証券業界におけるAML/CFT水準の向上および共通化・高度化に関するWP 2019(共有備忘録)
元ネタ
証券業界におけるAML/CFT水準の向上および共通化・高度化に関するホワイトペーパー(2019年10月1日発表)
証券コンソーシアム KYC共通化ワーキンググループ
参画幹事企業
SBI証券
だいこう証券ビジネス
カブドットコム証券
セコムトラストシステムズ
日本電子計算
日本電気
マネックス証券
みずほ証券
楽天証券
*感想:SMBC日興とMUFGモルガンなし。
AML: Anti-Money Laundering(マネーロンダリング対策)
CFT: Combating the Financing of Terorrism (テロ資金供与対策)
On-boarding 顧客との取引開始・口座開設に伴う一連の手続き
On-going 取引中に伴う一連の手続き
AML/CFTの不備が起こす不利益
1)外国当局による制裁金
2)海外の金融機関などからのコルレス契約の解消の要望
マネーロンダリング/テロ資金供与のの3段階
1)プレースメント
非合法収益が口座入金され金融システムに取り込まれる
2)レイヤリング
送金や商品への変換・換金を繰り返すことで資金出所を不明確にする
3)インテグレーション
隠匿した収益を合法的に利用
リスクベース・アプローチの3段階
1)リスクの特定
2)リスクの評価(e.g. 発生頻度、重要度、ウタトリの届出実績)
3)リスクの低減
共通ルール・共通システムの実現
共通ルールを最低遵守基準とし、個社ごとにカスタマイズして実施する。
共通システム開発・提供のための事業体設立
AML/CFT共通システムの検討に至る背景
金融庁ガイドラインが求めることを満たすには、既存のAML/CFTパッケージなどの活用で個社がそれぞれ対応することは可能。一方、低コストの業界共通的なシステムが存在することは意味がある。
法改正などにより、金融庁から追加対応が求められる際、業界共通的なシステムがその役割を担ってくれると嬉しい(WGのソリューションが適宜アップデートされるのであれば意味はある)。
データ集約・分析について、構想としては良いと感じるが、本当に価値があるのか十分な検討が必要。一方、個人情報の問題やデータフォーマット等ハードルは高そう。
WGでの検討結果が業界標準となり、WGのソリューションがそれを満たすのであれば、価値があると思うし、現状から乗り換える余地は十分にある。金融庁も巻き込んで各社足並みを揃えれば検討の余地はある。
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