写真集:「平成レトロ」を試みる(神戸)
少し前から「昭和レトロ」と称してフィルム写真が流行っていますが、この所時代が進んで「平成レトロ」という言葉まで出てきたそうではないですか。写真周りに限っていうと「オールドコンデジ」なる物で撮った写真がエモくていいとかなんとか。
そういえば実家に古いコンデジがあったと思い出し、引っ張り出してきたのが2011年発売のSONY Cyber-shot DSC-W530。CCDセンサーにCarl Zeissのレンズで切り取った「平成レトロ」な新春の神戸は、一体どういう写りをするのか。ちょっと試し撮りしてきました。
センサーの違いかメーカーの違いか、色がしっかりこってり出ている様に感じます。レンズの逆光耐性が0なのと、暗い所で荒々しくなるのはコンデジの悪い点でもあり、この場合は良い点でもあるのかもしれません。
日が沈み始めると暗所性能の低さが目立つ様になるので、被写体の力と合わせてレトロさを感じる様になります。ほぼパンフォーカスで立体感の無い写りや、飽和しがちな赤色を積極的に取り入れるとその傾向が強くなります。ピントが真ん中周辺でしか合わないのが、スナップ撮影にはちょっと厳しかったです。
いつもの感覚でEVをイジってちょっと暗めに撮っていたのですが、どちらかというと明るめに撮った方がいい意味で立体感が飛んで、古い写真感が出ますね。最初に述べた色の濃さが夕日の色味と相まって、いい雰囲気になっていると思いました。
半日神戸の街をオールドコンデジ1つで練り歩いてみて思ったのは、フィルム写真の様に「撮ればレトロ」という感じではなく、雰囲気を「演出」するために色々工夫する必要があるな、ということでした。古いCCDセンサーとはいえ1.4M画素もあるので、画素数だけならPentax Q7やiPhone15のインカメラ以上というのもその一因かもしれません。
少し調べると「設定で画素数を落とす」「ISOを高くする」といった事もしているようですが、なら現代のカメラかスマホのフィルターで良くない?と思ってみたり。ただフィルム写真は入手・撮影・現像・共有とあらゆる面でハードルが高いので、手軽にレトロ感を楽しむにはちょうどいいのかも。もうすぐ古いスマホにシフトしそうな気がする。。。
【撮影情報】
撮影日:2024年1月5日
カメラ:SONY Cyber-shot DSC-W530
撮影場所:神戸
おまけ:少し前までのポートタワー(他のカメラで撮影)