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【EPS.3】フットボールにおける“自分原因論"という考え方

このnoteは、渋谷からJリーグ参入を目指すSHIBUYA CITY FC(東京都1部リーグ所属)の代表であるわたくし小泉翔が、サッカークラブ運営の裏側、狙いなど「魂胆」を赤裸々に語っていく連載企画です⚽️

前回の、渋谷のテクニカルダイレクター兼コーチに就任した戸田和幸さんについてのnoteはこちら。


さて、今日は先日3/27(日)のリーグ戦開幕戦の前に選手たち共有した文章です。新年度初日ということで、心を新たにスタートを切る方々にもぜひ読んでいただければ幸いです。

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SHIBUYA CITYに参画する前に共同経営していた会社の行動指針に「自分原因論」という考え方が、組織全体の強い共通認識として存在していました。

いわゆる「うまくいかなかった時に、他人のせいにするな」というもので、それに加えその問題が他人に要因があったとしても「自分にできることがあるのでは(あったのでは)」と思考するようにしよう、というものです。

フットボールというスポーツは一人では絶対にできないので、本当にありとあらゆる問題・課題にぶち当たります。

ピッチでは、自分のコンディションが良くてもいいパスが来なかったり味方のせいでそれが発揮できないこともあります。自分がどれだけ良いパフォーマンスを発揮してもチームメイトの1つのミスで失点し敗北することもあります。スタメンで起用されなかったり、監督の采配に納得がいかなかったりすることもあります。

そんなとき非常に重要なポイントは、(100%自分に非がなかったとしても)それを相手のせいにすると、状況が好転するかどうかは、その後の相手のアクション(改善してくれるかどうか)次第になり、相手に依存することになる、という点です。

自分原因論というのは、道徳的に「人のせいにしちゃいけません」という話しではなく、なにかしらの「うまくいかなかった状態」を改善するための手段として非常に理にかなった思考だと思っています。そして自分のミスや失敗に真摯に向き合い認め、謙虚な姿勢で向き合えるようになります。(自分もこの点本当にまだまだですが…)

いいパスが来ないのは自分のポジショニングが原因かもしれないし、声をかけるタイミングを改善できるかもしれない。「こないだの試合うまくいかなかったよね」と練習中に仲間と振り返るのも一つ。

味方のミスで失点したとしたら、同じことが起きないようにアドバイスできるかもしれないし、DFラインとGKを集めて話し合って欲しいと要求することもできる。映像を見ながら振り返る機会を作ろうと発案するのもその一つかもしれません。

スタメンで起用されなかったら理由は阿部さんや戸田さんに自ら聞きにいけばいいし、何が足りないのか自分で考え日々の生活から改善していくことができます。「スタメンで起用されない意味が理解でない」と影で文句を言って不貞腐れたら、物理的にそこから状況は好転せずスタメンで起用されることはありません。

そういった不満を持ちモチベーションが低下している選手がいたときに「人のせいにしてんじゃねーよ」とその選手のせいにしたら僕側にとっての自分原因論は破綻しているので、個別に呼び出して勇気づけることはできるかもしれないし、監督やコーチにどこが足りてないのか自分から話してみれば?と提案することもできます。

自分原因論の思考が習慣になると、課題に対しての施策の数と質が徐々に向上していきます。

そして何か具体的に問題が起きているわけではなかったとしても、より良いチームにするために何か自分にできることがあるのでは、と常に考えてほしいし、選手30名全員がそのマインドでクラブに所属していたら、本当に今年の渋谷は本当の意味でどこにも負けないチームになると思います。

「主体性」「一体感」「リスペクト」

新体制が始まった時からこの3つを今年のキーワードとして掲げていますが、「主体性」「一体感」はこの”自分原因論”で片付けることができます。(自分原因論を説明するのが面倒だったのでわかりやすくその2つにしましたw)

個人の意見ですが、これはサッカー面だけでなく社会人生活、ビジネス面において非常に重要な考え方です。かっこいいビジネスマンは人のせいにして文句言わないし、成長を続ける人は常に自分にベクトルが向いているように感じます。

年俸が安い、観客が入らない、セカンドキャリアに不安がある、環境が整っていない。僕らが目指す上位カテゴリーであっても、選手にもクラブ側にも、サッカー界にはきっと本当にいろんな課題があります。

それを誰かのせいにしては状況は変わりません。大好きなサッカーがもっと盛り上っていくために自分たちに何ができるのか。SHIBUYA CITY FCそのものが、自分原因論をもとにサッカー界全体の課題に対して今までにない新たな施策とユーモアで解決していく存在でありたいと思っています。

今シーズン、どこかで結果としてつまづく場面が出てくるかもしれません。試合に出れない選手も、なかなかベンチに入れない選手も出てくるかもしれません。試合で活躍するためにみんなこのクラブに所属していると思うので、もちろん試合に出れないことへのストレスは非常に大きいと思います。でも人のせいにせず、自分にできることを常に考え行動する姿勢は、絶対に成長の糧になります。

僕は選手・スタッフ全員に、このクラブに所属して本当に良かった感じてもられる1年にしたいと本気で思っています。

関東リーグ昇格という絶対目標を果たすためだけでなく、一人一人が成長しクラブを誇りに思ってもらえるようにしたいといつも考えています。そのために明日からまた僕も自分にできることを常に考えて行動していきます。

みんなで、いい組織にしましょう。

SHIBUYA CITY FC 公式Twitter

#社長の魂胆

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