楽しいからやってみる


 占星術の勉強がある程度進んできてそれなりに年月も経って、何かの形でそれを役立てたい、表現したいという気持ちは数年前から心の中にむくむくと湧き上がってはくるものの、その手段もやり方も全く思いつかず、何となく手探りでやってきて今に到る。


 周りを見渡すと、コンサルティングやヒーリングに占星術を生かして成功している人たち、個人鑑定や研究で身を立て、人気を集めている人たち、グループで活動し世の中に貢献している人たちなど、活発に動いて自ら切り開いた道を進んでいるのを見るにつれ、私は一体何をやっているのかと気持ちが沈む。


 特に誰と繋がっている訳でもなく、日によって出勤時間が極端に変わるシフトをこなしながら隙間の時間や休日を使ってできる範囲で鑑定や相談をお引き受けし最善を尽くすしかなかったので、他の誰かと同じようになれないのは仕方ないと思いつつも、時々本当にこれでいいんだろうか、もっと他にやり方があるのではと悩みながらそのときそのときの状況に対応してきた。


 今私のネイタルチャートの水星・木星の合に、山羊座のトランジット冥王星・木星がタイトなスクエアを組んでいる。特に冥王星の方は2年くらいはこの角度を保つことになるので、私の日常へのかなり強い圧力を感じている。スクエアに天体がポジションを取ると、水星の活動が中断したり変更を余儀なくされる事が多くなる。私の水星は3ハウスで昨年冥王星とオーブなしのスクエアになってから、他者とのコミュニケーションが非常に難しく感じるようになっているのだ。伝えたいのに上手く伝わっている感じがしないのが、日常のイライラの原因のひとつでもある。


 おそらく私が考えるようにはなかなか事が前に進めていないのは、私の中のコミュニケーションに対する苦手意識や、こうあるべきな思い込みや、ブレーキをかけている何かもあるのかもしれない。例えば過去研究論文を書くのが仕事だった私は、どうしても文体が論文調になってしまいソフトな表現をしようとするとアイデアが浮かばない。今の私は誰かの心に伝わるような表現も苦手である。話も決してうまくはない。サービス業でやっていけるのも営業のテンプレートがあるから。そう考えると、向いてないのかもしれないと少し凹む。このまま続けてどうなるのかとも思わないでもない。


 それならそれで、結果はともかくもうしばらくはがんばってみようという気持ちが上回っているからこうして出勤前につらつらと書いているのである。周りや人に関心が無いと誰かに言われても私は否定はしない。そういう面も確かにある。でも私は世の中もそこに生きる人も、みなそれぞれの人生を尊敬しているし、嫌いにはなれない。今までは今何が多数の関心を集めているのか、一般的に受け入れられやすいアプローチは何なのか…なども常に頭の中にはあったが、どうせ下手なんだからしばらく自分が楽しいからやってみるでいいじゃないか、それでどうなるかじっくり観た上で今後の身の振り方を決めてもいいのかなと考えている。






 

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