似合わない色


 このところ仕事以外の日はほとんど自宅で過ごしており、最初は空き時間はアニメや動画を見て気分転換をはかっていたが段々とそれにも飽きてきて、一昨日子供時代の塗り絵感覚でアイシャドウの色合わせをやってみた。自分の肌のタイプに合う色を探すというシンプルな作業である。


 見た目の印象や肌質は、ホロスコープ(誕生図)で大体予想はつくのであるが、実際に肌色の診断をやってみたら予想以上に難しかった。おおまかに4タイプあるらしく、私の肌の色は青みが強いブルーベースではあるが夏か冬かの判断がなかなかできなかった。結局最後はコスメ売り場に出かけていって、いろんな色を手首につけて確かめてみてこれが合うなという色を3種類見つけてきた。


 私にとって最も意外だったのは、これまで絶対に似合わないと思い込んでいた暗めのローズピンクが一番肌の色に馴染んでいた事だった。そして今更なんだが、これまで長年使っていたスタンダードなブラウン色(イエローが強めでなくても)が実は肌の色にはあまり合っていないと分かった。自分の手持ちのシャドウはブラウンベースがほとんどで、私は似合わない色をずっと使っていたんだなとその時気づいたのであった。


 そういえば、とふと思い出すのは小5の夏、茶色とオレンジのチェックのワンピースを、母は私に着せて満足げな笑みを浮かべた場面であった。それ以外にも母が私に買ってくる服の色は黄色やパステルカラーが多く、当時の私はあまり好きではなかったのだが、今思い返してもやっぱり似合ってなかったなと思った。


 私が自分が好きな色、好きなデザインの服を手に入れられるようになったのは大学を卒業し社会人になってからである。今もそうだが、アセンダント水瓶座の性別不詳な見た目とブルーベースな肌に合うのは、ネイビーや黒などメリハリのきいた色なのである。


 

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