節目とか曲がり角の話


皆既月食は、残念ながら10時まで仕事のため、7時過ぎにちらっと見ただけで帰る頃には綺麗な満月に戻っていました。

満月の前後は怪我や偏頭痛で病院を訪れる患者さんが多いのですが、今回はやはり食の満月の影響もあるのか、いつもより症状が辛そうな人が多かった気がします。そういう私も午前中から偏頭痛が出始め、しかも痛み止めを切らしていたので慌ててかかりつけの病院へ行ってきました。


頭痛は神経内科でも脳外でもどちらでも診てもらえますが、私はそのどちらでもなくペインクリニック(麻酔科)に通院しています。主治医はなぜか鍼灸師の資格を持つちょっと不思議な麻酔科医で、麻酔薬を極力使わず経絡に沿って鍼ではなくレーザーや磁石を使って治療をしてくれるのです。私のは偏頭痛と緊張性頭痛の混合型というやつで、鍼灸的な治療は後者を緩和するのに役立っていて、偏頭痛の方は自分に合う薬があったのでそれで何とか対応しています。

今日は本当は手術のため午後は休診のはずだったのですが、たまたまオペが早く終わったらしく、急なお願いにも快く診察を引き受けてくださいました。おかげで痛みは酷くならずに何とか治まりました。ただ思わぬ出来事もありまして、第一頸椎の狭窄が起きているのが分かり、これ以上悪くならないように気をつけて、このまま症状が進むと手術しないといけなくなるから、とやんわり釘を刺されました。第五頸椎のヘルニアもすでに20年近く経過していて、先生は年を取れば誰でも骨の隙間は狭くなるから仕方ないと言ってくださったのだけれど、そういうレベルの話ではなくなっていることを改めて知らされたのでした。

今年に入って、少し後頭部の痛みの頻度が上がったり前駆症状のようなものが起きていたので、私はああ、やっぱりね、という気持ちでした。痛みは日替わりで、起きたり起きなかったりだけれど、単に抑えればいいというわけでもないのだろうと、先生の言葉を聞きながらずっと考えていました。痛みは身体に無理をさせないための身体なりの自己主張でもあるので、そこはちゃんと気付いてあげてうまく痛みと付き合っていけということなのかなと思いました。どちらにしても身体と相談しながらやっていくしかないので、そうなるとさて生活どうする?という問いが持ち上がるわけです。

新月や満月は何かと身体の弱いところに症状が出やすいとは以前から思っていましたが、今回は本当に老いへの曲がり角にきていることを実感しましたし、ここでの対応の仕方次第で人生後半の方向性が違ってくるような気がして、まさに節目の時なんだなあとしみじみ思いました。今までのようないっぱい荷物をしょって山登りに挑戦するような暮らしぶりではどこかで身が持たなくなる、だからそろそろ本当に必要なものだけ残していらない荷物を降ろす時が来たのかもしれません。もっと言うなら、山登りもやめて川下りの人生に移りたいところでもあります。



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