2020.04.23 牡牛座新月 上書きよりアップデート
いつもの年であれば、年明けからの四半期はだいたい忙しくて個人の用事が後回しになり、そのツケが新年度明けに回ってくるのが常である。しかし今年は感染症の動向がいつもと全く違い、仕事を取り巻く法や実務上のルールが3月から4月にかけて大きく変わった事が影響し、自分の事に全く手をつけられない状態が続いている。
そうなるとどうしてももう一つの生業である占星術の優先順位が一つ下がることにはなるが、幸いにも途切れることなく細々と続いているし、最近は毎日ではなく週ごとに経過天体を読む方向に切り替えて星を通して世の中の動向を読んでいく作業も続けている。だいぶ久しぶりにはなるが、仕事がようやく落ち着いて書き物のための時間を作ることができるようになったので、まずは明日の新月図より最も印象的だった事柄を簡単に記しておきたい。
今回の新月は天王星と比較的タイトに重なり、MCとも合となる。今年は節目事にディセンダント付近に木星、冥王星、土星の集合する配置が繰り返され、蟹座ー山羊座ラインがことのほか強調されるのだが、新月図も同様に上記3天体は6ハウス後半当たりに固まり、新月とは緩く90度の角度(スクエア)の位置を取っている。
医療従事者としての立場から見れば、今のわたしたちの置かれた状況そのままとも言えるのだが、一般的にも労働環境・条件は職種を問わず今までに無い厳しい状況に直面しており、今までとはやり方を大きく変えざるを得なくなっている事を示しているようにも感じられる。そしてそれは各個人や企業の実務的な改革のみならず、何らかの大胆で公的な支援策にも繋がっているのだろう。もしそうであるなら具体的なアイデアを打ち出し、やるべきことに着手するタイミングが今回の新月前後に訪れるのかもしれない。ただ、物事が大きくなればなるほど決定はすぐ下されても、調整に時間がかかり実現するのは少し先になるものもあると思う。
個人の生活に当てはめるなら”お尻に火がつく”感覚を持つ人も多いかもしれない。今まで本心を隠してやりたくない事を嫌々やっていた事があるとすれば、それらを続ける事自体に我慢できなくなるかもしれない。またいままでぐずぐずと決められず先延ばしにしていたことも、何かのきっかけがあればこの時期、非常にあっさりとかつ大胆に決められる可能性もあると思う。例えば生活を立て直す為に今までと全く別の道を選ぶ、生活の基盤そのものは変わらずとも付き合う人を変える、これまでとは違うことに挑戦するなど、「個人の違う一面」を垣間見る瞬間もありそうな気がする。また体を鍛えるためのトレーニングにも熱が入りやすい時期になるかもしれない。
現実の変化は必ず前もって意識の変化を伴うし、今は内面の変化を自覚しやすい時のように思う。新月図を眺めて強く感じたのは、知識や情報の上書きによって”今まで通り”を維持していくことよりも、情報の入れ替えやアップデートによってバージョンを一つあげることの方が大切だという事であった。常識は非常識に、また非常識は常識にという価値観や思考の転換は世の進化には不可欠な要素であるのだが、”今までがこうだった、だからこれからも”…は今後ますます通用しない時代に入ってるのかもしれないとも思う。