歯学部と工学部の忙しさを比較
こんにちはラメポタです。
今回は大学における学業生活の忙しさについて考えてみます。
大学生活の比較
私は旧帝大工学部と旧帝大院で合計6年の大学生活を送っています。歯学部生活も順調にいくと6年ですね(私は編入なので5年の予定ですが)。
歯学部や医学部は実習がしんどい、テストがきついなどとよく言われますが、果たしてどれくらいしんどいのでしょうか?
一度の人生で複数の大学に所属したことがある人はそう多くないはずですので、大学生たちが言う「うちの学部しんどい」は往々にして主観での発言となります。もちろん他学部の友人や先輩後輩の話を聞くことである程度の推測はできるものの、真に理解するには二度大学生活を送るほかありません。
私は二度大学生活を送ることになるかなり稀有な存在です。
「歯学部はほかの学部と比べてどれくらいしんどいのか」を、実体験をもとに比較できます。
私の一度目の大学生活は工学部の化学科です。理系学部は文系学部より総じてブラックなことが多いといいますが、工学部もその例に漏れずブラック気味な傾向が多いです。そして、工学部の中にも色々学科がありますが、化学科は工学部の中でもブラックな方と聞きます。化学分野の実験はどうしても時間を要するものが多い(特に有機化学・生化学など)のと、設備のある現場で作業する必要があるのが主な要因です。あとは化学業界の風土みたいなのも影響はしているかもしれません。
さて、そんなそこそこブラックを卒業した私にとって歯学部はどれくらいしんどいのか。今後、実体験をもとに語っていければと思います。
工学部化学科の忙しさを振り返る
これだけではただの予告になってしまうので、ここからは私の工学部での6年間のブラック度合いについて簡単に振り返ってみたいと思います。
1年(忙しさ3)
・ほとんどすべての科目が一般教養。コマ数は半期あたり18~20程度
・理系科目は、化学系基礎科目を中心に、数学系科目や物理系科目も受講
・卒業には人文系科目の単位も必要なためいくつか受講
・英語と第二外国語も受講
【主な履修科目】
有機化学、物理化学、基礎化学実験、線形代数学、微分積分額、力学、電磁気学、人文地理学、法学、精神分析学、科学論、英語、ドイツ語など
2年(忙しさ1)
・6年間で最も余裕のある時期。コマ数は半期あたり8~12程度
・化学系専門科目が入ってくる。後期はほとんど専門。
・化学以外の理系科目
・一般教養は前期まででおおむね取り終える
【主な履修科目】
有機化学、無機化学、物理化学、分析化学、化学工学、線形代数学、人文地理学、英語など
3年(忙しさ4)
・ほとんどすべてが専門科目。コマ数は半期あたり21~22程度。
・テストで覚えることが多く、テストの時期はかなりしんどい。
・私は一般教養科目の単位数が足りていなかったため、一般教養も受講
・専門化学実験が週9コマ入ってくる。毎週レポートを書くためかなり重い(実験によっては40枚くらいのレポートを毎週手書き…)。
【主な履修科目】
有機化学、無機化学、物理化学、分析化学、生化学、高分子化学、化学工学、化学実験(有機、無機、物理、分析、生物)、スポーツ実習など
4年(忙しさ前期2後期4)
・単位がやや足りなかったため、座学で専門科目を若干数受講。コマ数は半期あたり2程度。
・研究室に配属される。
・前期は大学院の入試勉強がメイン。研究活動は主に後期に実施。
・後期後半は卒論執筆および卒論発表を実施。
修士1年(忙しさ4)
・平日は基本的に研究活動。朝10時から夕方5~6時くらい。土日は基本休み。
・前期は授業も履修。8~9コマ程度
・年2回ほど学会発表
・就活(インターンなど)も並行して実施
修士2年(忙しさ4)
・平日および土日のスケジュールや忙しさはおおむねM1と変わらず
・春で就活が終了
・年2回ほどの学会発表
・年度末は修論執筆と修論発表のため結構忙しめ
総括すると、1~2年は比較的楽、3年はかなりしんどい、4年は院試勉強がやや大変だが研究はそこまで忙しくなく、M1~M2は通年で適度な忙しさ、といった感じ。瞬間風速でいうと3年のテスト前が一番きつかったですね。
(なお、B4、M1、M2の忙しさは所属する研究室によってだいぶ変わってきます。あくまで私の場合の一例です。ちなみに私の研究室は、工学部化学科としては結構ホワイトな方でした。)
現時点での歯学部の忙しさ
さて続いて歯学部の忙しさですが、まだ歯学部生生活を始めて数か月ですので、現状で全体の結論をだすことはできません。しかし、体感としてここ数か月の忙しさは4~5くらいでした。理由としては、主に以下の3点です。
1.授業のコマ数が多い
2.中間テストの数が多い
3.暗記物が多い
1のコマ数ですが、現在20~21コマ/週です。工学部で最もコマ数の多かった3年の時とほぼ同水準です。空きコマが少ないので、テスト勉強のための時間捻出がし辛いのが地味に辛いです。
また、工学部在籍時はたまに授業をさぼったりもしましたが、歯学部では出席が厳しい授業が多い関係もあって安易にさぼれません。毎日早起き必須のため肉体疲労の観点ではすでに工学部よりもややしんどいくらいです。
続いて2の中間テストですが、ほとんどの科目が期中にテストを課してくるので、定期的に勉強の時間を確保しなければなりません。部活やバイトとの両立はかなり大変です。工学部では中間テストがほとんどなく、期末テスト一発の科目が大半だったので、テスト前はともかく期中の負担はそこまで重くなかったのです。テスト勉強期間が長いという点でも歯学部は忙しいのです。
3は、歯学部で受講する専門科目に暗記物が多いため、勉強に時間がかかること(すなわち忙しいこと)を意味しています。数学系や物理系の科目であれば、本質を理解できれば短時間の勉強でもテストで高得点を取ることが可能です。つまり、センスがあればあまり勉強しなくても単位をとれるのです。しかし、暗記物はそうはいきません。センスがあろうがなかろうが地道にコツコツと勉強しなければならず、どんな天才でも、勉強時間の確保が必須となるのです。(そもそも私は天才には程遠い人間なので、どっちみち勉強時間が必要ですが…)
1,2,3を合わせると工学部で最も忙しかった3年時よりもすでに忙しいので、忙しさは4~5としました。先輩らの話によると、学年が上がるともっと忙しくなるらしいので、現時点でもすでに「歯学部の生活は工学部よりもかなり忙しい」という結論が見えてきています。はあ、辛い…
まあ、医療人になるのは容易ではないということですね。