を長い時間を掛けて逐一説明していますが、

上司が求めてい

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