双子座新月のサビアンシンボル
昨日2:39の双子座新月図から、新月のサビアンシンボルについて述べたいと思う。また新月図全体を眺めて感じた事も最後に触れておきたい。
双子座2度の新月は2ハウス、また同じ双子座の水星・金星は20度で正確なコンジャンクションを組み、3ハウスのカスプとも重なっている。アセンダントは牡羊座23度で、双子座水星・金星と調和の位置にしている。新月図全体を支配するのが魚座の火星、またミーンノードも双子座で風のエレメントと柔軟宮が強い新月図である。トランジットで天体図のアセンダントが牡羊座の時は”とりあえず勢いで始める”感じが強くなりがちだが、今回の新月図は一応は始めるけど調整がいろいろ必要で、状況次第で予定も変わりそうな雰囲気もある。
そんな新月図の新月のサビアンは、”テュイルリー庭園”である。解析者によっては、”パリのテュイルリー庭園”と記してある資料もある。実在する庭園であり、16世紀にチュイルリー宮殿の庭園として造られ(イタリア式庭園)、17世紀に造園家ル・ノートルの手によって左右対称のフランス式庭園にリフォームされた時のデザインは今もそのまま受け継がれている。計画的に造られた庭園で、彫刻や噴水が点在し野外美術館と呼ばれるほどの芸術的な美しさを保っている。
さてサビアンを紐解くにはいくつものやり方があるが、最も分かりやすいのは5度ずつのクラスタごとに流れを見ていく方法である。双子座の1−5度は一言で言うと「外の世界と接触を持つことによって新しい情報を取り込み、編集・加工する」流れを持つ。双子座全体のテーマを“経験と知恵の獲得“と仮定するなら、最初の5度はプロセスの第一段階である。1度と2度は外の世界に身を置いて情報を集められるだけ集め、3度では頭の中で集めたものを仕分けて整理する。更に4度では情報の見直しと校正を行い、意味づけに取り掛かる。そして5度ではそれを言語(簡単な文章)としてアウトプットするという流れである。
これは幼少期、個人差はあるが2歳前後の子供が言葉を覚え、語彙を増やしていく過程と関連していると私は考えている。子供は音をまねるところから言葉の獲得が始まるがそれは牡牛座のサインの示す五感の発達に関わる領域で、意味のある単語が話せるようになるのが双子座の示す発達の課題なのである。この初期の5度のシンボルには、この課題を進める為の重要な要素が込められているのではないかと感じている。
これらを踏まえて改めて新月のサビアンを読み解いていくに当たって、現実の出来事(表層意識)と心理的な現象(中間意識)とスピリチュアルな意味(無意識の領域)の3つの段階に分けて述べたいと思う。
1)“テュイルリー庭園“のシンボルから連想される世の中の出来事
2ハウスは経済や収入に関する部屋で、その場所での新月は収入源の見直しと捉えることもあるが、個人的に最初に浮かんだのは「学校」であった。いつもの年ならこの時期は連休を終えて新学期初めの学校行事も大体片付いて本格的に勉強に取り組んでいる頃だが、今年は某ウイルス感染予防のための自宅待機期間が長くなってしまい、これからようやく本格的な登校が始まる学校も多いようだ。双子座エリアは義務教育の象徴でもあり、同じサインの水星金星の合も含めるとやっと学校に行けて友達に会える嬉しさもあるのかもしれないと感じた。
参考までに、テュイルリー庭園の設計図を上げておくが、しばらく眺めているとなんとなく学校の教室のようにも見えてくる。そしてその延長として「学会」のようなアカデミックな集まりも意味しているように思う。大体この時期は国内での学会の開催が増えるのである。また2ハウスのカスプ(牡牛座)の新月は、収入に直結する資格や学問も意味しているかもしれない。知り合いの専門学校の先生に聞いた話だが、国家試験を受けるためのカリキュラムはかなりタイトなので、これ以上新学期開始時期が遅れると年内に全てを終わらせるのが不可能になり、試験が受けられなくなる可能性も出てくるとのことだった。もし行動自粛や制限が続いたり、感染の第二波で自宅待機に戻るような事があれば、試験そのもののスケジュールも変えざるを得ない状況になる可能性もあるのだそうだ。
新月図全体を眺めると遅れを早急に取り戻さなければという感じもあるが、新月は火星とタイトなスクエアを組んでいて、学校に関してであれば密を避けるための時差登校や一部の活動は制限を継続しつつ、状況を観ながら段階的に解除していくことになるのかもしれないと思う。あるいは別の見方をするなら、気が散りやすく一つのことに集中しにくい天体配置でもあるので、クラスがざわざわしてまとまらないという現れ方もあるかもしれない。学校の受験や資格試験などに関してはその後の将来に大きく影響する事なので、何とか遅れを取り戻して無事に実施できる方向に進んで欲しいと切に願う次第である。
余談だが、シンボルを別の角度から見ると”タンスやクローゼット”を表し、衣服の入れ替えや買い換えの時期という方もおられるかもしれない。
2)“テュイルリー庭園“のシンボルから連想される心理的現象
魚座に火星と海王星、そして双子座新月に金星・水星で二つのサイン間の葛藤が目立つ新月図は、海王星と正確なスクエアである金星・水星のサビアンシンボルが“混乱する労働者のデモ“であることや、水星と他の天体とのハードアスペクトの多さから、“Twitterデモ“のような現象やマスメディアやSNSなどでの度重なるトラブル、突然の通信障害、重要な情報が広く伝わりにくい反面ゴシップや不確かな情報があっという間に拡散しやすい混沌とした状況をイメージするのは難しくないようにも思う。
個人的な意見として、これらの現象は現実のイベントとして見るよりもう一段掘り下げてみた方がどうして混乱しやすいのかがわかりやすい気がしている。双子座のサビアンシンボルと言語や知恵の発達のプロセスに共通点があることは上述の通りだが、“テュイルリー庭園“のサビアンシンボルには集めた情報を整理し、個人や社会にとって出来事にどのようが意味があるのかを理解しようとする心の働きも含まれているように感じられるのである。私たちの頭の中には左右対象で美しく完備された庭園のような脳の機能が備わっており、ファイリングされた情報どおしの繋がりが意味づけの基本となる。
情報収集と意味づけは子供にとってのみならず、大人になっても引き続き大切な課題である。日常会話における殆どの誤解や感情的な摩擦は、集めた情報の切り取り方とその受け止め方の二つの誤りによって起きているからである。わたしたちは五感から取り入れた情報の全てを脳に入れているわけではない。他人の話も100%聞いてはおらず、その中から本人が重要と判断した部分だけがインプットされる。だから情報が多すぎても少なすぎても、どこを切り取って頭にファイルしたのかによって、その後の理解の仕方も反応も全く変わってくるのである。今は魚座勢力が強いので、欲しい情報がなかなか手に入らなかったり、情報が断片的すぎて理解しづらい状態がいつ起きてもおかしくないように思う。
また受け止め方に関しては、SNSに限った話ではなく日常のリアルな付き合いにおいても、こちらが予想もしないような受け止め方を相手がする可能性は常に考えておいた方がいいように、最近特に強く思うのである。同じ場所で同じ言葉を同時に聞いていたとしても、AさんとBさんの捉え方が全く違うことも、時々“え?そんんな風に受け取ってたのか“と想像の斜め上をいくような場合もあり得るのである。新月図を見る限りは、コミュニケーション全般の行き違いや誤解が生じやすく、世の中の出来事を他人事として切り離せなかったりフェイクを真に受けたり、いろいろと迷いやすい時期であるようもに感じられるので、精神的に辛くなったり行き詰まりを感じた時は一時的に情報をシャットダウンするのが最善策かもしれないと思う。
3)“テュイルリー庭園“のシンボルからスピリチュアルな意味を考える
さらに掘り下げた、無意識の領域に接触する話なのでサビアンシンボルのイメージから直感的に浮かんできた事を手短に述べたい。催眠誘導で庭のイメージは休息の場を提供したい時や、安心できる環境で誰かと対話する時に用いる事が多い。そう考えると“テュイルリー庭園“のサビアンシンボルは「気軽に交流ができる出会いの場」を意味しているかもしれないと思うのである。スピリチュアルな視点から見るとスクエアの角度は決して凶角ではなく、異種同士の交流を意味する。従って小さな「寄り合い」や小規模なグループの集まりが、しばらくは多くなるかもしれない。
特に明確な目的もなく”なんとなく集まった人たち”が実はとても深い縁があったり、個人個人に非常に意味深い出会いであった、という事もあり得るだろうと思う。元々魂はグループ構成があって、一つのグループに共通した人生の目的や課題があるらしい。誰かが声をかけてゆるゆると集まった人たちで何か楽しそうな活動をやってみる時期でもあるのかもしれない。
最後に双子座新月図全体から感じた事を、一言述べて終わりにしたい。頭でいろいろ考える前に、直感で動いてしまう事があるかもしれない。また予想外の収入や頂き物を受け取る方々もおられると思う。今あるものを楽しみ、受け取ったものを楽しむ気持ちでこれからの1ヶ月を過ごせるようにと願っている。