アセンダントと出生時間の話
久しぶりに占星術関連の話題を取り上げる。
出生図を割り出すのに欠かせないのは生まれた時間と場所である。それは正確なアセンダントの位置を算出するには不可欠なのである。
ところが出生時間を調べるのは案外と難しいもので、家族からの情報だけだと大体の時間しか覚えていないというケースも多く、更に母子手帳などの記録があっても必ずしも正確とは言えない場合があるという指摘もある。今はともかく、ひと昔前なら有り得る話だよという意見もあるが確認のしようがないのでこちらとしては報告された時間を信頼して調べるしかないのである。
ハウスの割り当ては時間の影響をかなり受ける。4分に1度の割合で動いていくため、例えば午後1時くらいに生まれたという情報しかない場合に、前後30分のずれを考慮すると15度くらい幅ができてしまうのである。そこから出生時間を予想するのはかなり難易度の高い作業になってしまうので、場合によっては依頼者とリアルタイムで話しながら情報を集めながら進めるのが最善策であったりする。
私の出生図を取り上げさせていただくと、私は朝方3時過ぎの生まれでアセンダントは水瓶座の最初の方であるが、毎回チャートを眺めるたびに若干の引っ掛かりを感じていたのがアセンダントの度数であった。私の出生時間が実際の記録より少し早かったという仮説でもう一度見直してみようと考えた時に、ガイドから20分早い時間でもう一度チャートを作り直してみるように助言がありその通りにしてみたら、アセンダントが山羊座の最終度数となり、1ハウスが今と少し違う構成になることがわかった。
私の出生図は1室に土星が含まれるため、アセンダントが山羊座か水瓶座かの判断が非常に難しいのだが、これまでの個人史の振り返りや他者から言われたことを思い出すとアセンダントのサインは水瓶座でほぼ間違いないものの、おそらく出生時間は記録より10分前後早かったと考えるのが一番しっくりくるように思えたし、その仮説からサビアンを調べると、自分自身のテーマとぴったりあうことも分かった。最近見つかった育児日記の情報から個人の小さな産院で生まれたことはわかっているので、オーブ2度程度のズレはありえるだろうと思った。
出生時間には数秘的な意味も含まれるので、もし調べていてなんとなくこれじゃないかもしれないという時は、最高20分(オーブだと5度)以内の時間のずれは考慮してみてもよいかもしれないと個人的には思う。ただしあまり正確な時間に拘りすぎるのも良くはないし、出産時の記録がきちんと残っていてそれでも出生時間の見直しが必要となるケースはある程度限られるということも付け加えておく。稀にだが時間をずらすことで先ほどの私の例のように1ハウスのサインが変わることがあるが、そっちの方がしっくりくるかどうか、得られた情報との整合性が高いかどうかで判断していくことになる。