年金受給者、男性の生きがいについて
生涯の大半を一つの会社組織で働いてきた年金受給者の男性は、毎日を有意義に過ごせていますか?
年金受給者になって生活はできているけど、どこか物足りない空虚な日々を送っている人に向けて記事を書いています。
目次
どんな一日を過ごしてますか?
直近の1週間、自分は何をして過ごしたか覚えていますか?
あっという間に一日が過ぎ去っているなと感じた人、読書と散歩で一日が暮れた人、妻の家事手伝いをしている人・・・みんなそれぞれ過ごし方があるのですが、それって本当の人生を送っていると実感していますか?
人との関わりが少なくなって、今まで経験したことのない空しさ、寂しさを感じたことはありませんか?
退職という一時的な解放感を味わった後、当分の間ゆっくり過ごしましょうと何のライフプランも考えないままでいたら、一年後はいったいどうなっているのでしょう。
高齢の男性が生きている意味
今までの人生は、家族や会社のために一生懸命働いてきたと思いますが、それは自分が責任感、世間体、自己成長、家族愛などがあったお陰で経済面での安定を得ることが出来たと思います。
では、これから年金を受給し貯蓄も最低限以上はあるとしたら、「生きる意味」はいったい何でしょう。
これからの生活で、自分の役割はないのかもしれない。
そんな悲観的な疑問が湧いてくるのは、すべての物事の価値判断が「お金」という偏った思考のスキーマ(癖)を社会生活の中で身につけてしまったからかもしれません。
年金受給者が何のために生きているのかと言えば、今までのガンバリの報酬として「時間」という一番貴重な財産をご褒美にもらい、これを自分と他人のために自由に有効活用するためではないでしょうか。
お金は使えばなくなりますが、またパートでも何でもして働けば自分の財布に戻ってきます。
しかし、時間は100%使いきりで、戻ってくることはありません。
旅行や趣味につかって、イキイキと生活を楽しんでいる人もいますが、それは高齢世代の中の経済的に豊かな暮らしをしている一部の人たちです。
ほとんどの人が将来の生活不安をもって日々暮らしているのが現実です。
確かに経済的不平等感はありますが、「時間」という財産は平等です。
それをいかに有効に使うかどうかで、幸福度は決まってきます。
夢中になれるものを見つける
貧しい芸術家が自分の作品に没頭して、家計を顧みなかった例はよくありますが、そこまで没頭しなくても、経済的生活能力がある年金受給者だからこそできる活動があると思います。
特別なことをして自己実現を図る必要はないですし、マイペースで楽しく自己実現を目指せばいいのですから、毎日働いている若い人からみれば、羨ましい限りだと思います。
もし、楽しいことが見つからないのなら、それは好奇心が欠如してしまったからでしょう。
経済第一主義の「ねばならない信念」や「退職前の自尊心」が邪魔をしたり、加齢による生理的な意欲減退があるかもしれません。
自己診断でそう感じたなら「好奇心の再開発」が必要でしょう。
好奇心は鍛えられるスキルであり、積極的に刺激し、発展させることができます。新しいことにオープンで、学び続け、新しい経験に積極的に取り組むことで、好奇心を再開発しましょう。
夢中になれるものがあれば「節約」「近所付き合い」「家庭不和」「ニュースで流れる出来事」などストレスの原因になっているものを軽く受け流せるようになりますし、何よりも自分が楽しそうな笑顔でいることは、周りの人たちも明るい気持ちにさせる効果があります。
笑顔の波紋効果で、これだけでも大きな社会貢献と言えます。
「昔はよかった」は危険信号
高齢者が小中学生の頃はゲームなど遊びの種類は少なかったのに、楽しい毎日を過ごしていたな~と感じる人は多いと思います。
そういった心理的現象は、今現在の自分に満足していないときに現れます。
「昔はよかった、と思う心理」や「過去を美化する心理」に関連する心理学用語としては、「過去の美化(Nostalgia)」という言葉が一般的に使用されます。
過去の美化は、個人が過去の出来事や経験をより良く、ロマンチックに思い出す心理現象を指します。
人々は過去の時期を良い時期として捉え、そこに幸福や満足感を感じることがあります。
過去の美化は、特にストレスや不安が高まったり、現在の問題に対処するのが難しいと感じたりすると、強化されることがあります。
この現象は、過去の出来事を理想化し、現実からの一時的な逃避を提供する一方で、現実的な課題に取り組む障害にもなります。
仕事を「好きなこと」にしても良い
好きなことと言っても、何も趣味に限ったことではありません。
仕事をしていた方が充実して楽しいと思う人は多いと思います。
いろんな仕事にチャレンジしてみるのは、経済的にも助かりますので一石二鳥ではないでしょうか。
私の知人で、メガネの卸会社を経営していた人がいます。
65歳できっぱりと経営をやめ、今は未経験のパート職を2~3か月ごとに変えて働いています。
2ヵ月働いて2ヶ月遊ぶを繰り返すのが基本だそうです。
決して生活が苦しいわけでもなく、パート転職をしながら新しい体験を楽しんでいる様子です。
こういった人とは反対に、求人に応募することを躊躇する人がいます。
学生時代にアルバイト先を選択する際、深く考えないで躊躇なく応募していませんでしたか?
今、それができない理由は、以下のようなことが考えられます。
キャリアの変化への不安: 高年齢者は一度のキャリアを経て、新しい仕事に転職することに対して不安を感じることがあります。新しい職場で適応できるか、スキルや経験が役立つかどうかを心配することがあります。
年齢差別への懸念: 高年齢者は、年齢差別や偏見に直面する可能性があることを心配することがあります。これは再就職を検討する際の障壁となることがあります。
適切な仕事の特定: 高年齢者は、自分に合った新しい仕事を見つけることが難しいと感じることがあります。適切な職種や業界を特定するための情報収集や計画が不足していることが理由として挙げられます。
退職後の目的の見失い: 退職後、仕事から離れると、日常生活における目的や意味を見失うことがあるため、再就職の必要性や目的を確立するのが難しいことがあります。
健康問題: 高年齢者の中には、健康上の問題や制約がある場合があり、それが再就職の選択肢に影響を与えることがあります。
退職後のライフスタイルの変化: 退職後、ライフスタイルが変わることがあり、再就職にはその新しいライフスタイルに合った仕事を選びたいという欲求が影響します。
周りの人は、自分が思っているほど他人のことに関心をもってはいません。自意識過剰にならないことも大切です。
いろいろな未経験のパート職についても良いし、フリーランスになって新しいことに挑戦しても良いし、ボランティア活動を始めても良いと思います。
発信する楽しさを知りましょう
高齢者になっても、自分のことを知ってもらいたいという欲求は有ります。
自分の健康について話したがる人がとても多いのは、その証拠です。
自分のことを話すことはストレスと孤独感の解消にはなりますが、病気のことなどを繰り返し聞かされる側からすれば、ありがたく有りません。
ですから、自分の生活の様子などを発信する手段には、ブログやSNSを活用しましょう。
その心理的効果は次の通りです。
コミュニケーションとつながりの拡大: ブログやSNSを通じて他の人とコミュニケーションを取ることで、新しい友人や共感する人々とつながりを持つ機会が増えます。これは孤独感の軽減や支援を受ける場所の提供に役立ちます。
自己肯定感の向上: ブログやSNSで肯定的なフィードバックを受けることは、自己肯定感を高める要因となります。他の人からの賛辞や共感を受けることで、自分の価値を認識し、自信を持つ助けになります。
ストレスの軽減: 自分の思考や感情を文章にまとめることは、ストレスの軽減に役立つことがあります。ブログやSNSを通じて自分の気持ちを整理し、共有することで、心の重荷を軽くすることができます。
目標設定と達成感: ブログやSNSを運営することは、自分にとっての目標設定や達成感を提供します。読者やフォロワーの数を増やす、定期的にコンテンツを更新するなどの目標を設定し、それらを達成することで達成感を感じることができます。
情報収集と学習: ブログやSNSを通じて他の人の情報や意見に触れることで、新しい知識や視点を獲得できます。これは自己成長や学習の機会となります。
共感と支持: 自分の経験や意見を共有することで、共感や支持を受ける機会が増えます。共感を受けることで、孤立感を軽減し、感情的なサポートを得ることができます。
ブログなどでその日の出来事を日記のようにかいていると、ほかのブログを書いている人の事にも関心が出てきます。
実は、人のことに関心を持つことは非常に重要なことだそうです。決して批判的なバイアスをもって見ないようにしましょう。
読みたいと思った人の記事だけを読めばよいのです。
発信するチカラは、女性の方が優れている
社会集団の適応能力についての研究では、人それぞれ多くの事に依存して生きているので、性別だけで判断、説明するのは難しいらしいのですが、一般的に早く環境に適応する能力は女性の方が優れているように思います。
良い意味での「無駄に考えすぎない発信力」を持っているのは、女性の方が多いようです。
それに、女性のブログを読んでも、自分のことだけを書いていてもどこか俯瞰して自分や他人を見ているのは単純に面白いです。
実際、中高年の女性が生活や思いを発信している日記ブログや動画配信は多く見受けられますが、男性の生活ブログはあまり見かけません。
その理由は、発信できるほどの内容がない、つまり「生活が面白くない」からでしょう。
面白い記事が書けない、発信できないということは「面白く暮らしていない」証拠でもあります。
終わりに
貧困老人にならないために、楽しいことを見つけましょう。
「貧困」とは経済的困窮だけを表す言葉ではなく、広い意味で使われます。
また集団的、継続的な意味でも使われます。
経済的に不安がなくても「心の貧困者」になる可能性がありますから、そうなる前に行動を起こすべきでしょう。
興味のあることを見つけ、それを発信することの楽しさを知らないまま過ごすのはもったいないです。
子供の頃の好奇心を取り戻し、社会経験で得た知識を使って、もう一度自己成長と社会貢献をしてみませんか。
何をするかは自由ですし、きっと新しい友達もできるでしょうし、何よりも新しい自分を再発見して人生を2回楽しむことが出来るでしょう。