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七五三騒動と白いセットアップ

自らの七五三も、成人式も、子どものお宮参りも…着物には縁のなかった私ですが、なぜか息子の七五三には「着物を着るんだろうな」という淡い期待を抱いていました。ですが、息子のチョイスしたのはスーツ。そして、その場合「母は着物を着ない」というしきたりに則り、結局1度きりの息子の七五三にも、着物で参戦する可能性は消えました。

それ以外にも面倒なことが重なり、七五三を張り切る気持ちはすっかりゼロに。また息子は早生まれということもあり、皆が七五三を祝う年中のときは、幼過ぎて暴れる未来しか見えず、結局スルー。いよいよ今年で最後、という歳になり渋々準備を始めました。

投げやりな気持ちで、当初着ていこうと思っていたのが、いざというときのために仕立てたブラックフォーマル。1年前に仕立てたので、念の為サイズが変わっていないか、試着してみたのが七五三の1週間前。そこで、ようやく「地味が過ぎる」ことに気づいたのです。

息子のスーツは紺、夫のスーツはチャコールグレー、そこへ私が漆黒のセットアップ、では全く華がない!一応、大きめのパールのブローチは仕込んでいたものの、どうも気持ちが上がらない!!

無謀な挑戦に挑んだのはそこから。いつもの自分のペースでいうと1〜2か月は余裕でかかる、裏つきのワンピとジャケットを、1週間で縫ってみようというチャレンジをスタートさせたのです。

結論から言うと、完成しました。人間、やるときゃやるものです。

生地:伊東ファッションサービス(ウールツイード)
裏地:長戸商店 透け防止キュプラ
パターン:鈴木圭の考えるドレスアップドレス、08のジャケットと11のワンピース
アレンジ:ワンピは背中の開きを閉じる

まずは3日でワンピを完成させてから、4日目に風邪で強烈に喉をやられながら、結局七五三前日深夜まで格闘して、ジャケットを仕上げました。

生地は2年前、子どもの入園式用に着ていく服を仕立てようとして買ったもの(しかし、入園式はコロナで中止)。白のツイードで、細かくラメが入っている、とっても上品な生地です。確かイタリア製だったと思うのですが、見た瞬間、一目惚れでした。

そして、今回のハイライトは長戸さんで購入した「透け防」のキュプラ。やや黄みがかった白で、厚みのある質感。表地のツイードは真っ白で、普通の白やベージュやピンクなどの裏地は一様に助けてしまうのですが、これは本当に透けない!淡い色の生地を表地に持って来る時には全方位的におすすめです。

初めて扱うツイード生地は、切ったところからボロボロと崩壊していくのが恐怖でした。全面に芯を張るか、端に滑脱防止テープを張るか…など、端の処理に散々迷いましたが、結局全ての端をロックミシンで処理することに決定。結果、ほつれず、かつ柔らかさは保ったままにできたので正解だったと思います。

このパターンはワンピもジャケットも作ったことがあったので、その美しさは立証済み。予想通りのエレガントなセットアップが誕生しました。

往年のディオールを思わせるフォルムにワクワク。大急ぎで仕立てましたが、お気に入りの一着ができあがりました。

ずっと「セットアップ」というものにも憧れていたのですが、やはり贅沢な感じがしていいですね。前回のコート同様、また一つ、憧れのものが作れました。

上下真っ白で若干派手な気もしますが、このセットアップは4月の子どもの入学式にも着ていきたいと思います!


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