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Hyggestund 物語 No2

柔らかでのどかな春のおひさま,花開く桜.
うららかな陽とともに吹いてくるひんやり風にまだまだ冬の名残りも感じつつ,
やわらかで淡いトーンの風景は,たくさん羽織っていたものが身軽になり解放していくような気分を感じさせてくれる.

すっかり春気分がゆえ,軽やかなお洋服を纏いたくなると,ついつい薄着になりがちで,ぽかぽか陽気な心地よさと同時に,温度感覚があっちいったりこっちいったりもして不思議な感覚.

はやる気持ちになんだかカラダがちょっと待ってーと言ってるような,そんな感覚が近頃あったので,カラダを愛でるべく,いつもより早めにお湯に浸かろうと.
この香りを手にとった.
SOLのHyggestund-No2.

ジューシーでいてほろ苦い,グレープフルーツのみずみずしさががなんだかとてもちょうど良い.
そしてベルガモットと相まって苦味がなんとも心地よいのだ.
春は苦味とよくいわれるわけだなー.
クロモジにサンダルウッドとシダーウッド,このハーモニー.
清らかでぬくもりある木々や葉っぱがあたたかく包んでくれているような気がした.
ブラックペッパーとローレルがより温かみを循環させてくれて..
まるで木でつくられた湯船に浸かっているようなあたたかな感覚.
そして見上げるとクリーンな空.のようなそんな空気感をフラゴニアから感じると,自然と呼吸が深ーくなってゆく.

肩の力も抜け..
わたしのイカリ肩もほんの少ーしなだらかになったような..
いつもはさっと上がりがちなせっかちさんだけれど,ひさしぶりにゆーっくりと長いこと浸かって..
あるものを箱買いして旅立った春のことを想い出した.

高校卒業,専門学校卒業,
どちらの旅立ちだったかな..

新天地での新しい挑戦はドキドキする緊張感と不安がひとつもなかったかというとそんなことはなかった.
けれどそんな気持ちを掻き消してくれるほどに希望に満ち溢れ,わくわくする感覚で漲っていた.

そんなわたしがお供に箱買いしたもの.それは..
板ガムさん.
今は粒ガムさんに押し寄せられて,姿を見かけなくなった板ガムさん..

1枚すっと抜きとり気分転換に噛んでみたり,1枚どう? ってだれかにすっとお裾分けしたり.
すっと抜きとるっていうあの板ガムならではの感じがなんだか好きだったなー.

色んなフレーバーがあって,好きなフレーバーに出会うととことんお供する.
そんな存在のガムがいくつかあった.
その中のひとつ,今やなき..RELAXガム.

若草色にRELAXの文字と木々のイラストが描かれたパッケージ.
まさにそのイメージぴったりの風味がなんとも好きで,その時ガムといえばRELAX! の一択だった.
業務用スーパーで箱ごと(1ダースっていうのかな)売っているのを見つけるやいなや,旅のお供にしたのでありました.

バスルームにひろがる香りが,そのRELAXという名の板ガムさんを想い出すような..近しい香りに感じたのです.
そしてこのほっとひと息つけるこの感覚もなんだか似ている.

当時は年齢的にも,寝る時間がもったいないってくらい活動時間も多くて,体力も有り余っていたし,何ともなかったけれど,気づかないところでふっと落ち着けるもの,この香りを求めていたのかもしれない.
噛むリズムとともに香りによってバランスを整えていたのかもしれないなーと.
20数年越しにふと想うのでした.

春は移り気.
気温に天気,環境..
バランスとって,エネルギー循環させて,花咲く春を心地よく満喫してゆきたいものです.

2021年春のわたしが感じたHyggestund-No2 の物語でした.
季節が変わるとちがった物語が想い出されるのかな.


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