生命の起源 - 宇宙編1
隕石から生命の設計図(ゲノムDNA)のパーツが見つかった。地球上の生命の起源は宇宙から落下した隕石かもしれない。
日本の研究チームがオーストラリアで1969年に採取されたマーチソン隕石から、遺伝子の材料である塩基(えんき)を検出した(原著論文、北海道大学のプレスリリース、サイエンスポータル)。今回検出した塩基の中には、地球上のあらゆる生物がもつ5つの塩基(アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル)が含まれており、地球の生命の起源が宇宙であることを示唆している。
塩基は、遺伝子(DNA)の材料であり、塩基が数十、数百、あるいは、数千個つながることによって、遺伝子が作られえている。さらに遺伝子が何千個もつながることによってヒトの設計図であるゲノムDNAが作られている。ヒトの設計図であるゲノムDNAの材料が、隕石に含まれているのであれば、我々の起源は宇宙のどこか別の星と考えても不思議ではない。
日本の研究チームが生命の起源の真実に一歩近づいたことは喜ばしい。しかし、今回のような研究は、極めて微量のサンプルを用いて実験するため、不確実な結果が出る場合もある。また、実験に使われた隕石の採取年が50年以上前であることから、研究者が隕石を扱ううちに、隕石に(例えば研究者の汗や唾液に含まれる)塩基が偶然付着し、それが検出された可能性も否定できない。従って、この論文を鵜呑みにせず、今後も様々な知見を積み重ねていかなければならない。
本研究のような、宇宙における生命を研究する分野は宇宙生物学(英語ではアストロバイオロジー)と呼ばれている。日本にも自然科学研究機構呼ばれる国立の研究所があり、この研究機構の中にアストロバイオロジーセンター(東京都三鷹市)というものが設置されている。この研究機構には令和3年度(2021年)には、約290億円以上の税金が投入されているようである(リンク31ページ、収入の中に書かれている補助金や交付金を参照)。
地球上の生命の起源が宇宙なのか地球なのか、生命は偶然生まれたのか、何かが意図的に生み出したのかは、それぞれの宗教や理論がそれぞれの回答を持っている。例えば、エホバの証人は生命は神によって設計されたと考えており、生命の起源を神(宇宙)という立場である。余談であるが、有名なアニメ「ヱヴァンゲリヲン」では、生命には地球由来の生命と宇宙由来の生命の2種類があるという設定で、地球由来の生命が「使徒」、宇宙由来の生命が「ヒト」とされている。このアニメでは、本来の地球の生命「使徒」と宇宙からやってきた外部生命「ヒト」の戦いが描かれている。
パンスペルミア説参考1
パンスペルミア説参考2
自然発生説の熱理論の参考
自然発生説の雷理論の参考
自然発生説の放射線理論の参考
ちなみに、科学的なのかどうかは分からないが、地球の人類にコンタクトできる知能を持った宇宙に存在する地球外文明の数を推定する方程式がある。これはドレイク方程式(Wiki、アメリカの地球外知的生命探査プロジェクト)とよばれている。方程式の詳細は省略するが、1961年にこの方程式が発表されたとき、少なくとも宇宙には人類も含めて10個の知的文明が存在するとされた。
宗教はヒトが誰によって作られたのかは説明する。一方で、アストロバイオロジーや地球科学は、どのように原始生命が誕生したのかの説明を試みる。ヒトが連綿と言い伝えてきた宗教や神話と、現代の科学の交差点が原始生命の真実かもしれない。
次回はアストロバイオロジーをもう少し深く見ていき、アストロバイオロジーと神の意思の共通点を明らかにしたい。
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