1ハウスの食の新月と人生の転機の話
もうこれを書いている時点で過去の事にはなっているが、2月の水瓶座新月は私のネイタルチャートの1ハウスでの出来事で、その日を境に人生が予想もしない方向へ動き出しておりまだ私自身はその変化に適応できずに狼狽えているのが現状である。
具体的に何があったのかというと、新月の日に転勤を言い渡され、3月1日から新しい職場に赴任したのである。この転勤については中身は一切書けないが、非常にイレギュラーな異動であり転勤先が相当に切羽詰まった状況であったが故の話であった。
そして新しい職場に移ってまだ4日勤務しただけだが、すでに私の心はポッキリ折れかけていて、人生何度目かの出社できない症候群の一歩手前にいるのであった。その理由は仕事の内容も環境も、そして何より人間関係が今までとは全く質的に異なり、その落差にやられているのである。
過去7年ほど、前職では欠員補充のためにあちこち異動し、一時期は3カ所を掛け持ちで巡回したこともあったが、そこそこ短期間で慣れることもできたし、人間関係もまあこんなもんだと割り切っていたので、それほど大変さを感じなかった。それでも中には個人的に苦手とする場所がなかったわけではないが、幸いにもそこに行く頻度が月2、3日とかなり低く、前もってスケジュールも知らされていたので心の準備をする余裕はあったし、勤務先の配慮もあって仕事そのものは無事に果たせていた。
しかし今回は、一切の事前情報も引継ぎもなく、辞令交付からわずか一週間での転勤で全てがぶっつけ本番のようなものであったのも、新しい職場への適応を難しくしてしまったのかもしれないとは思う。だから、時間が経てば多少は慣れて、落ち着いて業務に取り組めるのかも、と最初はそう考えたりもした。
しかしながら何日か働いてみて、やっぱり無理かもというのが正直な気持ちであり、このままずっとここでやっていけるかと言われると首を縦には振れそうもないわけで、いくら頭で置かれた立場や状況を冷静に分析しようとしても、あるいはいいとこ探しをするなり何なりして自身を宥めたり鼓舞しようとしても、合わないものはどうやっても合わないわけで、こういうのは理屈ではないのだろうと思っている。
そういう少々不安定な状態に身を置きながらも必ずしも極端な悲観主義に走らずに済んでいるのは、 転勤が決まった直後にとある占星術の先生に相談しアドバイスを受けていたところが大きく、トランジットや進行法、ソーラーアークディレクションといった未来予測のツールをフル活用して今後の天体の動向を見据えて進路を探れるというのは本当に有難いことだと実感した。やはり1ハウスの食の新月は特別であり、何らかの形で生き方そのものを転換させるタイミングであることを示していると私自身も感知していたからこそ、自分ひとりでこれらを調べるよりも第三者にきちんと見てもらう必要性を強く感じていたのであった。
そして今、その時に先生といろいろ話した事を思い出しながら、これから私はどうなりたいのかを、じっくりと自分に問いかけているところなのである。転勤でこんなに精神的に辛かったのはたぶん、20代に一度あったかなというくらいだいぶ久しぶりの事であり、仕事そのものがここまで苦痛になるのも始めてなのであったが、逆にそのことが自分自身と真剣に向き合わざるを得ない状況を作り出してもいるわけで、現職のことを考えると無気力になってしまいそうになりながらも、その一方ではとにかくなんでもいいから今できることから始めようという気持ちも持っているのである。
今回は食の新月とライフイベントの関わりに絞って述べたいので、天体運行上他にもネイタルチャートと絡んで重要な特徴がいくつか出ている点は別の機会に振り返りの場を持ちたいと考えている。とりあえず過去に遡って1ハウスの食の新月の時期と個人史を照らし合わせてみたら、大抵その前後に人生の進路変更のきっかけになる出来事が起きていたので、今回も出来事そのものは単なる引き金のようなものにすぎず、ここからどうするのか、どんな生き方を選びたいのかが問われているのだろうと今は考えている。
そしてその“進路”については、以前からずっと実現したいと思いつつ、引き伸ばしてきたことをやってみるチャンスかなとも思ったが、そのことについては相談した先生のアドバイスはわたしの考えとは少し違っていて、わたしにはあまり向いていないだろうと思って躊躇していたことを本業として取り組んでみてはどうかと勧めてくださった。それと同時に、今までひっそりかつ何となく個人事業としてやってきたことをちゃんと形にしてはどうかという話になった。そして事業として何をどういう提供の仕方で、どれくらいの料金で、という基本的なことを、もう一度洗い直す作業から始めてみようという結論になった。
その後は転勤のドタバタの合間を見て、屋号を決め内容を決めたところまでは済んで、これから業務を始めるための諸手続きを含めた具体的なスケジュールをどうするかを決めていく段階まで漕ぎ着けた。いつから始めるかはだいたいの案はあるが、その前に何よりも転勤による精神的ダメージを最小限に抑え自分自身を整えるのが先決であり、仕事のことでいつまでもモヤモヤしている場合ではなさそうである。