僕たちは「セー〇ームーン」のCDを買いに行った ~ミラクルロマンス~
CDショップへ向かう僕たち
崇高な目的を持ち、僕たちはCDショップへ向かっていた。
今日は愛するう〇ぎちゃんが主人公である「セーラー〇ーン」の
CDを購入する大切な日なのだ。
たわいのないおしゃべりをしながら、リラックスしてゆっくりと
着実にCDショップへと向かう。
しばらくの後、無事目的の店へ到着。
友の悩み
広い店内をゆっくり歩いていると、友が深刻な顔で悩みを
打ち明けてくれた。
「特撮とセーラームー〇のCDを買いたいけれど、レジに
持って行くのが恥ずかしい」
なんだ、そんな事か。
ならば友のため、セー〇ームーンのため、僕が一肌脱ぐとしよう。
なにせ僕に怖い事など無いのだから。
自分用のCDも加えてレジに向かおうとすると、なぜか他の友の
特撮やアニメのCDまで渡され、山のようになってしまった。
なるほど、随分と頼りにされているようだ。
まかせておくがいい。
レジへ
山のようなCDを持ち、レジ待ちしているとベテランらしき女性店員が
こちらをちらちら見てくる。
これだけの買い物をするのだ。
気にもなるだろう。
少々照れるな。
店内に響く声
そして支払いの際、広い店内にここは宝〇か?と思わせる声が
高らかに響いた。
「セーラー〇ーンのポスターお付けしますか~?」
その瞬間、人々の視線がこちらに集中。
緊張と緊迫感が店内を支配する。
まて、セーラームー〇のCDにポスター付きとの表示は無かった。
このベテラン女性店員、先ほどからこちらをちらちらと見ていたが
さてはこの僕に一目惚れ?
それ故の特別サービスか?
それとも何かの罠?
その時、自分の脳内にあの名曲が流れた
「ごめんね素直じゃなくって」
とすると、これがいわゆるツンデレ?
それにしては少々ツンが過ぎるのではないか?
そうなるとツンデレでなく、ツンツンデレではないのか?
高らかに響く声量、しかしわずかに恥ずかし気に、そして上ずった
物言い、明らかに僕に惚れているようだ。
気持ちを抑えきれず、思わず叫ぶようにしてしまった告白。
しかし、僕には愛するう〇ぎちゃんがいるのだ。
残念ながらあなたのタ〇シード仮面になる事はできない。
すまない。
その好意だけは受け取っておこう。
「もちろん、いただくよ」
俯いて素早くポスターを丸めるベテラン女性店員。
羞恥心で僕を直視できないようだ。
僕への気持ちを振り切るように颯爽と店を出る。
帰途へ
友よ、無事CDは手に入れた。
待ち受ける皆はニヤニヤしつつCDを受け取っている。
先ほどのロマンスを目撃していたようだ。
よせよ。
僕にはう〇ぎちゃんが一番大切だと皆知っているだろう。
今夜はこのCDを聞きつつ、無事崇高な目的を果たした事に
祝杯をあげよう。
ミラクルロマンス
ジャン
了
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