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納得しやすい一口馬主クラブ法人選び - 2024年
前回は私が一口馬主のクラブに入会するところから初めての出資をするまでの顛末をまとめました。
シルク・ホースクラブ(以下シルク)に入会したのですが決めた理由は「アーモンドアイが所属してたから」という理由が大半です。
入会金は「1万円ほど」で月会費は「3300円」に月々の預託費用が「1200円くらい?」か、まあそんなもんでしょ程度しか考えていない状態で、ファンクラブ会員になり1年ファンクラブ会員費を払い続け今年入会と相成りました。
その程度の下調べしかしていないので他のクラブ法人の入会方法や年会費、出資口数がどうかということはシルク入会以後に確認した情報の方が多いぐらいです。まともに調べた他のクラブ法人はキャロットクラブ(以下キャロット)だけで、さらにその他のクラブは未だちゃんと調べてはいないです。
それで納得しやすいと言われても、という感じになるでしょうが今から語るポイントだけで後悔の少ないクラブ法人選びはできると考えました。
どういう馬に出資したいのか
世の中いろんな方がいますので、いろんな考えで出資する馬を決めるとは思いますが、ほとんどの人が「たくさん勝つ馬」「大きいレースで勝てる馬」「賞金を多く獲得できる馬」に出資したいはずです。
各クラブ法人ごとの過去実績についてどのクラブがどれくらいの頭数と確率で高額賞金を獲得した馬を輩出してきたか確認してみました。
※データは2024年8月中ごろの集計です。
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上記の表ですが1億以上は1億円台の賞金額を獲得した馬の頭数を表しているものではなく、1億円台の賞金の馬に2億/3億/4億/5億円台の賞金額の頭数総てが含まれています。シルクで見た場合、5億7頭+4億円4頭足+3億3頭+2億9頭+1億37頭の総計60頭、つまり1億円以上の賞金を獲得した総ての頭数という意味になります。
上記を見ての通りいわゆる社台・ノーザン系の4クラブの実績が圧倒的です。ラフィアンターフマンクラブ(以下ラフィアン)は比較用に入れたのですが1億以上の賞金を獲得した馬の頭数は立派な数字になっています。他の20あるクラブは割愛します。
上位の4クラブとラフィアンを含むその他21クラブでは、高額賞金を獲得した馬の頭数がだいぶ違います。
高額賞金獲得馬の出現率
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頭数をもとに登録頭数全体から各賞金額を獲得した馬の割合は上記です。
パーセントで比較するとより如実に社台・ノーザン系の4クラブが他のクラブを圧倒していることが分かります。
一見するとシルクについては他の社台・ノーザン系のクラブの成績からすると一段低い数値に見えます。これには理由があります。
シルク・ホースクラブの変遷と成績の変化
シルク・ホースクラブは今ではノーザン系のクラブ法人ですが、元は早田牧場と縁の深いクラブ法人でした。早田牧場と言えばブライアンズタイムを導入し、1990年代に多数の活躍馬を輩出し社台ファームに追いつき追い越せという雰囲気があった時期もありました。ビワハヤヒデとナリタブライアンの兄弟、マーベラスサンデーやシルクジャスティスが活躍していた頃は、日の出の勢いでした。
早田牧場系列とも言える時代はシルクの冠名で所属馬は活躍していました。その後早田牧場の経営が行き詰まり、シルクは紆余曲折ありながら2008年頃に社台グループ傘下に収まります。その紆余曲折の中で早田牧場が設立した天栄ホースパークはノーザンファームに買収され、今のノーザンファーム天栄となったりしてます。
その変化により2009年産までの募集馬と2010年産以後の募集馬とはノーザンファーム生産馬の割合が大きく変わりました。
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ノーザンファーム生産馬の割合が増えたことより高額賞金を獲得した馬の割合がかなり上昇したことが分かります。
強い4クラブ
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シルクもノーザンファーム生産馬が中心での募集に切り替わったことで、他の3クラブと匹敵するような高額賞金獲得馬の出現率であることがわかります。
またこれにより他の21クラブと社台・ノーザン系の4クラブとの差も開くことになりました。例え社台・ノーザン系のクラブであっても93%は1億円の獲得賞金を超えないのですが、他のクラブの募集馬との比較で2倍から4倍は高額賞金を獲得する馬の出現確率が高いです。
ありきたりと言うか最初から分かりきった答えだとは思います。とは言え数値的にもこれだけの差があると多くない資金の中から同じような金額を出資するなら、この4クラブの募集馬に出資することが必要不可欠な選択になると考えています。
強いノーザンファーム
netkeibaさんのデータベースで3億円以上の賞金を獲得した馬は延べ660頭です。2024年の生産者リーディング順で各牧場の3億円以上賞金を獲得した生産馬の頭数は、ノーザンファーム128頭、社台ファーム87頭、岡田スタッド10頭、白老ファーム10頭、三嶋牧場5頭、下河辺牧場8頭、ビッグレッドファーム2頭、ノースヒルズ12頭、追分ファーム5頭といった感じになります。
これは一口馬主のみならず個人馬主の所有馬も含む数値ですが、ノーザンファームと社台ファームの成績がかなり突出しています。白老ファームや追分ファームも社台グループです。上位4クラブは優秀な社台グループの生産馬が募集馬のほとんどであるため、成績の良い募集馬を引く意味では他のクラブよりも有利になることは明らかです。
残された時間と抽選回数
私の優先事項は、GIを勝てるような能力が高い馬に出資することです。さらに掛けられるコストに縛りがあります。入会したシルク・ホースクラブよりもコストがより緩やかなクラブ法人は存在します。ですがコストを重視して上位4クラブ以外のクラブに入会した場合、成績の良い馬に出資できるチャンスはそうありません。
現在の3歳世代の結果を見ても、天皇賞終了時点と中途半端な時期の結果ですが、上位4クラブについては全て1億円超える賞金を獲得した募集馬が存在します。中でもサンデーサラブレッドクラブ(以下サンデーTC)が結果が出ておりチェルヴィニアは3億超でアスコリピチェーノも2億超、クイーンズウォークとレガレイラが1億超えです。今後の活躍次第では2億を超えてくるでしょう。
他の21クラブには天皇賞終了時点で1億超えの賞金を獲得した募集馬は存在しません。広尾サラブレッド倶楽部とラフィアンに9000万円台の馬が1頭ずついる、というところが健闘していると言えます。
※JBCの結果で広尾のアンモシエラが1億円を超えました。
私の場合家計の都合から限られた抽選回数しか出資できるチャンスは無いと想定しています。各クラブそれぞれに良さがあり、一口馬主は何も獲得賞金だけが魅力ではないでしょうが、私の目標はGIを勝てる馬への出資です。統計的な結果からGIを勝てる馬が存在する確率が高いところの抽選箱を選びたいです。
40口クラブの費用感
サンデーTCや社台サラブレッドクラブのような40口のクラブは夢はあるのですが、出資するには先立つものが無いと厳しいです。サンデーTCでは現3歳の場合一口60万円が最安値クラスの募集馬でした。例としてはアスコリピチェーノです。
サンデーTCの場合牝馬は6歳3月末が引退の期限ですが、活躍した馬は5歳12月に引退することも多いです。2歳1月から48ヶ月間ランニングコストが掛かります。月会費込みで1万8000円ほどなので、86万がこれに加算されると146万円です。
アスコリピチェーノは現時点で2億6000万円賞金を獲得しています。計算上で一口当たり390万円回収しているので余裕でプラスですが、サンデーTCでもこういう馬は100頭に2-3頭の割合です。
年額36万の費用は他の趣味など投げ打てば一般的な会社員男性の年間お小遣いと同じくらいです。アスコリピチェーノだと分かって出資できるなら、耐えられる気もしますけど、その4年の間に出資馬を増やさない条件での計算ですから現実的とは言えません。
ここに2年目でまた60万の馬に出資して48ヶ月目の総額を計算すると282万円ほどになり年額で70万ですから毎月ほぼ10万を費やす計算です。
上位4クラブの中で一般的な社会人男性の平均的なお小遣いの範囲で出資するならシルクかキャロットの二択になるはずです。
シルクとキャロットならどっち
大物が出現する確率から資金が潤沢ならサンデーTC、費用を抑えるならキャロットに出資するが後悔の少ない選択になります。
シルクが1頭500口、キャロットが1頭400口の違いがあります。少しでも出資金や維持費を押さえるならシルクにはなります。コストは少しキャロットが高いですが分配される配当もキャロットの方が高いです。
少数口の出資だとそこまで大きな差では無いです。
キャロットに関しては既存会員に対する手厚さがあります。Our Bloodという母馬出資者優先権が強いです。母馬の出資者であった人はその子供に優先的に出資が出来るという仕組みです。高額賞金の掛かったレースは国内では、日本ダービー、ジャパンカップ、有馬記念ですが統計的に牡馬の方が勝つ確率が高いです。そのため牡馬の方が人気がありますが、キャロットはOur Bloodの仕組みがあるので、牝馬への出資も先々の楽しみになります。
また最優先希望枠を使った申し込みに落選すると翌年は優先的に抽選に当たり易くなる仕組みもあります。
少額小口で末永く楽しむならベストなクラブだと言えます。しかしながら、まず入会することが難しいです。既存会員に手厚いため、現行の入会方法は1次と1.5次募集後の2次募集の出資馬の抽選に当選することになります。
既存会員の方も経験豊富な方が多い環境のため活躍出来る馬は統計的にも2次募集にはなかなか残りません。入会するためには多くの人が欲しいとは思わなかった馬に出資しなければなりません。
その条件でも入会希望者は多いです。頭数や残り口数があまり残っていない場合、かなり狭き門にもなります。キャロット入会チャレンジと呼ばれる所以です。入ってしまえば既存会員ですから、翌年からは楽しみは広がるので初年度は我慢を強いられても、それでも構わないという方は多いのだろうなと想像されます。
まとめ
サンデーTCと社台TCは分けて書きましたが実際のところこの2クラブはニコイチです。お金がありさえすればサンデーTC/社台TCの会員になる、が最良の選択肢だと思います。資金的に少額であればキャロットですね。
私自身はシルクに入会しましたが後悔があるかと言えば今のところはありません。獲得賞金額が高い、GIが勝てそうな馬に出資するならBIG4のクラブに入会することが効率的です。自分が捻出出来る費用からはキャロットかシルクの2択です。キャロット入会を目指すといつまで経っても一口馬主を始められない可能性があります。1年待たされたことはありますが今のタイミングで一口馬主になるには、シルクに入会することが最も納得のいく一口馬主クラブ法人選びだったと思います。
キャロットに関しては会員数が推定2万人超えと多く、出資抽選の競争率はかなり高めです。出資抽選の仕組みも複雑さがあるので、悩む部分も多そうです。それはそれで抽選自体にゲーム的な面白さはあるのかもしれませんが面倒と言えば面倒です。
シルクは実績が無ければ取りたい馬は取れないことは事実てすが、500口中の300口がそうだという話です。残りの200口は抽選枠であり抽選時優先制度(抽優)で申し込むことで、倍率の多寡はあるでしょうがどんな馬にでも出資できるチャンスはあります。私の場合予算的に実績で戦うことはないため抽優の出資検討のみ考えればいいのでシンプルです。
来年も産駒がデビューして間もない、またはデビュー前の種牡馬の産駒を狙う予定です。キタサンブラックやキズナやエピファネイアといった人気の種牡馬の仔は競争率が高い、と言いますか価格的にも手が出せません。あまり競争率の高くないところから良い馬を上手く見極めたいものです。