映画のことは大好きだけどその当時を鮮明に思い出してしまうから嫌い、でも
計画性のない彼と私、ノリで映画館に向かい案の定最前列しか空いてなくて「首痛い痛い」言いながら観た『テッド』、そんな彼と別れてから何年後かに千葉のショッピングモールで観た『何者』、(まさか今夜)告白されるなんて思ってなかったデートで観た『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、若干の後ろめたさを感じながら観た『愛がなんだ』、別れ話を切り出された日に観た『マリッジ・ストーリー』、まんまと過去の恋愛を思い出して泣きわめいた『花束みたいな恋をした』、好きだけど価値観がまるで合わない彼と観て「やっぱり一人で観ればよかった」と後悔した『あのこは貴族』、マッチングアプリの男と観るべきじゃなかった『ドライブ・マイ・カー』……映画に付随する思い出は、数えきれない。
映画のことは大好きなのに、当時の思い出の影響によりその映画のことまで嫌いになってしまいそうなことがある。
映画はなにも悪くない。わかってる。
だから、というわけではないけれど、一人で、無の感情で観る映画が一番好き。
結局それが、後々楽だから。
よくよく考えてみると、この"楽"というのは逃げているだけなのかもしれない。
私は基本的に、傷つきたくないから、傷つかないように回り回って生きていて、それが良いか悪いかでいうと良くはないことにも気が付いてる。
無意識に、なんとなく、鐘の鳴る方に常に指針が向いている。これって、自分の気持ちに正直になれていないということなのかな。とはいえ、自分の気持ちに嘘をつくことはできないから、自分の意に反した選択というわけではないし。
すべてはフィーリング・タイミング・ハプニング。
何が言いたいかと言うと、私にとって「一緒に映画を観に行く」という行為は紛れもなく立派なデートだということ。
一人でも楽しめることを誰かと分かち合おうだなんて、そんなの、特別な瞬間に決まってる。
結局、当時の思い出たちのことも含めて"映画"のことが大好きなんだ。
缶ビールが買えるくらいで十分です。あわよくば一緒に乾杯しましょう。ありがとうございます。